早いもので 『 M6 』 が愛車と成って約1年と4ケ月が経つ。お陰様でこれと言ったトラブルも無く、充実したカーライフと楽しい時間を共有させて戴いている。BMWと出逢う以前、ずっと国産を乗り継いで来た私は愛車に不満を抱く事など殆ど無かった。というより日本車の安全性と品質基準は世界でもトップ・クラスであると確信していたのである。
ところがそれまで敷居が高いと勝手に決め込んでいた販売店に立ち寄り、X5(E70)に試乗した途端それまでのクルマに対する概念というものが、180度大きく変わってしまった。だからと言って国産車が駄目だとか否定している訳では全く無い。上手く言葉では言い表せないが、衝撃・感銘・感動の全てが鮮烈な記憶として刻まれた瞬間であった事を覚えている。
X5(E70)を所有し 『 駆け抜ける歓び 』 を知ってからというものの、愛車と過ごす時間がこれまで以上に楽しくなったのは言うまでもない。しかし4年半乗り続けたクルマに別れを告げ、50歳手前にして 『 M6クーペ 』 という2ドアのスポーツ・カーを買う羽目になるとは、夢にも思わなかった。
仕事柄中々休みがとれず、クルマと過ごすのが唯一の楽しみと成っている現在、大袈裟かも知れないが 『 M6 』 なくしては生き甲斐さえも見出せなくなっている程。そこで自分なりにこのクルマに対する思い入れとインプレッションを綴ってみる事にした。
『 M6 』 を購入した決め手は何と言ってもそのエクステリア・デザイン。初めてBMWを試乗した時に受けた衝撃以上のモノを一目で感じとってしまった。そこには4ドアでないと使い勝手が悪いとか、家族の反対があるなんてのは全く入り込む余地が無かったのである。こんな例えが合うかどうか判りかねるが、まさに初恋の人との運命の出逢いとでも言ったところか?私は評論家でもないしとりわけメカに詳しい訳でもない。純粋にその外観にひと目惚れしただけなのだ。
BMW AG チーフエクステリアデザイナーの 『 永島 譲二氏 』 も述べている通り、BMW最大の売りはそのデザイン力に尽きると思う。もちろん人にはそれぞれ好みがある訳で、感性も千差万別。しかしクルマ好きであるならば、他社との燃費性能や馬力戦争に勝るクルマ自体の底力より、カッコ良さを優先させるのが自然と言えるであろう。ワールド・ワイドに販売戦略を展開するBMWは、デザイナー陣も超一流。先代のE60シリーズや現行の1、3シリーズも、デビュー仕立の頃は散々な評価であったにも拘らず、今ではすっかり認知され現行デザインの主流となっている。
私にとって初のMモデル。その印象は速い。確かに速い。ただ速いだけでなくスピード感がマヒしてしまう速さである。流れに沿って走り込んでいるつもりでふとスピード・メーターやHUDに目を向けると、とんでもない数字になっている事は日常茶飯事。そのスピード感を感じさせないところがMモデルの凄さであり、また怖さでもある。ボデイ剛性の高さとサスの見事なまでのストロークが合致しているからこそ成し得ているのであろう。MモデルやMスポーツ・タイプはかなり固めのアシという印象が一部であるが、コンフォートからスポーツ・スポーツ+にしてもピョンピョン跳ねる感じなど微塵も無く、むしろ路面の状況をステアリングを介して忠実にドライバーに伝えて来ると言った方が正しい。
ポルシェやメルセデスのAMGに比べやや大人しめだった感のMモデルも、ここ最近はアグレシッブ路線に変更している気が否めない。歓迎すべき事だと思うが、ブレーキ・キャリパーの加飾等は代表的な事例と言えよう。オプションのカーボン・セラミック・ブレーキともなると、ゴールドのキャリパーが奢られる。その他 『 Mパフォーマンス 』 を起ち上げる等、ライバル社に対しても抜かりがない。
Mモデルの印象で最初にその驚異的な速さを書いたが、私が一番伝えたかったのは別にスピードだけではない。モードを変える事で街乗りからサーキット走行までを1台で熟す、変幻自在な能力を秘めているクルマ、これこそがMモデル最大の驚異であり凄さであると言える。DCTも完璧とは言えないかも知れないが、出始めの頃より格段にギクシャク感が無くなり、まさにトルクの断絶を絶つ事を目的とした最強のトランスミッションである。
私の様なアマチュア・ドライバーに560psの馬力や69.3kgmのトルク等使い熟せる筈もないし、これから使う事も皆無であろう。しかしそんなハイパワーを心の余裕として受け止め、駆け抜けて行く事に歓びを感じているオーナーは私だけでは無い筈だ。
今の私にとって 『 M6 』 は間違いなく最高のクルマであり欠かせない存在である。ただそれを他人に押し付ける気など毛頭なく、先に述べた様に人の好みは千差万別であり、また用途によって所有する車種も違って来るのは当然の事。
自分の愛車に対する熱い想いをこうした容で公開出来る 『 みんカラ 』 と、このような自己満足で
固めた拙いブログにお付き合い戴いた皆さんに対し、心から感謝の念を抱かずにはいられない。
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2014/02/15 23:31:15