昨日7/16に、長野・群馬県境にある、毛無峠と小串硫黄鉱山跡に行ってきました。
まず高速道路で須坂長野東ICまで行き、上高井郡高山村方面へ。
県道112号大前須坂線で峠道を通っていくと、途中で分岐するので↓
これを行き止まりの方に進みます。
そして県境の毛無峠に到着。時刻は12:55。
ボカロ痛車がいたので隣に停めましたw
駐車場入口側の山斜面には、後述する小串硫黄鉱山へ物資などを輸送していたという索道の跡がありました。
駐車場奥側が県境で、ネットでもよくネタにされてるこの看板が。
「遭難多発区域」なんて初めて見ました。
この先も、群馬県側の小串鉱山跡まで県道112号は続いており、つづら折りのこの道はジロー坂という名前らしいです。
通行止めだけど...まあ行くよね...
つづら折れで結構な距離があるのは分かっていましたが取りあえず歩いて行きました。
晴れてたので景色は良かったです。
ワイヤーの残っている索道跡
歩いて1時間近く掛かったので距離は3~4kmくらいだと思われます。
路面は全線こんな感じ↓で非常に歩きづらかったです。
途中、同じく歩きの2人組と、オフロードバイクのグループ6人くらいとすれ違いました。
坂を下り終わると広い場所に出ました。
索道に使われていたワイヤーですかね
サッカーゴール。この広い場所は運動場のような場所だったのでしょうか、今となっては分かりません。
左手斜面には坑道跡。
このエリアから1段下がったところも平面が広がっていました。
異様な光景です。火星の表面っぽいです。
この先は急斜面があり、奥には廃墟などが見えましたが、行ったら帰って来られなくなりそうだったのでやめました。
見晴らしはホントに良かったですね~。
右手斜面。画像奥に下ってきたジロー坂が見えます。
斜面には機械の一部のようなものが突き出したりしてました。
そして右手斜面に傾斜の緩い箇所を見つけたのでそこから降りてみました。
土砂の山なので足下が常に崩れて怖かったです。
降りてから見上げて撮影。
ここも色々な人工物が散らばっていました。何に使われていたのか、推測することも難しいです。
トラックと
外された荷台。 何を運んでいたのでしょう。
石で作られた建物の基礎? 手掛かりが何も無くてさっぱり分かりません...
これも何なんですかね...
ここから先ほどの廃墟もよく見えたのですが、道がハッキリしないうえに意外と距離もあり、時刻も16:00近かったのでここで引き返しました。
そして来るときにジロー坂の終わりで見つけた「小串御地蔵堂」に寄ってみました。
看板には"お帰りも安全運転で"と書いてありましたが、少なくとも四輪車両がここまで来ることはもう無いでしょうね...
道を進んでいくと地蔵堂と記念碑が建っていました。
こちらは慰霊碑ですね。
それと施設概略、事業記録の書かれた石碑もありました。
最盛期には2100人の住人が暮らしていたようです。
そして今歩いてきたところには多くの鉱床や精錬所、住宅街に商店、小中学校・幼稚園や、遊園地まであったということが記されていました。
今ではとても想像できません...
地蔵堂の扉を開くと
壁には当時の写真や年表などが貼ってありました。
確かに地形は大きく変わっていないようです。しかし建物などがあった痕跡はほぼ消滅してしまっています。先ほどの地面に転がっていた人工物は、その僅かな名残だったのかもしれません。
自然の力は凄いです...
鉱山に関する年表。
1937年に大規模な地滑りが発生し、245名の犠牲者を出す大災害が起きたようです。
慰霊碑はこの時の犠牲者のために建てられたものだと思います。
戦後は国内屈指の硫黄生産量を誇る鉱山でしたが、石油精製の過程で得られる回収硫黄の出現とその増加によって硫黄の価値が下がり、1971年6月に閉山となってしまったようです。
自分もここへ来て初めて知ったことばかりでした。
それにしてもこのような産業遺産と呼べる場所が、全く整備されずひっそりと風化し朽ちていくのだと思うと、寂しい感じがしますね。
もっと多くの人に知ってもらい、後世に伝えていくべきものの一つなのではないかとも思いました。
そして参拝記録のノートに名前を書いて、地蔵に手を合わせてきました。
地蔵堂隣の倉庫の壁には掲示板があって、小串鉱山に関する新聞記事などが貼られていました。
一昨年には地滑りによる犠牲者の75回忌慰霊祭が行われたようです。
全く人が訪れないという訳ではないのですね。
この後また1時間ほど掛けてジロー坂を戻り、駐車場へ。
戻ってきた直後、辺り一面に霧が出てきました。危なかった・・・。
なんとなく行ってみようと思って行ってきた毛無峠・小串硫黄鉱山跡でしたが、思いがけず鉱山の歴史やその詳細を知ることができました。
なにも調べずに行ってみるのも面白いですね。
次に行く機会があったら廃墟の方まで探索出来ればと思います。
でもその時は複数人で行きたいなぁ・・・。
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Posted at
2013/07/17 18:08:11