2021年11月23日
低充電圧トラブルの解決経験値のお話 SL125S
SL125Sに電気系トラブルが発生しています。
充電機能不全に陥っているのです。
結論的に整備手帳に記録するほどのものではないので、ここに記します。
以前バッテリーを取り付けずにエンジンを始動(以下「失敗始動」という。)させてしまって、デジタル電圧計とヘッドランプをパンクさせたその時期以降から、充電機能の調子が崩れ始めました。
当時、その失敗始動と同時に充電圧に異常が発生したというわけではなく、100kmほどの走行後に突然充電機能不全の現象があらわれたのです。
しかし、そのタイミングからして私は、「充電機能不全は失敗始動が原因」と断定をして、充電系の電装がパンクしたものという判断の下に、新たに買い求めたレクチファイア(交流→直流の整流器)とストックしてあった中古ステーターコイルに交換をするなどの電気工事をしたところ、充電機能は正常に戻りました。
ところが、先日、コンディション維持のためにライディングをしていたら、突然、充電圧が6V前後よりも上がらなくなってしまい、充電機能不全が再発してしまったのです。
※画像のデジタル電圧計
新調した青文字のものは本件の故障とは別に、「原因不明」のパンクが発生して使いものにならなくなりましたが、ちょうどエポから取り外した赤文字のもの(元々SL125Sに取り付けていて、その後にエポに使い回しをしていたもの)を出戻りで取り付けて使用しています。
エポの電気系トラブルでは、ヒューズの金具の「錆被膜」による電気抵抗により電流が流れずに電圧も上がらないことがわかりました。
必要に迫られて電気作業はやりますが、何せ、見えないから故障の原因がよくわからないということが少なくなく、その時の多くは自ら大いにパニクってしまい、精神的にとても疲れますので、苦手な作業部類であります。
それにこれまでに原因不明の電気系トラブルをたくさん経験したということはなく、経験値がとても少ない状態なのです。
そのようなことで、エポでの電気系トラブルの解決はある意味で大きな経験値を得ることになりました。
… ということで、SL125Sで発生している充電機能不全のトラブルは、この経験値に基づいて、一番最初にヒューズケースからヒューズを取り外して「ヒューズの金具」を確認することにしました。
案の定、表面には「錆被膜」が発生していて赤っぽく変色し、ヤバい状態です。
金具とヒューズそのものも表面を綺麗に磨きました。
次に綺麗にしたのは、バッテリーに取り付けている「カプラー」です。
これはバッテリーをワンタッチで取外し・取付けができるように、レストア シーズン1の頃から独自に設置しているものです。
SL125Sの過充電特性によって沸騰したバッテリー液が上部の圧力逃しから吹き出し、これがコードを伝わって希硫酸がカプラーの金具を犯してしまったのです。
当時すぐに洗い流すなどの措置を講じましたが、金属が一度希硫酸に侵されてしまうと、その錆の進行を食い止めるのは容易なことではなく、再び「青錆被膜」が発生していました。
丁寧に除去作業をしましたが、必ず再発しますので、ここは今後も定期的にメンテナンスをする必要があります。
他にも何箇所かカプラーがありますので、外して確認をしましたが、具合の悪い箇所は全くありませんでした。
バッテリー周りのハーネスで被膜が劣化している箇所がありましたので、テープを巻き直して見栄えを整えておきました。
最後にどうしても確認しておこうと思った箇所は、イグニッション・キーの配線コードにある「ギボシ」です。
ガソリンタンクを取り外して確認しましたが、とても綺麗な状態であり、問題はありません。
心臓をバクバクさせながら、エンジンを始動しましたら、画像のとおり、本来の正常な充電圧に戻っていました。
一つずつ作業をしてその都度の確認をしたわけではないので …、ヒューズの金具とバッテリーカプラーの金具のどちらかが、あるいは両方が、…それはわかりませんが、発生していた「錆被膜」に原因があったことは確かであります。
それはエポのカスタムレストアで得た経験値を、SL125Sの修理で大いに活かすことができたということです。
この歳に至っても経験を積み重ねてその値を高めることがとても重要であることを再認識した作業でありました。
そして、旧車バイクは、とても厄介な代物だということをご理解いただけたことと思います。
さらにもう一つ大切なことは、この種の故障は「電圧計」がなければ、発見できなかったということです。
計器類がいかに監視・管理の上で大きなアドバンテージを持つアイテムであるかということをもう一度ご理解いただければ幸いです。
さて …
それはそうと、充電機能不全の発生原因は、失敗始動とは関連性がないものと考えるようになりました … 交換したレクチファイアとステーターコイルそのものには故障は無かったものということです … たまたま同じような時期に発生しましたので、そう考えてしまったということです。
しかし、原因が複合的に存在することはよくあることですので、機会があれば、また検証したいと思っています。
<追伸>
コンディション走行をしましたら、電流がよく流れ過ぎて、充電圧が「8.5V」にまで至るようになり、過充電が酷くなりました。
このままでは、同様にバッテリー沸騰ご臨終になりますので、放電(電力消費)対策の強化によって解決する必要があります。
それと事もあろうか、サイドスタンドが根本から曲げ折れてしまいました。
最近傾きが大きくなったなとは思っていたのですが、裂け目ができていたことすら知らず、こんなことになるなんて、夢にも思いませんでした。
まぁ次から次へと …
「溶接」にトライして、修復したいと考えています。
ブログ一覧 |
SL125S | 日記
Posted at
2021/11/23 13:41:57
今、あなたにおすすめ