
私としたことが終電を逃がした。
頭の中でタクシー代を計算し、翌朝、この近くに用事があるので、う~んって考えた挙句、友人のアドバイスをもらいカプセルホテルに行ってみたら、女性用はなかったので、もうこうなったら、レディースサウナしかなくて、やむを得ず、チェックインすることに。
段ボールで体を包むと温かいと、キムタクのドラマ「プライスレス」でやっていたので、トライしてみようとも思いましたが、段ボールの調達ができず、断念。
そして、案内されたのは未知の世界。
タオルを体に巻いた女性が、たばこ片手にインベーダーゲームみたいなのをしていたり、40代くらいの女性2人が「明日は私、○△ホテルで仕事があるの。」「私は明日、□◇県の×☆ホテル。」と何やら怪しいお話をしていたり、どうやらそこで暮らしているとみられる金髪のおばあさんがボロボロになったせんべい屋の紙袋に、生活用品をどっさり入れていたり・・・。
寝る場所はというと、集団部屋。知らない人と隣りで寝るなんて。
いびきがガーガー聞こえ、なんとか空いているスペースを確保。
「ロッカーには、貴重品を入れないで下さい」と書いてあったので、どうすればよいのかフロントに聞きにいったところ、こちらで預かりますと封筒を見せてくれたけど、見えるところに、預かったお財布が入った封筒がいくつか置きっぱなしになっていたので、これはまずいと思い、抱いて寝ることに。
寝入ってしまって、朝起きてなくなっていたら困るから、結局、下着の中に、まるで武士の妻が小刀を忍ばせているように、入れてみて。だって、諭吉1人に一葉までいて、定食屋の割引券も入っているのだから、なくせない。
しばらく横向きに寝ていて、ふと目を開けたら、知らないおばさんがこっちを向いて寝ている!
その距離わずか20センチ。
1人で街をさまようことも、1人旅も好きなのに、ここだけは、なぜかすごく寂しくて、泣きそうになった。
見渡す限り、女だらけ。これが違和感がありすぎる。駅も旅館も喫茶店も、普通に男の人がいるのにね。それが、怖かったんだと思う。
思えば、大学受験の時。東京の西荻窪にある某女子大を受験して、合格して、父にそこに行くように言われたけど、行かなかった。試験の時の違和感が耐えられなかった。私の性に合わないって分かったのだ。その時の感覚を思い出した。その時以来だ。女ばっかりという空間。
そして、夜明けが近づき、私はお風呂に入った。備え付けのメイク落としは上手くメイクがとれず、引いていたアイラインが目の周りに残り、パンダみたいになった。
体だけでも温まろうと思い、体を洗ってから湯船につかろうとしたら、水だった。
サウナだから、水風呂がメインみたい。また泣けた。
そして、ようやく温かいお風呂に足をつっこんだら、めちゃ熱い。出川哲朗が、昔よくテレビでやっていた罰ゲームのようだ。仕方なく入ったが、とても耐えられない。
偶然おばちゃんが、水温計で温度を計りに来て叫んでいた。
「なにコレ!?ものすごく熱い!!44℃!」だって。どうりで熱いわ。
することもなくなり、集団部屋に戻ったら、寝巻がはだけて、ショーツが丸見えのおばさんがたくさんいた。
ようやく朝を迎え、私はチェックアウトした。
思えば不思議な空間だった。
今まで生きてきて、はじめての感覚だった。
いろんな人がいるということ、夜から朝にかけてこんな空間があることも知った。
もう行かないかもしれないけれど、この体験は貴重だった。知らない世界を知った。
Posted at 2012/12/10 21:04:24 | |
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