
少し前のことになりますが、
ユイレーシングスクール(YRS)の「オーバルスクール」に参加したので、結果どうなったか?というあたりを書いておこうと思います。自分用備忘録をかねてます。
スクールの内容そのもの、教わった技術そのものを詳細に書くのは憚られるので、興味が湧いた方は是非スクールに参加してみてください。私見ですが、サーキットで限界走行をしたい/する人はもちろん、街乗り・ツーリングしかしないよ〜という人も、おそらく「車の運転操作」の概念というか感覚が相当に変わります。それも安全なほうに。なのでおすすめです。
練習内容自体はシンプルで、FSWのばかでかい駐車場にパイロンを並べて作った、陸上競技場のような仮設オーバルコースをひたすらぐるぐる回ります。午前は直線短め、2速固定でほとんどブレーキ不要、午後はストレートを伸ばして減速が必要になります。5速車なら2速のまま、6速だと3速→2速のシフトダウンが必要でしょう。※H&T使わずに半クラで3→2でも大丈夫
参加する車はなんでもok。当日は最新のポルシェから、WRXじゃない普通のインプレッサまで、様々な車が集まってました。個人的には足回りが柔らかくてブレーキが効かない、タイヤのグリップもない車…ようするに「普通の車」ほど練習になると感じました。
※「普通の車」のほうがいいといっても、ちゃんと整備だけはしていってくださいね。オイルを長いこと変えてないなら交換してから、タイヤの空気圧チェック、もしひび割れてたら交換。ブレーキパッドの残量も確認したほうが良いでしょう。なにしろ誰でもリラックスして車の限界を引き出して走れるようになるので、人はたいして疲労しなくても車のほうは相当です。
というわけでスクールの内容についてはこのくらいで。以下、ここでの練習がどういう効果があったかをまとめてみます。(まとまらないかもですが)
ところで、先日発売されたREV SPEED 10月号。DVD見ましたか?
そのなかで大井さんが加茂編集長に
「運転席中心にものごとを考えすぎ」
「もっとタイヤ中心で考えないと」
と指摘したエピソードがありました。(文脈は省略。気になる人は買いましょうw)
僕はこれを聞いていて
「いや、そうかもしれないけど、その感覚を理解するのは結構大変なんすよ〜」
と思ったんです。
普通ドラテク的なものを学ぼうと思うと、まずは「ライン取り」とか「荷重移動」とかを知識として知りますよね。つまり「車がどう動くべきか」という部分を知る。で、「車がそうなる為には、どういう操作が必要か?」となって、これを逆に「こう操作すれば、こうなる」という関係に置き換えて考えるようになっちゃうわけです。
一度頭がこの状態になると、あとはもう「どう操作するか?」「あの人の操作は上手いらしい」「真似してみよう」と、どうしても考えがちになる。正直ここから頭を切り替えるのは至難の業だと思います。特に我々素人には… ※最近はプロの車載動画が簡単に見られるので「見える部分」を余計に真似しがち、とも思います。(いうか僕は見事にそうでした)
けれど、YRSさんでの体験は、「車やタイヤがどうなってるか、このあとどうなればいいか」という考え方を自然に出来るようにしてくれると思います。
ドライバーてのは多分、「操作者」と同時に「センサー」なんだろうなと。
これがどうしても「操作者」優先になりがちなんだと思うんですが、YRSに参加すると「センサー」のほうが優先になります。おそらく誰でもそうなるはず。
もうちょい分かりやすく?書くと、雪道とか雨とかだと、誰でもセンサーのほうが優先になりませんか?「滑るんじゃないか?」という恐怖感から、そっちに集中しますよね。でもグリップが十分にある状態だとそれが逆転しがち、ということなんじゃないかなと。
この「常時センサー優先のドライバーになれる」というのが、細かなテクニック以前に、もっとも大きな収穫だろうと僕は考えています。
この利点にはもうひとつ大きな特典がついてきます。それは
「運転席でするべき操作」を無意識に出来るようになること。
今までアレだけ苦労した「ハンドル・ペダル操作」が、気にならなくなります。
自転車の運転がだれでも一定レベル以上になるのと同じ感覚?
頭で考えて「こうしよう」としても上手くいかないけど、転びそうになったら無意識にバランスとるよね、ということなのかなと。
…なんだかえらく長くなってしまったので今回はこのへんで。
とりあえず、スクール参加前と後で、僕の場合で何が変わったか、わかりやすい例をひとつだけ。

これはスクール参加前。本庄サーキットの1ヘアピンのCPあたりです。
タイヤはDZ102の215。

こっちが参加後。同じ場所でタイヤは
サーキットではまるでグリップしないw ネクセンN8000の205 ※時期が違いますが、気温・路面温度などの条件はほとんど同じです。
画像からわかる一番の違いはハンドルの舵角です。以前は180度近く切ってますが、スクール後は舵角がかなり小さいことがわかるかと思います。前のほうも「これ以上切っても曲がんない〜」のいわゆるアンダーステアが出てるわけではありません。
あとは画像からはわかりづらいんですが、回転数が違います。前は3000くらい、後は3500-700くらい回ってます。つまりグリップのないN8000(しつこいw)のほうが旋回速度が速いんですねコレ。※ついでにいうと前のほうはドライバー結構必死、後のほうは鼻歌交じりってこともないけどリラックスしてます
ドライバー自身のスキルの差は、YRSに参加したことで得た技術を除けば、ほとんど同じです。例えば「タイヤのグリップ限界をさぐる能力」なんてのはまるで変わっていません。
つまりN8000で以前と同じ走り方をすれば前よりてんで遅い、ということです。
実際、最初はあまりのグリップのなさにびっくりして1分もかからないコースなのに5秒落ちくらいのタイムしか出ませんでしたが、最終的にほぼ同じタイムまで出るようになりました。2つあるヘアピンのブレーキングがそれぞれ10mちかく手前になってることを考えると、かなりの箇所で以前より速く走っていると思います。
どうでしょう?
なんだか通販ダイエットみたいな締めくくりになってますが、違うドライバーが乗ってたり、タイヤが実はハイグリップだったり、痩せてる状態から逆に太らせて撮影したり、といったことは全くありませんのでご安心をw
Posted at 2014/09/18 08:35:07 | |
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