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2008年12月07日

ワンの物語「How could you....」

ワンの物語「How could you....」 きっとそんなつもりがなくても、これと似たようなことをしてしまっていませんか?きっとこの記事のワンの気持ちは彼らの目を見つめればわかるはずです。
彼らは絶対に人を恨みません。
人の身勝手さが他の生き物にどれだけ悲しい思いをさせているか。。。
自分を含め理解をする必要があると思います。





ぼくがまだ子犬だった頃、あなたはぼくのかわいいしぐさを笑ってくれました。あなたはぼくのことを「息子」と呼びました。僕が靴や枕を噛んでしまったりしたけれど、あなたのベスト・フレンドになれました。ぼくが何か悪いことをした時、あなたはぼく指さし「どうして?」と聞いたよね。でもすぐに許してくれて、ぼくのおなかを優しく撫でてくれました。

あなたはとても忙しかったので、ぼくのしつけは思っていたより長くかかったけど、なんとか一緒にやりとうしました。昔一緒にベッドで寝、あなたの心の秘密に耳を傾けたり、これほど幸せな人生はない、と信じていました。一緒に散歩に出かけたり、ドライブに行ったり、アイスクリームを食べたり(あなたはアイスは犬には悪いから、と言ってコーンしかくれなかったっけ?)。
ぼくは、あなたが会社からかえってくるのを日向ぼっこしながら待っていました。

少しずつあなたは会社で過ごす時間が長くなり、人間の親友を探しに出かけていきました。わたしは辛抱強くあなたの帰りを待ち、落胆や失恋したあなたを癒め、あなたが間違った選択をしても小言は言わず、いつもあなたが帰ってきたとき、恋に落ちたときは共に大喜びして飛び跳ねるほどでした。

彼女、今ではあなたの妻、は「犬は人間ではない」と言います。それでもぼくは彼女が来たときは歓迎し、彼女に親しもうと努力し、彼女の言うことを聞きました。ぼくはあなたが幸せだったからぼくも幸せでした。

それから赤ちゃんが生まれ、ぼくも一緒によろこびました。ぼくは赤ちゃんのピンクの肌そして香りが大好きで、ぼくも彼らの世話をしたかった。でもあなたと彼女はぼくが赤ちゃんたちを傷付けるのではないかと心配し、ぼくはほとんどの時間を別の部屋か犬小屋で過ごすようになりました。ぼくも本当に彼らを愛したかった。でもぼくは「愛の囚人」になってしまいました。

あの子たちが成長するとぼくは彼らの友達になりました。ぼくの毛につかまって立とうとしたり、ぼくの目に指を突っついたり、ぼくの耳をひっぱったり、ぼくの鼻にキスをしてくれました。ぼくはあの子たちの全てを愛し、あの子たちにさわられることに喜びを感じました。なぜならあなたはもうほとんどぼくに触れてくれなくなっていたから。そしてぼくは必要なら命をかけてもあの子たちを守ってもいいと思いました。ぼくはあの子たちのベッドにもぐりこみ、彼らの心配事や夢に耳を傾け、あなたの帰ってくる車の音を一緒に待ちわびました。

以前は誰かがあなたに「犬を飼っている?」と尋ねると、あなたは財布からぼくの写真を取り出し、ぼくの話をしました。でもこの数年は単に「飼ってるよ」言うだけで、話を変えてしまいました。ぼくは「あなたの犬」から「単なる犬」へと変わり、あなたはぼくにかかる費用を不快に思うようになっていきました。

そしてあなたは他の街で新しい仕事を見つけ、ペットを飼ってはいけない住宅に引越すことになりました。あなたは「家族」のための最良の選択をしたのかもしれないけれど、昔ぼくがあなたの唯一の家族だった時代があったよね。

ぼくはドライブに連れて行ってもらえるのだと思い、ワクワクしました。でも、着いたのが動物保護センターだとわかったときは、また悲しくなりました。犬や猫、恐怖と不安の臭いがしました。あなたは書類を記入し、「いい飼い主が見つかると思うよ」と言いました。担当の人たちは物悲しげに肩をすくめました。彼らは「血統書付き」でも中年の犬の現実を知っているのです。子どもはぼくの首輪をつかんで離そうとしませんでしたが、あなたはその指を強引に引き離しました。「お父さん、だめ!僕の犬と別れるのは嫌だ!」とあの子は叫びました。ぼくはあの子のことが心配です。あなたがたったいま息子に教えたことを・・・友情、忠誠心、愛や責任、そして何よりも生命を尊重するということについて、あなたが息子に教えたことを・・・

