
鈴鹿サーキット。
それは私にとって、車に興味を持ち始めた頃からずっと特別な場所でした。
サーキット走行を始める前に唯一レース観戦に行ったことのある所で、あのピット警告音を聞くだけで鳥肌が立ち、言いようのない高揚感を感じる不思議な地。
初めてメインスタンドに立って、ホームストレートに響きわたるレーシングカーのエキゾーストを聞いた時の感動は今でも鮮明に覚えています。
いつかそこを自分で走る日が来るとは、その時は夢にも思っていませんでした。
しかし、昨年9月のRUSH CUPを鈴鹿で観戦した時、心に決めました。
何としてもここを走りたい、それもGT3で・・・と。
実はその思いがGT3をサーキットに駆り出す最後の一押しにもなりました。
ただいざ実際に鈴鹿を走るとなると、走行会にしても会員枠(SMSC)にしてもほぼすべて平日開催というハードルが立ちはだかります。
そもそも講習会にしても、都合の合う日が一向に現れません。
いつになったら走れるんだろう・・・と半ばあきらめながら毎月講習会の日程をチェックしていると、ついにその日が訪れます。
5月に入り何とか仕事の調整がつきそう、という日があったので、すぐに講習会を申し込みます。そのまま午後に2枠走行可能とのことで、あわせて予約。
足はGT3乗りの先輩みん友さんを含め複数の方からアドバイスをいただき、いくつかの候補には絞れてきましたが、まだ決定には至らず現状純正足のまま。
タイヤもネオバのままで、前回からの仕様変更は何もありません。
楽しみすぎて眠れないという久しぶりの小学生の様な前夜を経て、当日現地入り。
綺麗なSMSC事務局で1時間強の講習会を終えてピットに向かいますが、まずはピットの多さにびっくり。
岡山では会員なのに95%くらいの確率でピットを使えないのですが、まさか初めての鈴鹿で悠々とピットに車を停められるとは思いませんでした。
しかもピットの中もすごく広くて綺麗だし、コンセントも多い。
あとは各車ゼッケンは貼らないとか、枠の最初の1週はペースカーが先導するとか、同じ会員枠といってもサーキットによって結構ルールが違うんだな~と実感。
いよいよ自分の走行枠の時間となり、ピットレーンに並ぶと耳に入るのはピット警告音、スタート前の1分おきのメロディー、そして10秒前からのカウントダウン。
もうこの時点で感無量です笑
そしてついに走行開始。
2週のウォーミングアップを終えて攻め始めると・・・もう楽しすぎて言葉になりません。
これまで運転をしてきた中で、ドライビングが最も楽しかった瞬間かもしれません。
特に1~2コーナーなんて、ホームストレートからの眺めも含めて最高ですね。
これ以上の爽快感を感じることが他にあるだろうか・・・という感じです。
普段走っている岡山の後半セクションの様にじれったく、我慢を強いられるコーナーも皆無で、とにかく終始気持ち良いコースですね。
台数はそこそこ多かったのですが、数週はクリアラップもとることができました。
タイムとしては岡山での自己ベストから換算される鈴鹿タイムの5秒落ちという何とも情けない結果でしたが、それでも(良いか悪いかはともかく)悔しさより楽しさの方が上回りました。
ショップの方が、早く鈴鹿を走ってください!と常々言って下さっていた理由が分かりました。GT3が水を得た魚の様に思いっきり走れるコースなんですね。
この日は2度目のクーラント噴出事件以来初めての走行でしたが、トラブルなく走りきることができたのも幸いでした。
さて、走り終えてから考えていると、岡山とは大きく違う点が2点あることに気付きました。
一つ目は、強い横Gを感じながらアクセル全開で抜けていく(そして車速もそれなりに乗る)ポイントが複数あること。
例えばダンロップ、まっちゃん、最終コーナーなんかがそうですね。
これ、全開でいけるのか・・・?とドキドキしながらアクセルを踏んでいく。
この感覚は岡山で感じることはありません(強いて言うならアトウッドの立ち上がりが一番近い)。
実際、一度まっちゃんコーナーの終わりでアクセル全開でリアがブレイクしました。
あと(こちらはアクセル全開時ではないですが)130Rにブレーキを残して進入してしまった際にも一度後ろが滑りましたが、どちらもさほど怖い思いをせずに立て直せるのは純正足の良い所なのかもしれませんね。
二つ目は、旋回ブレーキが主な高速コーナーが多いこと。
岡山ではがっつり制動ブレーキ→その後緩徐に旋回に移る、というコーナーが多く、しかもコーナーとコーナーの間が短いこともあり、縦方向のグリップを多く求められます(そしてブレーキにとても厳しい)。
一方で鈴鹿の場合には、詰めていけばフルブレーキを行う個所はごく限られているはずで、それよりもいかに速度を殺さずに上手く横方向にグリップを使うかがカギとなるコースだなと感じました。
特に高速コーナーにおいてはまだ限界が分からないので安全にという理由もありますが、どうしても普段慣れた「長めの強いブレーキ→ゆっくり旋回姿勢へ変換→ターンイン」という癖が抜けず、必要以上にボトムスピードを落としてしまっていることが一番タイムに響いている印象です。
上手な方の車載と比べると、ヘアピン等のコーナーではそこまで差はないものの、高速コーナーになるほどコーナリングスピードの差に愕然とします。
普段なら走行後しばらく日を置いてから車載を見返して反省点を考えるのですが、今回はその日のうちにビデオを見てあーでもないこーでもないと考え、気付けば夜中になっていました笑
とにかく楽しくて仕方がない鈴鹿。
次はいつになるのか分かりませんが、早くまた走りたいなと思う毎日です。