軽トラックのおじさん
13 :774RR :02/09/18 23:29 ID:W2SlVkV2
素晴らしい話の次で気が引けるのですが。
私もおひとつ。
山道でガソリンが切れ、リザーブコックを上にしようと思ったらもうすでに
コックは上向き。呆然と愕然と。携帯の電波も入らない。もう歩くしかない。
10キロ以上歩く覚悟を決め、とぼとぼバイクと共に歩き出す。
1キロほど歩いたぐらいに軽トラックのおじさんが止まってた。
通り過ぎた時に『おい、ねーちゃん』『おい、ねーちゃん!』声をかけられた。
知らないおじさんだし、何だか怖いし無視して歩き続ける。
するとものすごい大きな音でホーンが鳴る。
正直非常に怖かった。それでも無視して歩き続ける。
ついに・・・軽トラックはピッタリ横を走り助手席側の窓を開ける。
チビってしまいそうなぐらい心臓はドキドキしてた。
そのおじさんが言ったことが『ガス欠か?乗ってくか?』だった。
知らないオジサン。非常にあやしい。
丁重にお断りした。でも多分顔はひきつってたんだと思う。
おじさんはいきなり自己紹介を始めた。
怪しい人じゃないんだぞ。と言わんばかりに。
『おっちゃんなぁ~滋賀県でバイク屋してんねん。だからな、
バイクを乗せるのには慣れてるし、ここからやとスタンドまで
歩いたら日が暮れるぞ。悪いことはせーへんしスタンドまで乗ってき~』
時間的に歩いたら日が暮れのは目に見えてた。
スタンドについてももう閉まってる時間になってしまうかもしれないというのも頭をかすめた。
でも悪いことはせーへんって自分で言うのって悪いことをします。
と言ってるようにも感じた。
『おっちゃんなぁ~、自分ぐらいの娘がおるんや。写真持ってるけど見るか?』
なんて親バカ(w 写真を見せてもらいおっちゃんと程よく似てる姿で安心した。
同じ歳ぐらいの娘さんがいるのなら危険なことなんて無いはず。信用しちゃおう。
そして私はおじさんの車にバイクを積み、(バイク屋さんだけにロープも荷台に
乗せれるようの鉄板(?)みたいなのも持っておりました)助手席に乗る。
何があっても逃げれるように一応、シートベルトはせずに。
でも、ホントにいいおじさんでした。何も怪しいこともありませんでした。
スタンドに着いてガソリン代まで払ってくれて、『御飯は食べたか?』と。
食べてないと言ったら、『近くで友達がレストランしてるから一緒に食べよう』と。
もうその時にはバイクも手元にあるわけで怖いこともない。
お腹もすいてたし御飯を一緒に食べてきました。
おごってもらっちゃいました。そして名刺だけもらって
サヨナラを。後日、手紙を出しました。
感謝の手紙を出しました。ここでおじさんとの
話は終わるはずだったのですが・・・。
手紙を出した数日後、電話が入りました。
おじさんからではなく、おじさんの兄弟の方から。
『手紙を勝手に読ませてもらってんけど、今○○は行方不明やねん。
どこで会ってどこで御飯を食べて、どんな格好してたか、思い出してくれへんか。』と。
すべて話しました。
娘さんの写真を見せてもらったことから、その時着てた洋服から一緒に食べた御飯の内容まで。
私の思い出せることは全てお話したと思います。
そこで初めて知ったのですが、私が見た娘さんの写真。
その娘さんは1週間前ぐらいにお亡くなりになったそうです。
娘さんのお葬式が終わってすぐぐらいから行方不明になってたそうです。
その後、おじさんからもおじさんの兄弟の方からも連絡はありません。
ちゃんとお礼を出来なかったのが心残りです。
もうかれこれ5年程前の話ですが、ずっと心に残ってる出来事です。
あまり感動の話ではありません。長文ごめんなさい。
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今日の一台
メッサーシュミットKR201
飛べないけど気分は戦闘機(*'-'*)
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海
Posted at 2013/07/07 19:54:24 | |
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