またヨタ話からです ハードトップ製作では結構はしょって書いたのでカーボン製作の感想を少々‥
ちなみに自分は繊維業界の会社員でも部品製作の業者でもない完全な素人なので、間違ったこと書いてあっても目くじら立てずに軽く受け流す大きな心で読んでいただけると有難いです
もちろん、アドバイスや感想、質問などいただければ喜んで受けさせていただく所存であります
で、カーボン繊維ですが高価ですね はい、ものすごく高価です
そんな高価な材料で作ってあれば、そりゃあ商品の価格も高くなるでしょうね しょうがないことです
3Kのクロスだったら1m×1mで5000~6000円くらいします 高い
最先端マテリアルであるからしょうがないですが、高い
高い、高いしつこいですが、正直な意見です
100mロールなら多少は安くなるのですが、そんな金額を捻出できるわけもなく、ポンと買える大富豪ならまだしも、プライベートだと必要な分を小分けで買うしかありません
カーボンで色々作ってきましたが、今まで買ったカーボン繊維を全て合わせると100や200mでは済みません(もっとかも)、で、その大半を失敗して無駄にしているんです
無駄と云っても、次につながる勉強やノウハウの蓄積、実験に使っているので、タダの無駄ではないんですが、残るのは使いようのないゴミとなっているんです
最近は扱いにも慣れてきて、失敗しそうなところはあらかじめ対策をうてるようになりましたが、まだまだ勉強することがいっぱいあります
今はネットで色々情報が見れますが、自分がFRPを始めた当初は全て手探りでやっていたので、いい時代になったなぁと思うばかりです
紹介するのはその中で成功した部分で、
大量の無駄の結晶と云うわけですね うんうん
で、今回紹介するのは
ディフューザーです
巷でひそかなブームになってる
(←そうなのか?)
数年前、筑波サーキットの最終コーナーで後輪が心もとない経験をした自分は、腕を磨く前に機能で解決しようとしてしまったワケなんです
後輪を安定させるにはどうしたらいいか‥ 当時はGTウィングをつけるのが一般的だったみたいですが、雑誌を読んでいると(レース関係の本だったか‥)「
ディフューザーが効くよ」みたいな記事を見つけたんです
これしかない
バカですね、単純ですね でもいつもこんな感じです モノを作るきっかけは‥
で、最初買ったのはFRP(ガラス)汎用ディフューザーをネット価格9800円で購入、加工して取付けて満足してました(コースでの効果はいまいち? 効いてるのか効いてないのか‥)
こんなのです で、裏がコレ
ある日、ショッピングセンターの駐車場に駐めた時悲劇は起こりました
バックで駐車中、中々下がらない、アレ、おかしいなぁと思ってアクセルを吹かしたその瞬間、
バキ!! (← グラップラーではない)
と、誰にでも聞こえる大きな音
やってしまいました
確認すると、輪留めにひっかかっていてディフューザーがキレイに真っ二つ
回収して自宅に戻ったんですが、ショックでしたね 引っ掛けてしまった事もそうですが、
弱すぎる‥
こんなに弱かったら、いつサーキットで外れて大惨事になるか分からない‥
と、云うわけで頑丈なカーボンに作り直そうと思ったワケです
で、かなりハショリますが、今回ので割ったヤツを含めて
5個目のディフューザーとなります
(ちなみに1個目から5個目までは数年の年月が流れています)
簡単に言うと、あの頃は
カーボンの特性、扱いをぜんぜん知らなかったので失敗しまくったからです
薄く作りすぎて失敗‥
ポリエステル樹脂との相性が悪いのか、やり方が悪いのか、層間剥離で失敗‥
4個目は一応成功したのですが、3KクロスやUDを使いまくって重くなってしまったことや、耐熱の低いエポキシ樹脂を使用してしまい、高温になるとシンナリしていまい、何か納得がいかないので5個目の製作をすることになりました
で、コレが4個目
今回の5個目は、前回の重さを教訓にして(と、言っても4㎏程でそんなに重くはないと思いますが‥)
軽量化を目指そうと云うわけになったなったのですが、同じ方法だとつまらない‥ それならば新素材を投入しようとなったのです
で、素材の候補は
コアマットと、
ハニカム(←はにかみ王子ではない)の二種類
使ったことがあったので、当初はコアマットで行こうと思ったんですが、業社の方に製作手順を相談したら「コアマットだったらハニカムのほうがいいですよ」って言われたので、使ったことはないけど挑戦してみるかって事になったわけです
そんなに悪い材料でもないんですけど、コアマットのどこがいけないのかというと、厚みを出せる分、樹脂を吸って重くなるんですよね、それも結構
と、言うわけで
未知の素材ハニカムに挑戦です
ハニカムと云えば、無○やA○Mの製品で有名(?)ですが、要するにハニカム形状にすると、強度アップや繊維を少なくできるので軽量化できるってことらしいです(ザックリ)
カーボンハニカムや、アルミハニカムもあるらしいですが、とても個人で買える値段ではないらしいので、今回はペーパーハニカムで行くことに決定しました
で、4個目で大体の形は決まっているので型の製作はサクサク進みます
定常板と塩ビパイプを無理やりくっつけて製作です 寸法は結構シビアですが4回目でやったことなので特に大変なことはありませんでした
そして、表側のカーボンを積層して、いよいよハニカムの登場です
ハニカム自体は型になじまないのでただ乗せるだけです
で、更にカーボンを積層
そして、
5回に3回は失敗するバキュームバッグ
ハニカムではこれが非常に大切です ハニカム自体が型になじまないので、コレをやらないと、確実に繊維部分と剥離します すなわち失敗です
重しを乗せるだけの業社があるらしいですが、そんなところの製品は買いたくありませんね
バッグしたまま放置して硬化に一週間、樹脂の硬化は25℃で24時間なんですが、すぐ抜く(←ヤラシイ意味ではない)と樹脂が安定していなくて歪みの原因になるのでこれくらい放置します
今回のバッグは5回分の2で
成功です
ヤッター!
バッグすると気密が非常に大切ですが、樹脂自体も硬化時にガスが出ますので、安定するまで吸引を数回する必要があります
自分はいつも
掃除機を使用するので(絶対マネしないでください 壊れます)そろそろ吸引用のコンプレッサーでも購入しようかと算段中です
で、
型抜きです
FRP作業で一番ワクワクしながらも不安な瞬間
よしッ 成功!!
平板だから結構アッサリ抜けました(←ひつこいようですが、ヤラシイ意味ではない)
気になる重量は
2800g
4個目は約4㎏だからこんなもんでしょう
今回は
ピンホール修正も塗装もしないのでステーを作って終了です
ハニカムの効果も繊維量の割には、たわんだりしなくてしっかりとできました
某ショップのディフューザーは30万も40万円もしたりしますが、効果的にはそんなに変わらないと思います 今回の作業の費用は型込みで三分の一程度で済みます
自分は車体下のほぼ全体にディフューザーを付けているので効果は感じられますが、タイムに直結しないと、重量増だけであまり意味が‥ コースで試して今後の課題としたいです
何はともあれ形状も簡単な形でできるので、皆さんも一度チャレンジしてみてはいかがかと、
もちろん失敗込みで‥