
完全に音楽ネタです。
しかも、妖怪ヘヴィーメタル(笑)。
興味のない方、すみません。
11/30日に、2年2ヶ月ぶりとなる陰陽座の「迦陵頻伽(かりょうびんが)」が発売されました(待ちわびましたよ、笑)。
翌日には、手元に届いていたのですが、聴き込んでから、ブログを上げようと考えていたので、遅くなりました。
タイミングを逸してしまったかな(笑)。
陰陽座につきましては、オフィシャルサイト(関連情報URL)をご参照いただければと思います。
でも、ちょこっとだけ、ご紹介させてください。
まずは、メンバー。
魂を抱きしめるボーカル:黒猫(くろねこ)さん
魂を喰らうベース・ボーカル:瞬火(またたび)さん
魂を震わすギター:招鬼(まねき)さん
魂を貫くギター:狩姦(かるかん)さん
サポートとして、ドラムに土橋誠さん、鍵盤に阿部雅宏さんが参加しています。
2001年暮れに、デビューしました。
曲調は、基本的にメロディアスなメタル、和楽っぽいフレーズが入ったりします。
歌詞も、古語や方言が使われ、曲調とも相まって独特な世界観です。
ツインギター、男女ツイン・ボーカルが魅力的です。
黒猫さんの歌声は、素晴らしいと思います。
今回の作品のテーマは「迦陵頻伽=カラヴィンカ」。
仏教において、極楽浄土に住むという上半身が人間、下半身が鳥の想像上の生物で、卵の時から高らかに美声を発するらしいです。
ジャケットにも表現されているように、ボーカルの黒猫さんのイメージがピッタリです。
しかも、デビューから 15年、アルバム 13作目にして、ようやく卵から孵化したらしいです(今までは卵の中)。
収録曲は、こんな感じ。
作品に関して、瞬火さんの全曲解説とインタビュー記事がありますので、以下のURLを見ていただいた方が正確ですね(笑)。
また、より一層、作品を楽しめると思います。
「瞬火のまったり徒然草」(ご本人のブログ、12月3日で更新されておりましたので、12月6日追記)
http://mttb.jugem.jp/?eid=1139
「CDジャーナル」
http://www.cdjournal.com/main/cdjpush/onmyo-za/1000001241
「リアルサウンド」
http://realsound.jp/2016/12/post-10348.html
「BARKS(前編のみ、後編は後日のようです)」
https://www.barks.jp/news/?id=1000135238
ここから、各曲について、私の個人的な感想を書きます(語っちゃうな~、長くなるかもな~、笑)。
ご了承の程、お願います。
1曲目、「迦陵頻伽(かりょうびんが)」
陰陽座にとって、アルバム名が、そのまま曲名に使われた初めてのケースらしいです。
まさに、黒猫さん、陰陽座が、卵から孵化したイメージです。
レコードを逆回転させたような、幻想的なイントロから入り、歌い出しは、黒猫さんの超低音(たぶん、mid1A)。
その後、大人しめながら、高揚していき、歌い上げる序曲的な感じの曲です。
「鸞(らん)」
一変して、王道のヘヴィメタサウンドで、一気にトップギア。
イントロから、ゾクッとしましたね。
懐かしさを感じるリフですが、陰陽座らしさは全開です。
「熾天の隻翼(してんのせきよく)」
シンフォニック(様式美)メタル調です。
しかし、ボーカル、ギターソロなど、他の要素がそれを打ち消すかのように絡んできます。
新たなチャレンジのような気がします。
「刃(やいば)」
アルバム発売に先行して、YouTubeにリリック・ビデオ(ラストのギターソロがないのが残念)として、アップされた曲です。
和楽っぽいところは、「熾天の隻翼」の後だけに引き立っています。
いつもの陰陽座らしさが出ている1曲だと思います。
「廿弐匹目は毒蝮(にじゅうにひきめはどくはみ)」
デスメタル風です。
バスドラがドコドコ、ギターがギュイン、ギュインしています(擬音で判りにくいですね、笑)。
一瞬、スリップノットが頭をよぎりましたが、黒猫さんのボーカルが、陰陽座らしさを押し上げてきます。
過去に、ここまでドコドコしているのは印象にないので、斬新だと思います。
「御前の瞳に羞いの砂(おまえのひとみにはじらいのすな)」
砂かけ婆をモデルに、瞬火さんの想像力で物語にした曲だそうです(CDジャーナルのインタビュー参照)。
オーソドックスなギターのリフに、オルガンの音が、ノスタルジックな印象です。
キャッチーなメロディに、お茶目なボーカル。
それでいて、切ない歌詞。
意外に、こういう曲は大好きです。
「轆轤首(ろくろくび)」
全体的にポップな感じ。
また、ディスコティックで、ファンキーさもあります。
そして、ジャジーなフレーズも入ります。
ラストは、黒猫さんの不敵な笑い。
一辺倒ではなく、陰陽座らしさが、損なわれていないのが凄いと思います。
「氷牙忍法帖(ひょうがにんぽうちょう)」
ストレートで疾走感が心地良いと思います。
メロディもひねりが少なく、聴きやすいです。
黒猫さんのパワフルさ、ハイトーン+ヴィブラートは堪りません。
この曲も、良いですね。
納得の忍法帖シリーズ(笑)。
「人魚の檻(にんぎょのおり)」
怒涛の如く、たたみ込むように、8曲目まで来た感じです(休憩なし、笑)。
ここで、陰陽座の真骨頂、おどろおどろしい曲の登場です。
ミドルテンポで、黒猫さんと瞬火さんの掛け合いが聴きどころかな。
「素戔嗚(すさのお)」
シンセのシンフォニックな感じが、壮大で幻想的な神の世界をイメージさせつつ、ギターソロ等は別の世界を表現している気がします。
妖怪が、神の領域へ踏み込む感じでしょうか(笑)?
