焼きそばが好きだが、家ではあまり作らない。
街を歩いていたり、本を読んでいたりすると、不意に焼きそばが食べたくなる時がある。
今年のゴールデンウィークは、そんな焼きそば気分だった。
かつて都内に住んでいた時分、同じように焼きそば気分になり、当時所有していた
VTR250に跨って箱根を越え、静岡県富士宮市で焼きそばを食べ、そのまま帰ってきたことがあったが、あれもたしかゴールデンウィークだった。
仙台から富士宮は遠いが、富士宮、上州太田と並び日本三大焼きそばの一角を占める横手は、比較的近い。
一路栗駒山を越えて焼きそば旅行へ出かけた。帰りに温泉も入れれば良いな、という軽い出来心とともに。
国道4号線を三本木までとろとろと流し、三本木からは田植え準備真っ只中の田園地帯を突っ切る。
「奥の細道ゆけむりライン」という西村京太郎の匂いを感じる線路を踏み切って、国道47号線から457号線へ。
沿線、独特のゆるさ加減が大好きな
細倉マインパークは7月まで改修工事中の看板が出ている。再オープンしたら遊びに行きたいと考えながら398号線で栗駒山をアタック。
後ろのグレーの壁はコンクリートではなく、汚れた雪山
5月初めの栗駒山は、路肩に雪が残っている。
山頂へ向かう道はまだまだ通行止め。脇に固められた雪山に登って、今シーズン最後の雪遊び。
雪山に登って遊ぶ。写真の左から来て右に行くので、本来この道に入り込む必要は無い
このあたりのルートは
第一回温泉同好会でも通っているし、その他プライベートでも何度か通っている。
そういえばVTR250を手放す前、最後のツーリングもこのあたりで、たいそう気持ちよかった記憶がある。
そんな何度も通っている道だけれども、沿線最大の観光スポット、小安峡を見物したことがなかったため、緊急ピットイン。焼きそばとは関係ないけれども、せっかくのゴールデンウィーク、観光しても罰はあたらないだろう。
予備知識を一切持たず訪れた小安峡。とりあえず道なりに進んでいくと、ずいずい谷間に向かって降りていく。
見物を終えて帰ってくる人が皆、息を切らして登って来ているので、この先相当に険しいのだろうか。
勢いよく蒸気が吹き出している。サウナのようだ。
初めて訪れた小安峡は観光名所だけあって、実に興味深い場所であった。
岩の割れ目から水蒸気が轟音と共に噴出しており、岩の向こう側に大規模な火力発電所、あるいは製紙工場があるのではないかと思わされる迫力であった。傍の説明書きには昔の人も小安峡について「雷神のような響きを立て吹き上げるように湯がでている」と表現したと書いてあり、なるほど、うまい表現をするものだ。と一人感心する。
ずいずい降りてきた谷道を、ぜえぜえ汗を吹き出しながら登り、先を急ぐ。
小安峡から標高を下げ、湯沢の市街地に近づいたところで、国道13号に入らずに、脇道をナビが案内する。
「大体においてナビは変な道を案内するものだなぁ。」
と思っていると、増田の旧市街地、
蔵が立ち並ぶエリアに迷い込む。
車を止めて観光はしなかったけれど、風情のあって良い街並みを見ることができた。なんともゴールデンウィークっぽい行いをしていると思う。
そんなこんなで横手市内。
もともと下調べもなくやってきたので、どこに行けば焼きそばがあるのか分からない。
とりあえず観光施設に行けば何とかなるだろうという浅はかな考えで、「
秋田ふるさと村」という施設へ舵を切ったが、家族連れのミニバンで大渋滞。ひとり者が一台分の駐車スペースを占拠するのは忍びないと考え、別の場所を探そうと脇道へ逸れたところが、ふるさと村の裏口駐車場で、こちらはガラ空き。あの渋滞はなんだったのか、と拍子抜けしながらふるさと村へひとり入園。
晴天の広場に屋台が出ている中に、ありましたありました、横手焼きそば!
"焼きそばに関する栄誉ある称号を獲得した"という旨の文言が書かれている店で早速購入。
時間はまだ午前10時過ぎだったけれど、朝から何も食べずに来たので、焼きそばブランチ。
初めての横手焼きそば。目玉焼きがうれしい。
なんだ、これは?
食後、ふるさと村を少し観光。
土産店で得体の知れない菓子が売られていた。米粉で成形された鯛。中身は餡子がぎっしり詰まっているという。
秋田の郷土食なのだろうか。
店の女性に聞いてみたが、子供の日の祝い菓子だと言っていた。今どきの子供も、こんな甘さの押し売りみたいな菓子を食べるのだろうか。昭和生まれのおじさんが興味半分に食べるにはちょうど良いと思い、購入。
「大きなサイズのものは、切って食べると良いですよ」と言われたが、三枚に下すのだろうか。ぶつ切りでは、せっかくの鯛が勿体ない気がする。
ばばへらも食べた。仙台はどんより曇っていたが、秋田はアイスが美味しく感じる陽気だった。
目的を果たしたので、帰宅。
帰りは湯沢から鬼首を経由して岩出山に抜ける、メジャールート。
どこか適当な温泉でも入れれば良いかな。と思っていたが、流石ゴールデンウィーク真っ只中。
日帰り施設は軒並み大混雑、旅館の日帰りは混雑を見越して臨時休業など、ことごとく振られてしまい、気が付くと岩出山。
有名道の駅へ入ろうとする反対車線の車は、数キロの大渋滞を成しており、ゴールデンウィークの恐ろしさを垣間見た。
午前7時前に自宅を出発し、14時過ぎに帰宅。ちょうど良いドライブコースだった。
帰宅後、土産に購入した祝い菓子を食べてみたが、恐れていたほどの甘さの押し売りではなく、米粉のもっちり具合が程よかった。
そういえば秋田も米どころだな。次は新米の時期に訪れてみようか。
Posted at 2016/05/20 00:20:22 | |
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