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青井M一太のブログ一覧

2013年11月19日 イイね!

「私刑」の誘惑・その2

近いテーマで、もうひとつの作品。



『スリーセブン』(小沢としお、秋田書店)。
こちらもまた、「個人的な正義」とともに生きる登場人物たちがキーパーソンになる。

主たるキャラクターは3人。
ひとりは、心優しい高校生・佐藤優希。
クラスメイトをかばって、自分がいじめのターゲットになってしまう。
ずっと「ある事件」以来、怒ることを我慢し抑制してきた彼だったが、エスカレートするいじめがきっかけで、凶暴な別人格が現れるようになる。

もうひとりは、優希と同じ学校に通う鈴木燈(あかり)。
彼女もまた、根暗な性格が災いして、学校でからかわれる毎日。
実の親とは離縁状態らしく、家庭でも孤独だった。
そんな燈のストレス発散法は・・・
化粧し、見違えるほどの美少女になって、夜の街を歩くこと。
そして、気に入らないやつを見つけては、誰彼構わずぶん殴ること。

そんなふたりに、全身をマスクとプロテクターで覆った謎の男が接触する。
自分を「正義を為す者」と名乗る彼に、半ば脅される形で、3人は手を組む。
「お前たちの暴れる場所は、オレが用意してやる」と。

マスクの男は、警察やマスコミもマークする人物だった。
物語の舞台・立山市で犯罪が発生すると、誰よりも早く現場に駆けつけ、犯人を血祭りにあげて消え去る謎の男。
優希と燈、ふたりの「暴れる場所」とはつまり、彼の自警団的な活動を手伝うことだった・・・。



このマンガもまた、『トリガー』と少し似ている。
法律はあくまで事後処理でしかなく、正義としての力に欠けている。
悪意は裁くだけじゃダメ、叩き潰すことでしか消せないものだ、と。
もちろんコレも、現実ではできない(してはならない)ことではある。
だけど、こういうテーマに一定の需要があるのは、「スッキリしたい」という社会的正義が共感を得られるから、なんだろう。
実際、作者もそう語っている。
「ニュースで犯罪の話を見るたびに、こんなヤツはボコボコにしてやりたい!と思う。
それをそのままマンガにしてみた」とw

連載中の現時点でも、明らかにされていないことが多く、詳しくはまだ解らない。
が、もともと小沢作品はけっこう好きなので、これも要注目の一作。



たまたま似たテーマのマンガを同時期に読んだので、いろいろ能書きを並べてみました。
Posted at 2013/11/19 22:21:01 | コメント(1) | トラックバック(0) | 読書感想文
2013年11月19日 イイね!

「私刑」の誘惑・その1

物騒なタイトルですが、最近読み始めた二つのマンガの話です。

ひとつめは



『トリガー』(作画・武村勇治、実業之日本社)。
なんとこの原作は、お笑い芸人・インパルスの板倉俊之さんのハードボイルド小説。
クーデターの末に国王制となった、近未来の日本が舞台になっている。

治安が悪化し続け、一向に減らない犯罪。
そのための画期的な政策として打ち出されたのが、「射殺許可法」なるトンデモなシステム・・・という、荒唐無稽な話なんだけど、コレがなかなか面白い。
その名の通り、選ばれた国民に銃を持たせ、草の根レベルでの抑止力にするというのが狙い。
国王と思想的に通ずる人間がピックアップされ、各都道府県にて1人ずつ選任される。
政府から持たされた銃と電子手帳を身分証がわりに、1年間という期間限定で、無尽蔵に引き金を引く権利が与えられた彼らを、人は「トリガー」と呼ぶ。

トリガーは、自分が居住する都道府県内において、自分が「悪」とみなした人間であれば、誰でも何人でも殺してよい。
そんなわけで、「自分なりの正義」に則って、各地で1年間の任を果たすトリガー達が、短篇集的に描かれていく。
中には、その絶大な力を持ったことをやぶさかに感じる者もいれば、殺人マシーンのごとく、その権利を容赦なく行使する人もある。
「コイツはやられてもしょうがないか〜」なヤツもいれば、「そんだけで撃たれるの!?」という人もいる(笑)。
トリガーであった過去が、その人を追い詰めてしまうときもあったり。
必ずしも綺麗な終わり方をするわけじゃないが、その人間臭さが剥き出しにされた世界観が魅力でもある。


犯罪と悪は、必ずしもイコールではない。
国王・冴木が、このブッ飛んだ法律を必要悪と言い切る根拠に、このロジックが登場する。

たとえば、AがBを罵倒し侮辱したとしよう。
そして、怒ったBがAを殴った。
法律の上では、たしかにBは傷害事件の加害者であり、Aは殴られた被害者である。
だが本来ならば、Aの暴言がなければBは犯罪者にならずに済んだはずだ。
言い換えれば、Bは犯罪者であっても悪ではない、とも言える。
本当の理想は、犯罪のない社会というよりも、悪の発現する余地のない社会である・・・と。

これまたトンデモといえばトンデモな極論ではある。
だが、「公正な裁き」がちっとも人々の賛同を得られないことも、喧嘩両成敗的な解決策がトラブルをますます根深くすることも、往々にしてあることだ。
悪とは違う暴力もあるのだ! と言われても受け入れにくいが、「犯罪と悪のズレ」を消滅させたいという冴木の考えも、あながちバカにはできない気がする。
厨二臭いといえばそれまでだけど、単純にスカッとする面白さもあってイイ。



そして紹介するもうひとつは・・・
うん、長文すぎたので分けようwww
Posted at 2013/11/19 19:28:03 | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書感想文 | 日記

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