2004年12月29日
人は自分が「そうあればいいな」といった願いに基づいて物事を受け取りたがる事があります。
僕のような車好きな連中は皆自分の愛車を単なる道具では無く「相棒」だと思っているところがあり、
もし大きな事故があって自分が助かった時は必ず「コイツが守ってくれたんだ!」と本来相棒がそうするであろう行動になぞらえて言ったりします。
またペットを飼っている人は擬人化をして話し掛けたりペットのとった行動を判断したりするのも同様な理由からでしょう。
しかしいずれの場合もその対象が道具であったり動物であるという現実は常に冷静に把握しているというのも確かです。
ですがもしこの対象となるべき存在が限りなく人間に近いものでありながら、決して人間では無いものだとしたらその存在に対し人間はどんな感情を抱くのでしょう?
今日も昨日に引き続きまたまた漫画ネタです。
だってまた例のあそこに行ったんだもん!
皆さんの中には「ちょびっツ」という漫画をご存知の方はおられますか?
知らない方の為に説明しておくと、舞台となる世界は普通の日本で登場する主人公も極々普通の予備校生、ただ一つ現実の世界と違うのはこの漫画の世界でパソコンは人の形をした所謂アンドロイドのような物なんです。
耳の部分のカバーを開けると外部接続端子があるという事を除けばあとは人間と全く同じ外見をしていて人間同士でするそれと同じように会話もできたりします。
ですがそれらはあくまで「パソコン」という電化製品のひとつなのです。
物語に登場する主人公の青年はある日ゴミ捨て場にすてられていた一体のパソコンを見つけ
自分の部屋に持ちかえりました。
とても可愛い女の子の形をしたそれはすぐに彼に懐くようになり、彼もそんなパソコンをいとおしく思うようになっていきます。
ですが彼女はパソコンでありその行動はプログラムがさせているに過ぎず、そんな悲しい現実が彼を悩ませていきます。
やがて彼に好意を抱く生身の女の子が現れるのですが、やはりパソコンに対して抱く感情も既に無視できない程にまでなりそのリアルさが仇となってますます彼を苦しめていくのです。
冷蔵庫や炊飯器のようにあからさまな電化製品ならこんなには悩まなかったでしょう。
最初は「単なる美少女アンドロイドものかぁ~」なんて思ってたんですが、
読んでいくうちに「人が誰かを愛する時、その相手も同じ人間である事が当然の大前提だったりするけど、これが人に対して抱くソレと全く同様のものでありながらその対象が人では無い存在だった場合に果たして人間はどういう心理状態に陥るんだろう?」なんていうちょっとした実験的なもの感じたりしてなかなか興味深いテーマの漫画だなぁ~なんて思いました。
人は人を愛するように神様に作られました。
しかし今後、技術の進歩で今の僕達が創造もしなかったようなモノに出会った時、
人間の歴史の中で何千年と続いてきた愛の形や愛される者の愛されるべき理由というものが
果たしてどのような変化を見せるのか?
ちょっと考えさせられました。
もし嫁サンが実は「人」では無く「モノ」だったとしたら・・・・・
今の僕にはその答えは見つけられそうにありません。
Posted at 2005/12/03 16:00:32 | |
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