あなたはぼくと目はあわせず、帰り際にぼくの頭を軽く撫で、丁寧にぼくの首輪とリードを持って帰ることを断りました。あなたは時間がないと言います。それはぼくも同じでした。

あなたが去ったあと、優しい二人の女性は、引越しのことは以前からわかっていたのに、なぜ新しい飼い主を探そうとしなかったのか、と話していました。頭を横に振りながら彼女たちは「どうしてなの?」と言いました。

忙しいのに彼女たちはできるだけぼくたちの世話をしてくれました。もちろん餌は与えられているけど、もうずっと前からぼくは食欲を無くしました。最初は誰かがぼくの檻の前を通る度に、ぼくは前の方に飛び跳ねました。あなたの気が変わってまた迎えにきてくれたんだと思い、今の状況が単なる悪夢だと思い、そしてあなたでなくてもぼくを愛してくれる誰かが来たのだと願いながら・・・
自分たちの運命に気付いていないかわいい子犬たちにはぼくは勝てない、と悟ったとき、ぼくは奥の角にうずくまり、ひたすら待ちました。

その日の終わりに係員の足音が聞こえ、彼女と一緒に別の部屋に行きました。とても静かな部屋でした。彼女はぼくを台に乗せ、ぼくの耳をさすりながら「心配しなくていいのよ」とささやきました。ぼくの心は今から何が起こるのだろう、と不安でいっぱいになりましたが、安心感さえも感じました。 「愛の囚人」となったぼくは最後の日を迎えていました。でもぼくは自分のことよりも、彼女のことの方が心配でした。ぼくがあなたの機嫌がいつもわかっていたように、彼女の気持ちもわかるのです。彼女の心の重荷は非常に大きいものでした。

彼女は優しくぼくの前足に止血帯を巻きました。彼女のほおには涙が流れています。ぼくは昔あなたを慰めるときにもいつもしたように彼女の手をなめました。それから彼女は慣れた手つきでぼくの静脈に注射をさしました。チクッとしてから薬が体を流れるのを感じました。ぼくは眠くなって横たわり、彼女の優しい目を見つめながら「どうして?」とつぶやきました。

彼女に、ぼくの犬言葉がわかったのでしょうか。彼女は「本当にごめんね」と言いました。彼女はぼくを抱きしめ、ぼくがもっといい場所、無視などされず、虐待や見捨てられることもない、この地上とはまったく違う愛情と光あふれる幸せなところに行けるようにするのが自分の役目だと教えてくれました。ぼくは最後の力を振り絞って尻尾を一度ふり、ぼくが「どうして?」と言ったのは、彼女にではないことを教えたかった。この言葉はあなた、そう、ぼくの愛するご主人さまに向けたものなのです。ぼくはあなたのことを考えていたのです。ぼくはいつまでもあなたのことを記憶し、あなたを待っています。

ぼくがあなたを愛したように、
あなたが人生で出会うすべての人から愛されることを願っています。




この記事は、ワンの物語『How Could You...』 by Jim Wills, 2001 について書いています。
ブログ一覧 | わんこ | 日記
Posted at 2008/12/07 10:42:39

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この記事へのコメント

2008年12月7日 14:24
久々に長文最後まで読んだ。
『家族』はだいじにしないとだな。
犬も人もだよ。同系列に並べるにはチョット抵抗有るけど。
ウチはイヌもういないけど…
コメントへの返答
2008年12月7日 21:12
自分は子供ん時から傍に犬がいました。だから基本的に自分の中では同列なのかもしれませんね。意識した事はないけど…

ただ絶対的な意見としては…命に重いも軽いも無いって事です。人に他の生物には無い能力があるのなら、それを自分以外の者を守る為に使うべきだと思います。

人間の命が貴重か?地球と言う概念から見れば今はただの害虫でしょう。
傲慢すぎるんですよ。人間は。いずれ傲慢さ故に滅びるのは近い未来かもしれませんね。

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