ABSユニットの修理（E36 M3）

少し前から点灯し始めたABS警告灯。
バッテリーの充電をしたら一旦は消えたので、電圧の低下が原因かと思いましたが、しばらく経つとまた点灯。
その後も点いたり点かなかったりを繰り返し、ここ最近は点きっぱなしになっていました。

いろいろと調べたところ、どうやらABSハイドロリックユニット内部の断線が原因らしい。
とにもかくにもユニットを外してみることにしました。

ABSハイドロリックユニットはエンジンルーム左後方、ヒーターバルブの下あたりに位置しています。

まずは邪魔なエアクリーナーやインテークのジャバラは外しておきます。

ユニット自体は前方のナット1個で固定されているだけで、ゴムブッシュでフローティングマウントされています。
ブレーキラインは下に3箇所、上に1箇所見えますが、反対側にもう1箇所の合計5箇所を外します。
下の3箇所のうち真ん中のひとつだけ12mmで、他は11mmです。ひとつだけサイズが違うのは組み付けるときに間違えないようにとの配慮でしょうか？
ブレーキフルードが出てくるので、リザーブタンクに入っている分だけでも予め抜いておいたほうがいいでしょう。

あと、奥にある配線カプラーも外します。

狭い場所に複雑な形状のものが付いているので、外す時は立体パズル状態です。

ユニットはもちろん、周りのパーツを壊さないよう慎重に取り外します。

写真が取り外したABSハイドロリックユニット。
新品に交換した場合、パーツ代だけで国内定価は16万円もするそうです。

ユニット底面のカバーを外します。ここはトルクスのT40ネジ6箇所で留まっています。

カバーはコーキング剤で固まっているので、プラハンで軽くたたくなどして外します。
私の場合はクランプで挟んで外しました。

底のカバーを外すと6個のソレノイドバルブが見えます。
写真下側の配線プレートからそれぞれのバルブにプリント配線で繋がっています。

どことどこが繋がっているか番号で表していますが、年式等によって異なる可能性もありますので、参考にする場合はご注意ください。
2番と7番はマイナス極です。

上の写真で言うところの6番端子のアップです。
テスターを当ててみたところここの接触が悪いようです。
写真ではわかりにくいですが、プリント基板が少し浮いていて剥がれかかっているのが確認できます。

他にも通電はOKでしたが、3番端子も剥がれかかっているようでした。

接触の悪い部分だけ補強の配線をしても良かったのですが、この際だから全部配線を作り直しました。

果たして耐久性はどうなんでしょ？？

一通り直したところで、試しに配線カプラだけを車体に繋ぎ、キーONにしてみたところ、警告灯は消灯していました。

あとは、ユニットを車体に戻し、ブレーキラインと配線カプラーを繋ぎ、エアクリーナー類を元に戻します。

ブレーキの配管を一度外しているので、エア抜きは必須です。
ちょうどブレーキフルードの交換時期ということもあり、とらまるさんに手伝ってもらって、エア抜きついでにフルード交換もしました。

テスト走行の結果、ABSは正常に作動しているようです。
念のため、Carsoft（OBD診断機）を使って、エラー履歴を消去して完了です。


※最後に、このネタを参考に修理される場合は、全て自己責任でお願いしますね。
くれぐれも配線を間違えないように。