この曲、7弦ギター(low B)と5弦ベース(lowlow B)を使用しているらしく、キーは Bmですね。
陰陽座、初の試みです。
「絡新婦(じょろうぐも)」
ようやく、しっとりとしたバラードです。
歌謡曲っぽいですが、黒猫さんの許容範囲の広さが感じられ、聴かせてくれます。
歌詞は、哀しく、怖いですけど(笑)。
「愛する者よ、死に候え(あいするものよ、しにそうらえ)」
本アルバムのリード曲で、パチスロ「バジリスク~甲賀忍法帖~」の最新機種とのタイアップですね。
切なくも力強く、メロディアス、いかにもという曲調です。
招鬼さんの独特の間、狩姦さんの速弾きが、微妙に重なるツインギターならではのソロがカッコ良いです。
曲のキーは、既述の「素戔嗚」と同じく、7弦ギター(lowB)、5弦ベース(lowlowB)使用の Bmだそうです。
陰陽座としては、初の試みなのに、タイアップ曲で使うとは、果敢ですよね。
音は、もはや、重低音というよりは、低周波攻撃ですね(笑)。
ライブでは、大迫力かもしれません。
「風人を憐れむ歌(ふうじんをあわれむうた)」
お馴染みの爽やかな曲調で、ラストを飾ります。
黒猫さんの柔らかい歌声も、とても好きです。
陰陽座からファン、聴き手へのメッセージソングになっていますね。
全体的には、重低音でメタル色の強い作品になっていて、今までで最高の仕上りだと思います。
現代音楽なりの複雑な展開、アレンジはありますが、練りに練られた感じが伝わってきます。
陰陽座は、技術的にも、シンフォニック、スラッシュ、デスメタル、ジャズ、ポップス等、あらゆる曲調もこなせるバンドだと思います。
しかし、陰陽座のコンセプトには、しっかりと芯があって、様々なジャンルを取り入れ、自らの幅を広げることはあっても、決して流されない強い意志を感じます。
もはや、唯一無二のバンドで、陰陽座メタルというジャンルを確立した方が判りやすいかもしれません(笑)。
今回のテーマは「迦陵頻伽」ですので、黒猫さんが前面に出ていますね。
力強く、激しく、時に、優しく、可愛らしく、切なく歌い上げるのは、流石です。
高音域のシャウト、特徴のあるヴィブラートには、ゾクゾクしっぱなしです(笑)。
私は、ファルセットは好みではないのですが、黒猫さんは、ファルセットも上手いですね。
単に高音を出すためではなく、感情や幻想的な表現に活かしている気がします。
元々、表現力豊かで、素直な感じの声質なので、べた惚れです。
日本で、数少ない歌姫の一人だと思っています。
もちろん、楽器隊の演奏力があってこそということもありますね。
また、瞬火さんは、陰に隠れていますが、コーラス部分、ボーカルも素晴らしい。
瞬火さんが、陰陽座を支え、牽引しながら、進化し続けていると思います。
陰陽座というバンド、6人のメンバー全員が、まさに「迦陵頻伽」です。
今回、卵から孵ったばかりなので、今後も期待していますよ(笑)。
敢えて、苦言を呈するとすれば、7弦ギターは、持っていないので、やめてくれ~って感じでしょうか(笑)。
インタビューで瞬火さんが「聴いて欲しいけど、聴いてもらえない」と嘆いていました。
それだけの自信作なのだと思います。
良いものを創っても、聴いてもらえないのは、とても辛いですよね。
独特の世界観なので、好き嫌いが別れてしまうかもしれません。
でも、歌声、曲調、楽器、歌詞等、何かきっかけを掴み、少しでも興味が湧いたら、是非、聴いてあげてください。
以上、サラッと書いたつもりが、やはり、長文ですね(ごめんなさい)。
まだ、お伝えしたいことはありますが、先にご紹介したインタビューを読んでください。
あっ、私、決して、陰陽座の回し者ではありませんよ(笑)。
ここまで、お付き合いくださった方、本当にありがとうございました。
なお、投稿した動画に問題がありましたら、ご指摘願います。