
私の仕事「幕藩史家とは何か?」との直メールなど沢山の方の問い合わせにお答えし、参考までに手持ちの中から史料を紹介します。
私もこのようなものを主に数人がかりで調査執筆したりしています。
今回は
『高遠藩財政史の研究』長谷川正次著 ¥18,800という研究史をご紹介。
譜代藩である信州高遠藩3万3000石の財政史を、鳥居氏の時代から、幕末・維新期に至るまで、貢租・検地などもふくめて年代的に検討。藩政史料が殆ど残っていない状況のもと、内藤家文書を中心とした地方史料を使って、下からの積み上げによって考察しています。
藩財政史研究の回顧と展望から始まり、鳥居氏の藩財政、内藤氏の財政構造を解析しています。
・元禄検地/財政収支/内藤氏の財政的基盤
・享保~安永期の財政政策
町仕送役の設定/軍役・持人の制/定免制の施行/借上制度の復活/物成給分渡方の規定/明和四年の無尽政策/舫要用米制度
・文化期の財政政策/文政初期の財政政策
・文政期の財政改革(改革の問題点/財政改革)
・天保期の財政改革(改革の背景/第一次財政改革/第二次財政改革)
・幕末~維新期の財政政策
在仕送役の設定/安政の大地震と上屋敷/借財証文にみる藩財政/廃藩置県と士族授産
一般の歴史書というよりも専門学術書ですので、政治経済書の要素が強いと思います。
すでに入手困難になっていますので、興味のある方はお早めにどうぞ!!
(って誰も欲しくないと思うけど)
Posted at 2006/07/09 22:18:00 | |
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