2005年12月14日
危険なホテルの建設に関わった問題コンサルタント会社の重要人物でもある幹部が鉄筋量を減らす指示をしたメモが見つかった。
それによると36-D32のところD25を使用するように指示したものだった。
36-D32というのは一本の柱にディホーム異形鉄筋直径32mmが36本必要なところ、異形鉄筋25mmが22本か20本しか使われていないということ。
D25からD32の間にはD29があり上にD35・D38等の規格があり2段階もレベルダウンをしていた。
D29からはD32は主に超大規模建築に使用される主筋なのに対しD25は主に中規模建築に使われる。
D32を使うのは高層物件なのでコストが高くなるのは当然だろう。施工の観点でも加工しづらい面がある。
それを嫌っての事だと思う。
D32が36本ならば、柱の鉄筋が密接し施工上の鉄筋のあきの確保が難しい。極秘メモにある鉄筋を4本束ねるというのはありえない。現場ではそれをみたら不思議に思わなければならない。
今回の報道では鉄筋が細い・少ないというのはよく聞くが、適切な鉄筋径がどのくらいなのか、ということを言ってる者はいない。
鉄筋を選定する技術は建物の自重と強度とのバランスでもあり、設計者の腕による所もあり、鉄筋の断面積及び周長を元に階高や重量そして径の太さが算出される。
これらを算出するのはプロとしては簡単な部類だが、手間がかかる。
それらを真面目にやっている私達にとって、それを犯す者は許せない。
鉄筋量は結果論として、「見れば誰でも判る」ということを言っているが、現場でも何でも誰もこの観点から見る事などなかった。
性善説前提だからだ。
日々の仕事の中で他人の仕事を見ないのはどの社会も同じ。残念ながら建築という人命に関わる仕事であっても同じである。
例えば構造図を見ればわかるというが、誰が見るのか、見なければならないことだがチェック項目以前の問題で例え見ても極端に違えばわかるが、鉄筋径が一回り小さいとしたら判らないだろう。
現場の職人でも判るようなことを聞くが、気付いたとしても、それが正しいのか否か判断はできないだろう。職人はそういう知識は学んでいない。一旦構造屋が決めた数字が下りると施工屋ではその数値を疑えない。例えばD32のところD29でも、そんなものだと思うしかないのが現実だ。構造計算を学んだ人でなければ解らない。
そもそも構造計算の数値を元に全てが決まるので、その数値が偽装されていたら構造図も何もない。
ただ言われている通り下階に対し上階の柱が小さかったり同じ太さなのは問題である。
あとは、鉄筋鉄筋と騒がれているが、躯体をなす重要な部材は鉄筋だけではない。鉄骨造もあるし、鉄筋と対をなすコンクリート設計の観点からも注意確認が必要だ。
Posted at 2005/12/15 00:34:31 | |
仕事関係(建築) | ニュース
2005年12月14日
やっぱり予定通りのシナリオが再出ました。
自民党税制調査会が最終調整に入った2006年度税制改正案の全容が決まり、酒税制度ではビール風味飲料「第3のビール」を350ml当たり3.8円引き上げ、清酒は減税ながらも、ワインは増税する。
所得税・個人住民税の定率減税は全廃として企業向け減税を刷新する。
たばこ税の引き上げは当初自民党が見送りとしていたが、公明党は児童手当拡充財源として再検討を求め与党内で再浮上案となった。
この問題の決着は明日の与党税制改正大綱取りまとめ直前までずれ込むようだ。
酒税制度改革案が実現すれば、第3のビールの税率は350ml当たり3.8円引き上げ、ビールは、同0.7円の引き下げにとどめられる。
清酒は1㍑当たり20.5円引き下げる一方、ワインは同9.5円の小幅増税となる。発泡酒は現状維持。
企業経営の影響考慮の観点から税率変更は微調整にとどめられる。
定率減税については
「所得税は2006年分、個人住民税は2006年度分で廃止」となり、2007年からの定率減税全廃が確定的になった。
巷で言われるとおり、やっぱり取れるところから取る方針が気に入らない。
普段、政治家や官僚連中は国を動かしてやってると言って憚らず、庶民を見下して影で無駄使いをしておきながらその点には触れず、エリートだのなんだのと言っても、不況不景気になるまで何もせずにただ増税するのなら 誰でもできることだ。
Posted at 2005/12/14 13:32:19 | | ニュース