
この記事は、
今夜はアイルトン・セナを語ろうについて書いています。
あれから20年が経った。
思えば、あの年のイモラは異様だった。
金曜日の予選一日目。
ルーベンス・バリッチェロのマシンがシケインの縁石で跳ね上がり、タイヤバリアを超えて金網に直接激突。
バリチェロは事故現場で医療チームからの手当を受け、その後メディカルセンターに搬送された。
鼻を骨折し、ギプスで腕を固められた事でレースは欠場となったが、命には別状無かった。
明けて土曜日の予選二日目。
ローランド・ラッツェンバーガーがヴィルヌーヴコーナー手前でフロントウィングを壊していた為、曲がり切れずにアウト側のコンクリートウォールにほぼ正面から衝突、帰らぬ人となった。
そして、運命の日、1994年5月1日。
スタート直後のアクシデントでセーフティカーが入る。
コース上の破片などが除去されると、セーフティカーは退き、レースはローリングスタートで再開された。ポールポジションからトップを守っていたセナのマシンは、6速全開で駆け抜けるタンブレロへと向かう。だがセナのマシンはタンブレロを曲がる事無く直進し、アウト側のコンクリートウォールに激突した…。
ヘリコプターでボローニャに近いマッジョーレ病院に搬送されたセナは、マリア・テレーザ・フィアンドリ医師により死亡が確認された。死亡時刻は14時17分、即死だった。
最強のマシン(ウィリアムズ)を手にした事で、しばらく続くと思われたセナの黄金時代は突然終わりを告げた。
そして、セナ亡き後、F1グランプリは期待の若手、ミハイル・シューマッハの時代となっていく。
シューマッハはF1の記録をすべていき、アイルトン・セナの代名詞とも言えたポールポジションの最多記録をも塗り替えた。だが、シューマッハが初めてポールポジションを獲得したのは、セナの死後に行われた94年のモナコGPだった。
記録としては、セナはシューマッハに敵わない。
だが、記憶に残るレーサーとしては、セナはシューマッハをも上回るものがある。
88年のモナコGP予選では、2位プロストに約1.5秒差をつける驚異的なタイムでポールポジションを獲得。
同じく88年の日本GP、スタートでエンジンストールさせるも、下り坂によって辛うじてエンジン再スタートでき、13位まで落ちるもそこから追い上げを開始し、同じマクラーレンでトップを走るプロストを捉えて逆転勝利&チャンピオン獲得。
91年ブラジルGP、念願の母国GP優勝が見えてきた時に、ミッショントラブルで6速以外を失いながら、細かいコーナーや上り坂など、トップギアだけでは運転が不可能と思われるインテルラゴスを走り切り遂に母国GP優勝。
93年ブラジルGP、ウィリアムズとのマシン性能の差は歴然、到底敵わないと思われたが、スコールによるプロストのアクシデントや、セーフティカー明けの再スタートでヒルをオーバーテイクするなど、まさに神懸り的な奇跡の逆転勝利。
93年ヨーロッパGP、雨のドニントンで、一時5位に落ちるもオープニングラップでごぼう抜きを演じ、一周目からトップに立ち、その後も後続より4秒も速いラップでグングン差を広げ、ついには全車周回遅れにしてしまう。
数え上げれば切りがないが、やはり記憶に残るレースと言えば92年モナコGPだろう。

史上最強のマシンと言われたウィリアムズFW14Bを駆るマンセルが、開幕6連勝を目指してトップを快走している時にアクシデントが起きる。スローパンクチャーによりタイヤ交換のためにピットインするマンセル。マンセルがピットアウトした時には、セナのマクラーレンが前に出ていた。
遂に、マクラーレン・ホンダが、ウィリアムズの前に出た。
フレッシュ・タイヤを履くマンセルが怒涛の追い上げを開始。
セナのアドバンテージがみるみる無くなっていく。
残り数ラップでセナとマンセルによる凄いバトルが展開される。
トラクションはフレッシュ・タイヤを履くウィリアムズのマンセルが完全に有利。
しかし、セナはシケインではマシンをスライドさせながらもマンセルを抑える。
両車、ホイールとホイール、ウィングとウィングがくっつかんばかりの走り。
しかし抜けない。ここはモナコ、モンテカルロ、絶対に抜けない…。
http://www.dailymotion.com/video/x5gs7t_f1-1992-%E3%83%A2%E3%83%8A%E3%82%B3gp-%E3%82%BB%E3%83%8Avs%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%AB_auto
今でもこの時の三宅アナウンサーの実況は覚えている。
この頃は、実況アナウンサーに古館がいたが、このレースの実況が古館じゃなくて良かったと思ったものだ。
(古館だったらきっと絶叫してうるさくて仕方がなかっただろうから)
Posted at 2014/05/01 12:58:16 | |
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