部品ブースでモータースポーツ要素を堪能した後,ここから先は事前の情報から期待していたクルマ達.その中の1台が「K-OPEN」でした.
前回のモビリティショーの時は,タイヤ目当てで見学しましたが,そちらは2年前に満足したので今回は純粋にクルマの方.2年前の「VISION COPEN」では1.3Lの普通車でしたが,今回の「K-OPEN」では軽自動車として仕立て直したとの事で,サイズダウンしてますがFRレイアウトなので横から観ると若干ロングノーズに見えました.
ただ,そんなショーモデルよりも,走行性能試験向けの試作車であろう「K-OPEN ランニングプロト」の方が,個人的にはとても興味深かったです.
今回は予備知識を入れないで,いきなり現車を観る形だったのですが,なんでボンネットを開けているんだろう?と思って覗いてみたら,
「えっ・・・? エンジンはドコ??」とポッカリ空いた空間にビックリ.まさかBEVなのか!?と更に覗き込んだら,
底の方にオルタネータが見える・・・.「やっぱりエンジンは積んでいるんだ」と思いつつ,ドウイウコト??と混乱しながら調べてみると,積んでいるエンジンは「スラントエンジン」なんだとか.「スラント(傾斜)したエンジンってナンダ??」とこれまた混乱しながら調べてみたところ,商用の「ハイゼット カーゴ」のエンジンと出てきてピン!と来ました.
商用のクルマは荷室を広く取りたいので,エンジンを低い位置に押し込みたく,MR方式だったりする車種もあります.「ハイゼット カーゴ」もそういったコンセプトで,エンジンをドライバーシートの下に押し込んでいます(↓).

(MotorFan:
内燃機関超基礎講座 | ダイハツにもかつて存在したハイブリッド車より)
しかし,直列のエンジンは背が高いので,そのままだととてもシートの下に収まらない事から,エンジンを60°傾斜させて(横に倒して)押し込んでいます(↓).

(MotorFan:
内燃機関超基礎講座 | ダイハツにもかつて存在したハイブリッド車より)
軽トラのシートの下に収まるような高さなのだから,それを普通車のエンジンルームに入れたら物凄く低い位置に来る訳ですね.「なるほど,考えたなぁ~」と思いました.これなら既存のコンポーネントを流用出来るので安く作れますし,FRレイアウトも簡単に再現出来ます.加えて,スポーティカーに必要な低重心まで実現出来るのですから,一石何鳥?という素晴らしいアイデアです.
恐らく水平対向なんて目じゃない程のこのエンジンの低さは,実車を観ないと味わえないので,これを観れただけでも「来た甲斐があったなぁ~」と思いました.
パワートレインを「ハイゼット カーゴ」から流用しているのであれば,当然足回りもそれを移植しているんだろうと観てみると(↓),
トレーリングアームらしきモノが見えます.スプリングも乗用車には似つかわしくない,デッカイのが入っていました(↓).
この辺り,試作車っぽくて非常に面白いです♪
フロントサスペンションは,マクファーソンストラットだそうですが,
キャリパーは全日本ラリーで使っている対向6POTが入っているのだとか.この辺りも手持ちの技術を流用した感じですね.
なお,個人的にはこの「ランニングプロト」のルーフが一番気に入ったのですが(↓),
黒塗りだったのでこれも試験車用なのかと思いきや,2代目COPENには200台限定のクーペモデルが存在していたんですね(↓).
2代目は着せ替え(Dress-Formation)が目玉だったので,クーペモデルが存在する事を知りませんでした.
リトラクタブルを降ろせるので何と40kgも軽量化出来るのだとか.イイなぁ~コレ.
スラントエンジンはオイルの偏りが生じるそうなので,軽トラと違って激しい横Gが出そうなスポーティカーでどうなるのか気になりますが,採用されるコンポーネント含めて,市販モデルが益々気になる1台でした.

Posted at 2025/11/12 00:36:57 | |
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