ここのところGK5ネタが多いですが,これで最後だと思います(笑).
ZⅢでも驚異的なタイムだったtaka@黒インテ(元)さんのロガーデータ,これ実は私としても欲しいデータでした.なんで欲しいのか?というと
A052のデータを見た時」に「1コーナーの進入速度がもはやNA2.0Lクラスじゃないの!?」と思ったからです.
同じZⅢを履いたNA2.0Lのデータと是非とも比較してみたいと思い,提供をお願いしました.
という事で,今回は2年前に
オレさまFD2がZⅢを履いていた時のデータを引っ張り出し,比較してみたいと思います.
ではまず,いつもの通り素材集めから.オレさまのデータはコチラ(↓)を使います.
公式のタイムは以下の通り.S2は互角,S1で0.3秒,S3でF0.15秒FD2が遅い感じですね.
GK5 ・・・ 40.550 (S1:9.383 S2:17.985 S3:13.182)
FD2 ・・・ 40.986 (S1:9.688 S2:17.959 S3:13.339)
そして,LAP+の比較結果が以下の通り(緑:GK5 青:FD2).
上が車速,下がタイム差なのですが,概ね似たような波形ですが,ポイントポイントの加速域ではやはりFD2(青)の方が上.一方,減速域ではオレさま(青)が止め過ぎなのか,ここでGK5(緑)に負けているようですね・・・.
ブレーキングの差となると車重の影響もあると思いますので,関連するパラメータをカタログスペックから引っ張り出して,タイヤに掛かる負担率を算出してみます.
【車重】
GK5 ・・・ 1050kg
FD2 ・・・ 1260kg
【前後重量配分】
GK5 ・・・ 64:36
FD2 ・・・ 63:37
【推定フロント軸重】
GK5 ・・・ 672kg
FD2 ・・・ 794kg
【フロントタイヤサイズ】
GK5 ・・・ 225/45R16(タイヤ幅:225mm)
FD2 ・・・ 265/35R18(タイヤ幅:271mm)
【タイヤ幅1mm当たりに掛かる重量】
GK5 ・・・ 1.49kg/mm
FD2 ・・・ 1.46kg/mm
静止状態でタイヤ幅1mm当たりに掛かる重量が0.03kg差なので,重量とタイヤ幅の相関で言えば,ほぼイーブンと見なせそうです.FD2の方が重いから~とか,FD2の方がタイヤが太い~とかそういった言い訳は通用しなそうです.という事で,ブレーキングで差が出ているのだとすれば,(リアのスタビリティによる影響を無視するとすれば)そのままドライバーの腕の差となりそうです.
では,加速領域と減速領域に分けて細かく見てみます.
まずは加速領域.
1コーナーの進入速度(1つ目の赤丸)はFD2(青)の方が0.9kmh上でした.互角かなぁ~?と思いましたが,厳密に比べるとやはり2.0Lの方が速かったようですね.6コーナーの進入(2つ目の赤丸)は絶対値的には差がないものの,そこまでの到達時間は圧倒的にFD2(青)の方が早いです.8コーナーの進入(3つ目の赤丸)は6コーナーのボトムがは高かった事も手伝ってFD2(青)の圧勝.一方,10コーナーの進入(4つ目の赤丸)は9コーナーでGK5(緑)に遅れを取っているのを何とか最後の最後でFD2(青)が逆転した感じ.最後のゴールライン(最後の赤丸)でもFD2(青)は11コーナーの立ち上がりで遅れているのですが,パワーにモノを言わせて取り返した感じですね.
全体的にGK5(緑)は速度の落ちが少なく,ブレーキング→再加速するポイントもFD2(青)より手前のようです.その立ち上がり初期の出遅れを,FD2(青)は排気量差で取り返している構図で,有利・不利は直線の長さに依存しそうですね.ちなみに,唯一6コーナーのボトムだけはFD2の方が高い点は面白いですね.GK5はA052装着時と比べても,ここでは特に大きな差異が見られなかったのですが,もしかしたら,それは別な要因で頭打ちになっているだけで,A052を履いた時にもう一伸びする余地が残っているのかもしれません・・・.
続けて減速領域.
1~2コーナー間(1つ目の赤丸)はFD2(青)が止め過ぎですね.その止め過ぎを2コーナーでの再加速で補っているのかもしれませんが,それによってクルマの向きの変わりが悪く,2~3コーナーでアクセルを踏めない状況になっているようです(↓).
当時のコメントを読むと,FD2(青)は1コーナーのブレーキングでロックしていたようで,オレさまは「ZⅢのグリップが低い!」と文句言ってましたが,これはブレーキの踏み方が悪かったみたいですね.ZⅢは急激な操作を受けつけないタイヤなので,強く・短くではなく,長く・緩くブレーキングして2コーナーでしっかりと向きを変える走らせ方のがZⅢでは正解だったようです.
6コーナー(2つ目の赤丸)のボトムの高さは,先述の通りFD2(青)の方が5.4km/hも上な訳ですが,これはオレさまのコントロールがアッパレ!なんですかね? GK5(緑)と比較すると,FD2(青)はもっと突っ込めるんじゃないか?とも受け取れますし,GK5(緑)が突っ込み過ぎて遅れているとも受け取れます.ラインで見るとGK5(緑)はレブ対策でインにかなり寄せているので,このラインだとボトムを上げるのは難しいのかなぁ~?と思いました.
10コーナー(3つ目の赤丸)は,1~2コーナーと同様にFD2(青)が止め過ぎですね.ブレーキング時のスキール音が大きいです.その止め過ぎも影響しているのだと思いますが,FD2(青)は11コーナー(最後の赤丸)で向きを変えるのに苦労している様子が窺えます(↓).
まぁ,オレさまはこういった低速コーナーの処理が苦手なようですので,ここで遅れるのは止む無しなのかなぁ~?とも思います.
以上,GK5 vs FD2でした.
こうやって同じタイヤで比較してみると,やっぱり2.0Lの方が加速力は上だったので,takaさんのL15Bがインチキしてるなんて事はないんでしょうね(笑).L15Bの素の性能がやはり高いという事なんでしょう.また,ZⅢというタイヤはやっぱり急激な操作を許容しないタイヤである事が今回の結果から再確認出来ました.オレさまがZⅢの特性を無視して,ロックしかかる程にハードなブレーキングをしたポイントでことごとく遅れていますし.ZⅢの事を「運転の矯正用タイヤ」とは良く言ったものですね.なるほど,よく理解出来ました.
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Posted at
2022/01/24 01:22:47