
せっかく納車したところなのに忙しくてあまり乗れていないのが残念ではありますが、現時点でのGT3のインプレッションを少し。
購入時に気付いていたことですが、クラッチはやや重め。
(インテグラやロードスターが軽すぎるという説もありますが。)
左足痛くならないかな?と少し心配していましたが、実際に運転してみると扱いづらさは一切なし。
半クラの領域も長く、エンストの気配もありません。
幸い、足も全く疲れ無し。
エンジンをかけ、暫くそのアイドリング音に耳を傾けた後に約1400kgの車体を静かに発進させると・・・
その瞬間から、「ただ者では無い」感がビリビリと伝わってきて鳥肌が立ちます。
ボディ剛性の高さゆえなのか?
自分はこの感覚を的確に表現する術を持ちませんが、とにかくこれまで乗ってきた(試乗・チョイ乗り含め)どの車とも明らかに違う感覚。
そしてさすがは3.6Lエンジン、低回転から驚くほどトルクがあってすごく乗りやすい。
そのサウンドは・・・
無機質な音質をベースにしながらも、どことなくノスタルジックな味わいのある音。
機械ではあるけれど、人の手がしっかりと入り作られていることを感じさせる音。
常用回転域では少しおとなしすぎるかな?と思うほどですが、レブリミットまで一気に回すとなかなかドラマティックな側面を見せてくれます。
しかし、荒々しさを垣間見せながらも、決して出しゃばりすぎることなく、クルマ全体としての品性を損ねない。
どこか「余裕」を感じさせる音でもあります。
例えばインテグラDC5のK20Aは良い意味で挑発的なエンジンで、「そんなものか?もっと踏んでみろよ!」「そう!そのゾーンをキープするのが最高なんだよ!」と語りかけてくる、まるで生き物のようなエンジンだと感じています。
そしてその官能的なサウンドと共に、日本が世界に誇れるエンジンの一つだと私は思っています。B型に比べ野性味が薄れたと言われますが、ハイカムに切り替わった時の陶酔感は他に替えられるものではありません。
しかし、ある意味では限界領域での「危なっかしさ」こそがK20Aの魅力の一因になっているようにも思います(決して否定的な意味ではありません)。
レブリミットまで回すと振動も激しく、バンバン回したいと思う一方で「大丈夫かな?」「エンジンに負担かけてるよなぁ・・・」と心配もしてしまう、そんなジレンマがあります。(どんなエンジンでも高負荷をかけることに変わりはないのですが。)
それに対し、GT3のエンジンは同じく超高回転型でありながら、「え?まだまだ回るんじゃないの?」と、どこか余裕すら感じさせるのです。
まあ、GT1のクランクケースを使用している時点で、全くもって普通のエンジンではないのですが^^;
高速で○○○km/hで走っていても驚異の安定性。
それどころか、スピードが上がるほどに車体が安定するように感じ、実際の速度と体感速度に大きく差が生じます。
これには前にも述べたボディ剛性の高さも大きく貢献していることでしょう。
DC5インテグラもとても剛性の高いクルマですが、その比じゃないです。
ゆっくり流すもよし、ハイペースで飛ばすもよし。
どちらでもお好きにどうぞ、とドライバーに微笑みかけるかのようで、このクルマの懐の深さを感じます。
サスペンションはやや硬めながら、不快感は全くなし。
やはり速度域が上がるほどに硬さは消えむしろ心地良く感じる程で、コーナーでも抜群の安定感。
いつものテストコースでは、一体どこが限界なんだろう??
と見当がつきません。
(限界の遥かに下の領域で走っているので当然なのですが。)
タイヤはミシュランのPILOT SPORT CUPが新品で4本付いてきましたが、このグリップ性能の限界を見るのも楽しみです。
ウエットはあまり得意でないのか?
雨の日はけっこうステアリングを取られ驚きましたが、ドライで街乗りでは全く不満はありません。
それと、リアのLSDがよく効いているように思います。
ゆっくり交差点を曲がっていてもリアタイヤが鳴きます。
現時点で気になる点としては、マイナーながら以下の2点のみ。
一点目はアクセルペダルが随分奥に位置しているように感じ、ヒール&トゥがしづらいこと。
おそらくはフルブレーキング時に最もH&Tをしやすいように設計されているのだろうと思いますが・・・
もともと街乗りでもH&Tを多用する方なので、慣れるべく試行錯誤の最中です。
踵の厚い靴を履いて、それでもブレーキングの踏量が一定しないようならペダルを加工するか・・・
もう一点は、純正シートが体に合わない。
両肩がサイドサポートに突っかかり背中が浮いた状態になり、ヘッドレストも随分角度が起きているように感じる。
慣れ親しんだRS-Gシリーズに替えるか・・・
と思いつつ、純正のデザインは気に入っているため、悩み中です(>_<)
そんな小さな不満はあれど、クルマ全体としては大満足です。
街乗りだけでも、軽くこれまでのクルマ観(?)を覆してくれる車ではありますが・・・
GT3本来の活躍の場であるサーキットで初めてその真価が発揮されることでしょう。
(ドライバーが発揮させてやれない可能性大ですが(汗))
その日を楽しみにしつつ・・・
限られた時間を使って、少しずつGT3と仲良くなりつつある今日この頃です(^^)