あまりにも暑いので、いくつか読みたいと思っていた資料をプリントアウトし、涼しい高原に避難しながら読んできました。
そのうちの一つが
「マツダ技報2011」。
マツダの「圧縮比14倍というガソリンエンジン」の技術は、ほんとうに凄いブレークスルーだと思ったので、いつかヒマを見つけて読んでやろうと思っていたのです。
読んで、ほんとうに感心しました。
技術の核心の一つが排気系の設計にありました。
排気系ひとつで、ここまで効率に影響を及ぼすとは、と感心したものです。
それから、同じ圧縮比14倍のディーゼル。こんなの効率悪過ぎだろ、と思っていたのですが、ここにも驚くべき発想の転換がありました。
それはともかく、読んで「なるほど」と思ったのは、リアサスのトレーリングリンクの取付位置に関する論文。
図を見れば一目瞭然ながら、取付位置を数センチ高く上げるだけでも、乗り心地は劇的に改善される、という論文でした。これ自体は既知の知識なんでしょうけど、私としては、目からウロコでした。(図の赤線の矢印の長さを比較されたし)
で、マツダとしては、取付位置を上げるために、こんな苦労をしていますよ、と書かれています。
取付位置を4センチほど上げるために、どれほど苦労をしているのかが痛いほどに伝わってくる論文でした。
燃料タンクと干渉するし、シャシーとも干渉するし、室内空間がギリギリまで迫っているし。ほんと御苦労様です。
そうやって稼いだ4センチを、わざわざシャコタンにして殺す、それが車高を下げる行為なんだな、と、私は論文を読みながら思ったのでした。
シャコタンにすると乗り心地が悪くなるのは、単にバネを固くしたから、という以外にも、意外な真の原因があるのだな……と。
それにしても、こんな核心的な技術でも論文の形で読めるなんて、良い時代になったものだと感心しています。
Posted at 2011/08/15 08:01:27 | |
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