職業柄色々な人や車、販売店と出会ってきた。
尊敬すべき点や学ぶべき姿勢、情熱を持った人々に出会えたことは幸運なことだろう。
しかし、ある日の都内某所の販売店ですごく残念な気持ちになった。
「今日はスーパーカーが撮れるよ。」店舗に向かう道すがらにディレクターが言った。
スーパーカーはまだ取材という形では撮影経験がないので気持ちが弾んだ。
どうやらフェラーリ、ランボルギーニといった中古車を販売する店舗のよう。
国道に面した店舗のガラス越しからフェラーリとランボルギーニが並んでいるのが見える。
店舗に入り、挨拶。
いかにも嬉々とオートメッセに出てそうな外観のスタッフたち。
店内を見渡すとあちこち剥がれかけた壁紙に安っぽそうな備品。
ディレクターがスタッフと話してるのを聞いてても何も中身がなかった。
あぁ、この店は車好きのお客さんが来てはいけないところなんだなと悟った。
撮影中、スタッフ同士が談笑してたのを聞いてると(バカみたいに大きい声だったので)
いわゆる、メーター戻しをやっちゃえばいいじゃん的な内容だった。(隠語を使ってはいたが分かる人には分かる)
それを営業中にも関わらず言っちゃうんだなー、とある意味感動すらした。
今回の取材は「外車の優良販売店」を紹介するといった趣旨である。
僕が撮った写真、ディレクターが作った記事で優良店として紹介され、本ができ、読者の手に渡る。
何だか悪の片棒を担いだ感じになってしまったのがただひたすら虚しいのだ。

Ferrari 458
Posted at 2014/10/28 23:16:02 | |
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