またバイクであのおばあさんを訪ねたい
13 :774TZR :02/06/15 07:40 ID:VnEnzNYV
みんなのいい話を聞いて、自分も書いてみたくなった。
つまんなかったらごめんなさい。
大学の留年がケテーイした春休み、無性にどこか遠くへツーリングに
行きたくなって、テント寝袋を積んででかけることに。
行き先は決めてなかった。
時間はたっぷりあったし、予定のあるツーリングという気分でもなかったので。
行けるとこまで何日か走って、そこで1日滞在して帰って来れれば
それで良しくらいの気分で出かけた。
そのまま西へ走り出したのだが、宿泊は公園とかに張ったテントでの野宿。
留年したことを見知らぬ人に愚痴って同情を買うのが嫌だったから。
あと、これからのことを一人で考えて、なんでもいいから自分なりの結論を出したかった。
そうして3日かけて、潮ノ岬に到着。
そこにキャンプ道具を下ろしてテントに突っ込み、普段の格好で1日バイクを
楽しむことにした。で、朝起きたら金が尽きてたと。(藁
仕方なく小さな郵便局の前にバイクを止めて、開店を待つことにした。
海沿いの小さな集落なので、歩いてる人はほとんどいなかった。
車が大きな町に向かって走っていくだけ。今日はどこまで行くかな~などとボケていると、
近くに住んでいるおばあさんが、「朝ご飯は食べたかね?」と声をかけてくれた。
喜んでご馳走になり、午前中はそのお宅でマターリしてしまった。
このおばあさん、よくこうやって旅してる人に声をかけてるんだそうな。
困ってる人(俺はそう見えたらしい)を助けるのがうれしいし、
また出会いでもある、そんなことを言っていた。
おれはもっと話をして、ほんとは愚痴を聞いて欲しかったのだが、
そういう自分をおばあさんに見せるのが嫌だったので、
引き止めてくれるのはうれしかったけど、出発することにした。
一人暮しのおばあさん、訪ねてくる人もめったにいないといっていた。
今はヘタレてる俺だけど、前向きな自分になって一区切りついたら、
またここを訪ねよう。それで朝ご飯のお礼にしよう。そう思ってお別れした。
その後何とか就職した会社の研修がこちらのほうであったので
おばあさんとは2年くらいして再会することができた。
おばあさんは既に老人ホームに移っていたが、そこを訪ね、あのときのお礼を言うと、
なんか照れくさそうにそっぽを向かれてしまった。
1時間ほどとりとめのない話をしたが、帰り道があるので退出することに。
そのとき、俺が訪ねてきたのが嬉しかったのか、おばあさんが泣き出した。
「ありがとう・・・」って。
ホームの職員の人になだめられているおばあさんを見ながら、
人に泣かれるくらいに喜んでもらえたのって、初めてだ・・・そんなことを考えていた。
もうきっと、そんなに長生きできないのだろうけど、何かいいことがあったら、また知らせにこよう。
そう思いながらの帰り道、少し胸が熱くなった。
じつは、まだつづきがありまして。
さらにその後、また俺は悩みを抱えてツーリングに出た。
それでも、その悩みを解決するために、俺はこうする!っていう覚悟が、まぁ少しはあった。
だから、それを実行に移すんだ。悩みながらもそれくらいのことが言える人間にはなったよ。
そんなことを伝えたくて、またおばあさんを訪ねた。
おばあさんは、もう歩くのがつらいくらいに足が悪くなっていた。
前にあった頃よりもひどく痩せこけていた。
何とか元気付けたくて、そのときの悩みだったケコーンの話をした。
彼女がいて、いろいろ悩んだけどそいつと結婚するんだ。
いっしょにここへ来るからさ、それまでは元気でいてよ、みたいな。
まぁ、それは喜んでもらえた。
だが、ふっと話が途切れたとき、おれはこんなことをポロッと言ってしまった。
「まあ、食べていけるだけのお金があればいいからさ、やりたいことが
のんびりとできたらいいよね・・・」
若いやつがよく言う、ありがちなセリフのひとつではあったが、
正直な話、そのころおれは別の仕事を始めてみたいと考えていた。
それはそれまで誰にも話していなかったし、おばあさんに言って心配をかけたくなかった話だった。
結果が出てから伝えればいい、そう思っていた。
その一言を口にしたとき、俺はどんな顔をしていたんだろう。
それを聞いておばあさんは俺にこういった。
「やりたいことをやったらええよ。あんたの人生や・・・」
ばれてしまったのか。
隠していたつもりが心の中を見透かされたような恥ずかしさがあった。
でも、嫌な気分ではなかった。
もう先の長くないおばあさんが、ほとんど見ず知らずの若い俺にむかって、
こういうことを親身になって言って励ましてくれた・・・
俺はそれが嬉しかったよ。
同じせりふを言うのは簡単だと思う。
でも、おばあさんの言葉には、歳を重ねた人間の、表現できない重みがあった。
励ますつもりが励まされてしまった。
その頃の俺と今の俺、状況は変わってないけど、
やりたいことをやるための準備は、少しずつだけど進んでいる。
あのときのおばあさんの一言が、そのきっかけになったと俺は思う。
それが実を結んだら、またバイクであのおばあさんを訪ねたい。
願わくば、まだ生きていて欲しい。マヂにそう思う。
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海