
とある業界人さんから連絡をもらって、急いで
「SEVは多くの知識人が味方、」
という記事を見た。
(記載者に対し失礼の無いようトラックバックさせて頂きます)
まずは皆さんも是非内容を読んで頂きたい。
記事の内容を読んでピンと来るみんカラ会員さんも多いのでは
ないだろうか?
私はこの記事は
朝日超渇きさんの
この記事
について書かれているのではないかと感じた。
メーカー社員さん(この方はSEVの社員さんであるようだ。プロフィールのお名前やご友人の紹介文にも記載されている紹介でも分かる)のようなのでSEVに疑問を持つ方に対する反論記事であろうかと思う。
記事を読むと知ってか知らずか不明だが、
事実と異なる点と、
私と
見解が異なる点がある。
以下、この方の記載に対する私の見解を述べさせて頂く。
あくまで私の個人的見解である。私の見解が正解とは限らないし、1業界人の意見として捉えて頂ければ幸いだ。
◆「既に2年前当社はショックテストなどは行っており、」
記事にリンクされている雑誌には
「試験日2002年10月」
と記載されている。約4年前だ。なぜ2年前なのだろう?
このブログもつい最近記載されたもので古い記事ではない。
◆「『自動車工学』」
「金払っても事実は捻じ曲げない、この手の雑誌ですから、信頼性は凄く高い!」
ご存知ない方も多いかも知れないが、この雑誌は工学論ばかりを説いている雑誌ではない。先月だか先々月にはオイル添加剤で燃費を検証するという「エコ志向の添加剤の実力は?」という記事があった。内容は添加剤メーカーの謳う効果などが書かれており、それを検証する記事。私は見て驚いた。計測機材は何とアフターパーツメーカーの1万円台の燃費計。名前は伏せる。そのメーカーでは「各数値は参考値です」と謳っている。なぜJARI(日本自動車研究所)で10・15モード台上試験などを行わないのだろう?私の以前在籍していたアフターパーツメーカーではJARIでテストしてました。近年の省燃費グッズメーカーもなぜ行わないのか疑問である。何か困る事があるのだろうか。
◆「みどり整備、内永社長」
「アラゴスターの代理店もしているから、ショックについてはめちゃ詳しい方です。」
特に触れる事ではないが、「アラゴスター」ではなく「アラゴスタ」だ。代理店はHPに沢山掲載されている。店舗については皆さん色々知っていると思うので説明は省く。
◆「計測精度は日本の精密機器メーカー様だけに信頼性俄然違います。」「【ミネベア製】」
私はこのミネベア製テスターを扱う代理店で勤務経験があります。このテスターをショップさんにお買い上げ頂いたこともありますし、自分でもこの機材を操作できます。当然自分でもダンパーの組み立て・オーバーホールも行えます。その上の経験で申し上げますと、もしショップさんがミネベア製テスターと
roehrigengineering製のテスターを比較検討していたらミネベアの方が優れていますとは決して言い難い。事実現在スーパーGT、S耐で使用するダンパーを製造しているとあるダンパーメーカーでは、両方のテスターを所有しており、精密な計測を行う際はroehrigengineering製を使用している。これはダンパーテスターを使用する身としてはほぼ共通の見解だと思っていたが、この方は違うようだ。とは言え自分では扱えないとも書いている。どういうの意味での記載なのだろう?
記事については以上。次はリンクされているテストの内容について。
○かなり特殊なダンパーを使用している。
0.30m/sec時の減衰力が509kgfという事だから、GT-RでSタイヤを履いてサーキット走行を目的としたものや、レバー比が極端な珍しいサスペンション形式の車種のものであろう。なぜこのようなものをテストに使用したのだろうか。なぜ実際のユーザーが多いストリート向けのダンパーで行わないのだろうか。
○数値が超低速域に的を絞っている。
テストの評価はなぜか0.01~0.05m/secと超低速域の事だけを論じている。これは、物凄くゆっくりダンパーを作動させている際の数字である。実際ワインディング等を走行している際は0.30m/sec近辺のピストンスピードでロールしているし、高速道路の継ぎ目の通過・路地裏など荒れた路面走行時などは0.50~0.60m/sec程度の早いピストンスピードとなる。また、これらの微低速領域では誤差が大きく発生する。なぜ実際の走行では判断できないような領域に的を絞っているのだろうか。
○スタビライザーを強化したような感覚
この記載は実際にそう感じたというものではない。一般的に0.01m/secの変化は、という意味なのか。しかしスタビライザーを強化したような感覚というのは不思議な言葉だ。言い換えればスタビの作動レートが上がり、ダンパーが抑えきれない状態を意味する言葉でもある。また、先程アフターパーツメーカーの開発担当者に聞いてみたが、15km/hで交差点を曲がりながら0.01m/secの領域の10%の変化を感じ取れると思うか?と聞くと答えはNOだった。ちなみにこの記載をされた方は前述の燃費テストをされた方と同じだ。
○オリフィスを通過するのはバイパス
記載には「オリフィス」という言葉が連呼されているが、このオリフィスは減衰力を発生させるものでは無い。減衰力はピストンに装着されたシムで発生させており、オリフィスは減衰力の調整を行う為の逃がし穴である。キャブを触ったことのある方なら分かるであろう。これらのダンパーはオリフィス穴の開き具合をニードルで調整して逃がす量を大きくし、減衰力を発生させないようにする為に使われる。なぜそこをスムーズに通過すると減衰力がアップするのだろうか?普通にダンパーのシステムを見れば逆に減衰力は弱まるハズである。ちなみに単筒式ダンパーではオリフィスの無い減衰調整固定式のモノも多くあるし、オリフィス以外の別の方式で調整を行うモノもある。この方の認識はどういったものなのだろうか?
以上である。
私はこの社員さんの記事に、上記で箇条書きで上げた事を感じたのは間違いないが、上記は決してSEV-ALという商品を誹謗中傷するものではなく、この社員さんの書かれた記事、リンク先のテスト内容、に対する疑問である。
また、改めて申し上げるが私の見解が正しいとは思っていないし、ブログは論議や主張をする場としても存在していると思うので、事実と異なる論評を展開する方以外で、私の意見を疑問に思う方や、私の意見について思う事がある方は、どんどんトラックバックをして頂きたいと思う。
トラックバック元の記事の削除、または変更がされない事を願いたい。
ログは保存しているし、メーカー社員さんだけにそのような事はないと思いますが。。。
Posted at 2006/08/30 03:49:15 | |
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