8月中に消化した積ん読を晒してみようと思う。
何の意味があるのか?
何の意味もない。
ただの暇潰しの誰得ブログなので、読んでいただかなくてもけっこうですよん。
饒舌にならないように留意しながら、簡潔な短評を付けて列挙していこう。
何だか恥ずかしいな……。
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『ミッドナイト・ミートトレイン』
クライヴ・バーカー
ホラー短編集。
暑い夏に読みたい本といったら、やっぱりホラーでしょう。
血も凍る怖い話は暑気払いにはうってつけ。
4つの短編が収蔵されていて、そのどれもが良い出来映えの好短編集だった。
ジャンルはスプラッター。
血と肉と骨と内臓と脳味噌と精液と糞尿をごった煮にして煮出した濃厚なスープみたいな小説ばかりだ。
中でも「丘に、町が」はイメージ喚起力抜群で気に入った。ナスティなだけではない、幻視者としての才能を感じさせる。
深夜の地下鉄の車内、つり革に逆さに吊られて運ばれる4つの死体──それはもはや食肉処理場の牛肉と同義だ。血を抜かれ、毛を剃られ、心理的意匠を剥ぎ取られた人間は単なる人肉と化し、食べられるのを待つのみ。怖い怖い。(表題作)
そして「丘に、町が」に登場する前代未聞の巨人──数万の人間で形成された雲衝く巨人は『進撃の巨人』を遥かに凌ぐ迫力でイマジネーション豊かだ。
限りなく絵画的なビザールさを堪能し、読書の醍醐味を満喫できた。
(ヤバイ、やっぱり饒舌になってきてしもた~)
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『悪徳の栄え』(上・下)
マルキ・ド・サド
SMのSの人ですね。思春期の時に読んで以来の再読である。
再読の理由は……奇人・変人にまた会いたくなったから。
読んだら最後、一生忘れられないくらい強烈な登場人物たち。
どいつもこいつもド変態ばかりで、自らの快楽のために善人たちを次から次へとなぶり殺しにしていく悪漢・悪女たち。
ここまでくると、いっそ痛快と言ってもいい。
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『銃・病原菌・鉄』(上・下)
ジャレド・ダイアモンド
人類史の謎を探るノンフィクション。
大ハズレ。
退屈で死ぬかと思った。
一行で書けることをグダグダと何ページにもわたって書くんじゃねぇ!
(このブログもそうだけど…)
とにかく文章の濃度が低くすぎて眠くなる。
上巻の終わりくらいまで読んで……ポイ。
投げちゃった。
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シオドア・スタージョンの短編集を5冊まとめて一気読み。
『海を失った男』
『不思議のひと触れ』
『輝く断片』
『一角獣・多角獣』
『時間のかかる彫刻』
甘ったるい作品が多くて少々食傷気味。当分スタージョンの小説は読みたくないな。自分とは肌が合わないのかも。
でも、スタージョンが天才なのは認める。
「輝く断片」は超絶技巧が炸裂する大傑作。
「ニュースの時間です」の結末には唖然呆然大失禁。
「墓読み」はお盆休みに読んだのがタイムリーだった。
「<ない>のだった──本当だ!」はバカSF。内容を紹介する気にもならないくらいバカバカしくって大好き。
「考え方」は“女に扇風機を投げつけられた男”が、その仕返しに“女を扇風機に投げつける”って話。なんじゃそりゃ。
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『天才数学者たちが挑んだ最大の難問』
アミール・D・アクゼル
幾多の天才数学者をして300年以上も解かれなかった超難問“フェルマーの最終定理”がいかにして解かれたのか──というノンフィクション。
数学の知識が皆無な文系人間の自分でも愉しく読めた。
数学者たちの苦悩や絶望、そして証明が成された時の喜びなどが生き生きと描かれている好著だ。
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他にも色々な本を断片的に拾い読みしたが、それらを挙げるのはあまりにも煩雑なので割愛する。
これからの季節は「読書の秋」
9月は何を読もうかな。
Posted at 2013/09/02 20:31:43 | |
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