勝てない!どうしてもNSRに勝てない!TZと同じ給排気レイアウトの後方排気(3MA)でも勝てない!どうしたら勝てるんだ!?
・・・じゃ、TZに保安部品付けちゃえばイイんじゃね?・・・
TZと同じ部品使ってロードゴーイングレーサー・・・じゃなくて道路へゴー!・ing・レーサーだぜ!
これで勝利間違いなし!どうだ参ったか!
・・・と言う逝っちゃってる企画が何の冗談か通ってしまい、この世に生まれた・・・(以下略
見た目的にも「何も弄らなくても十分レーシー」というカッコ良さ!ヤマハ発のV型250cc2ストレプリカって事でヤマハ信者の小僧達の気分も大いに盛り上がりました。
カウルサイドに付いているフロントダクトはSPモデルで本当にキャブのインダクションボックスに接続されてラム圧によるパワー向上を狙ったり、チャンバーに関してもノーマルの状態でスペシャル品の様なゴールドアルマイトのサイレンサーが付き、チャンバー容量を稼ぐと同時にバンク角も確保するため、チャンバーボディを車体中心部に押しこんで、その分スイングアームを「への字」に曲げて避ける等、骨格はまんまTZ。
SPモデルに関してはエンジンパーツまでTZと共通部品が多いという、これぞまさしくヤマハ2サイクルレプリカの集大成反則バイク。
これで勝つる!
と思った私は、自分の腕を度外視して(笑)早速購入、峠にツーリングにと乗り回しました。
乗り味の第一印象は「楽!」って事。
腰高で操縦性も腰高(笑)だった3MAと違い、ポジションに余裕が有ってマッタリ乗れる、体の姿勢に余裕があるから操作が軽い。
そしてモーターの様に回り、スムーズなエンジン。
いつの間にかスピードが乗っててハッとするほどです。
コーナリングは素直で見た方向にスッと入り、3MAみたいにドカンドカンとアクセルを煽らなくても自然にトルクが立ち上がり、リアステアでヒューッとコーナリング出来る。
峠に来てもヘトヘトに疲れない、何とも素晴らしい操縦性に感動を覚えました。
そしてツーリングもこなせる。
タンデムシート下の小物入れが地味に嬉しい、低速トルクがスカスカって言う2サイクルですが、”2サイクルとしては”下から力が有るので交通の流れに乗るだけならギアチェンジをサボってアクセルだけでダラダラ走ることも全然可能、ですから疲労感が全然違います。
2ストしか知らない私ですが、バイクの運転で居眠りしたのは後にも先にもこのバイクだけ。
299のカーブくらいなら夢の中の小人さんでも運転できるというラクチンさ(笑)。
・・・いや、無理はやめましょう!眠気を感じたら休憩です!
(ああ、生きててよかった)
トラブルらしいトラブルは殆ど無かったのですが、一度だけ倒立フロントフォークからのオイル漏れと言う恐ろしいトラブルが発生しました。
その日も、ゴ○○場脇を全開で突っ走ってきて、見物コーナーの突っ込みでフルブレーキング!
その時、フロントフォークのシールが抜けました(爆)。
ガツン!と下までフロントが下り、一瞬でブレーキキャリパーがオイルでびしょ濡れに(^^;)、勿論ブレーキが効きません。
「あ・・あーーーっ!」
叫ぶ俺、瞬間的に異常を感じて逃げ惑う数人の見物人達。
スローモーションの中で見た、そして思い出した!
見物コーナーのアウト側に道があった事を!
見物人のバイクとバイクの間を擦り抜け、そのまま幅1m位の多分山林管理用の山道につっこみました(笑)。
リアブレーキだけで数十メートルかけて減速し、止まった・・・
ああ・・・生きてるって素晴らしい!(笑)。
と言う嘘のような本当の話(^^;)。
冗談で、「このコーナー、エスケープゾーン有って安心だね」とか言って仲間内で笑い話にしてたのに、まさか本当に自分が使う羽目になるとは思ってもいませんでした。
まぁ一説には、その当時の倒立サスは、どれもそれ程品質が高くなかったと言う話もある様ですね(^_^;)。
その後、下り坂で工事用の信号待ちしていたら、前に居たハイエースが何を思ったのかバックしてきてあれよあれよという間に踏み潰され廃車に(^^;)。
当然、相手の保険で弁償という話になったんですが・・・
ライトのスイッチが無いバイクなんて納得できるか!
と言うアホな理由で近所のバイク屋さんに全く同じ91年モデルを探してもらい、二代目となりました。
いいバイクだった・・・いいバイクだったんですが・・・
いいバイク過ぎて飽きた。
チャンバーでも付けようかと思った時期も有ったんですが、既にストリートでは十分速いし、何も不満がないんです。
一度だけキャブでも遊びで弄ろうか?って思ったんですが、3MA以上に面倒くさい、別々の上に左右に付いてるので、アイドル調整するだけでもバイクの両側を行ったり来たりしてグッタリするんです。
そのうち訳が解らなくなっちゃって、もう速いんだからノーマルでいいや・・・
と、さじを投げてしまいました(^^;)。
ただただ走り回ってて、それでも良かったのかもしれないと今となっては思いますが、やはり段々つまらなくなってきちゃいます。
その内、妙にスピードに対して恐怖がちらつくようになって来ちゃいました。
モーターのように回るエンジン、
張り付くように安定した車体、
その中でスピードだけがドンドン上がっていく・・・。
何だか得体のしれない怖さ・・・。
恐怖を感じたのは、コーナーでも何でもなく、近所の信号を発進加速した後の何気ない直線でした。
要するに自分のキャパシティの限界を感じたんです。
怖いから段々と乗らなくなり、その内自宅の自転車置き場でナメクジの巣に・・・
余りにも不憫なその姿に、やっと踏ん切りを付け、同じくチームが殆ど解散状態になって乗らなくなっていたレース用のNSRと一緒に購入したバイク屋に引き取ってもらいました。
別のオーナーの元で元気で走ってくれればイイなどと考えていましたが、今思えば
とっときゃよかったよ!(笑)
(NSRも)
激しく後悔です(^^;)。
さて、私の独断と偏見による余談ですが、TZRを手に入れるなら?
現実的には3XV一択です。
完成度も高く、程度が良ければ長く乗れますし、お金に糸目を付けなければタイラレーシングのように持ち込みでコンプリートマシンを制作してくれるショップも有るみたいですからね。
1999年まで生産してましたし、旧車でも何でもないし。
1KTもタマが多いしまぁ何とかなるでしょう、多分(^_^;)。
最悪なのは3MAです(笑)。
・・・でも・・・
結構色々と思い出がある3XVなのに実家を整理しても1枚も写真が出てこないんですよね(^_^;)。
ですから、トップの写真もカタログ写真です。
デジカメとか携帯とか無かった時代です・・・
写真が貴重だった時代にも関わらず、3MAの写真はウジャウジャあるのにね(笑)。