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海ちゃん@全3巻のブログ一覧

2013年08月12日 イイね!

時間を越えて




時間を越えて



408 :774RR :03/02/19 17:38 ID:rxnw4HvI
今、家に父ちゃんといとこのオイちゃんとその仲間3人で写ってる写真がある。
俺がまだ生まれる前の写真だが、3人とも満面の笑みでこっちを見てる
俺が産まれてから大きなバイクは乗らなかったが、良く「ラッタッタ」の前に
小さい俺を積んで走っていた話を聞かされた。

父ちゃんも叔父さんも、もう亡くなってしまったが以前ツーリングに行った時
写真と同じ場所にたどり着いた。
誰から教わるでもなく、ただ自然に気の向くまま行った先がそうだった。

涙が出た。止まらなかった。ただ、時間を越えて父ちゃんに逢えた気がした。
写真の場所に辿り着いた事を母ちゃんに話したら「そう・・・」と一言だけだった
、が、なぜか満足そうだった。

あのツーリングから結構たったが、子供が出来たらその場所に一緒に行こう
と考えている。





410 :774RR :03/02/19 20:41 ID:9EvnrvnV
>408
涙でかすんで、文字が読めません。

俺の親父は、俺が10歳のときに死んだ。死因は腰部にできた癌。
始めのうちは、単なる腰痛だと思ってたんだろう。バイクに俺と弟を乗せ
3ケツでよく山の温泉へ湯治に行った。(30年前ののどかな時代だ、許せ)

15年が過ぎ、俺もバイクに乗るようになった。不思議なことに、誰に聞いたわけでも
ないのに、親父の好きだったメーカーのバイクばっかり乗っている。
バイク乗り出して5.6年たった頃だった。近場にふらっと出かけた時、なぜだか
知らんが今まで避ける様にしてきた道に入った。その道の存在は、前々から知って
いたんだが。
山道に入り、どんどん高度を上げていく、見覚えのある風景、あの岩の形....
次々とデジャブを感じる。そう、その道はあの温泉への道だった。
ヘルメットの中で泣きながら走った。

その時の気持ちは、408さんと全く同じだった。


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今日の一台



フェラーリGTO

なんちゃってフェラーリw(*'-'*)


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2013年08月11日 イイね!

やっと追いつけて来たような気がする




やっと追いつけて来たような気がする



404 :774RR :03/02/19 03:53 ID:650M/icQ
我ながらファザコンだなぁとか思うが。
親父の運転する赤いグッチのタンクに小さな俺は座っていた。
北海道の長い旅の話を聞いた。ミニトレで旅した25年前の北海道。
写真の若い親父と仲間達はいい顔をして笑っていた。
俺もそんな仲間が欲しかった。

それから十五年、俺は50ccのぼろバイクを買って旅に出た。
九州、四国、中国、1ヶ月。
親父と会話が増えてきたのもその頃で、ホンダがどーのヤマハがこーの。
去年は250で念願の北海道へ渡った。
6ヶ月、うち3ヶ月バイト。
おもしろい人にいっぱい会えた。
俺もいい顔をして笑えたとおもう。
おかげで今じゃ、親子の会話が桃岩荘の話題だったりする。

今は親父とツーリングに行くことが今後の課題。
今、グッチはイカレちまってOH中。
グッチが直って暖かくなったら、俺から誘おうか。
どこへ行こうかな。

親父とはバイクに乗り出してから会話が増えた。
父よ、21年間ずっと背中を見てきたよ。
やっと追いつけて来たような気がする。
いつか2速落としで加速して、追い越してやる。

そしたら、そのグッチ、俺にくれ。
代わりにVTZあげるから。いつか一緒に北海道にいこうぜ。




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今日の一台



Honda NSX -- driven by Senna

アイルトン・セナが生前、所有していたホンダNSXがebayに出品中らしいです(*'-'*)


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2013年08月10日 イイね!

お前一人で行け


お前一人で行け


387 :SR523 :03/02/16 08:49 ID:UWn9Wjw+

北海道放浪ツーリング中にいろいろなヒトと出合った。
その中で印象深かったのは、上陸2日目キャンプ場で知り合った高校中退の少年。
殆ど口をきかず、焚き火を囲んだ夜の宴会でも端っこの方にひっそりと座っていた。
なぜか次の日から私の後を付いてくるようになった。
3日目あたりから、徐々に話を聞くと、高校中退してバイクで北海道に着たものの、
将来への不安や、初めての旅への不安でかなり鬱になっているらしい。
持ち物も貧弱、飯もロクに炊けない状態だった。
焚き火を囲んで、一晩・二晩話し込んで行くうちに徐々に打ち解け、明るくなってきた。

いつまでも、私に付いてきたのではこの少年の為に良くないと思ったので、

「ここからは、お前一人で行け。自分で人生を切り開いていくしかないんだ。」

と突き放し、「またどこかで出会おう!」「人生を楽しめ!」と
エールを送って判れた。

それから3週間後、その少年と小樽で偶然再会した。
真っ黒に日焼けして、目の輝きを取り戻した少年は、
「ひ弱な少年」から「大人の男」に変身していた。

なんか嬉しかった。




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今日の一台



ヴェンチュリー GT400

世界限定75台だそうです(*'-'*)


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2013年08月09日 イイね!

それは、「幻のなつやすみ」。 ~ねことおばあさんと、陽盛りの縁側で~



それは、「幻のなつやすみ」。 ~ねことおばあさんと、陽盛りの縁側で~


それは、大型二輪の免許を取って数年後だったから・・・27才の頃ではなかっただろうか。


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あの日、山の峠道を越えて、盛岡よりは涼しい海辺の町へ行こうかと

自慢のカワサキを駆って、きつねは東へと向かった。


しかし・・・8月の陽射しは、多少の標高など、お構いなし。

爽やかなはずの高原の風も凪ぎ、周囲の草一本も、揺らしてはくれない。


アスファルトの照り返しと空冷エンジンが発する、熱。

いくら飛ばしても、さながらドライヤーに向かって行くような

猛烈な暑さに、集中力が途切れていくのが分かる。



・・・やめ、やめ、海に行くのはもう、止めた!



大きな橋とトンネルの手前に、降りて行く枝道を見つけた。


川に沿って走る旧道なら、いまの国道よりも、いくらかは

沢の風が通り、涼しさも期待出来るだろう。


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やがて、山間に開かれた小さな土地に田んぼが広がり始め、

ぽつりぽつりと農家の赤や青のトタン屋根が見え隠れ。


「お腹空いたなぁ。小さな商店でおにぎりでも買おう。」


集落の中ほどで、「塩」「たばこ」と書かれたブリキの看板が下がる

古い作りの堂々たるよろず屋さんが、目に入った。



カワサキを庇の下の日陰へ寄せてエンジンを切り、開かれたままの

ガラスがはまった木の引き戸の中へ。



薄暗くヒンヤリしていて、心地良い、コンクリートの土間。



「ごめんくださーい!」


「・・・はいはい~、お待たせ!今日は暑いわねぇ。」


「すみません、おにぎりかパン、置いていませんか?」


「あらぁ・・・この辺のヒトたちは、自分の家でご飯食べるからねぇ。

 この時期はどっちも日持ちしないから、置いてないんだわ。」



前掛けで汗を拭き拭き申し訳無さそうに答える、いかにも農家の おっかさん的な

オバサンは、歳の頃、還暦ぐらいか。


「じゃあ、カップラーメンはどう?ウチでお湯入れてあげるから

 ここで食べて行けばいいわ。」


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緑のたぬきを選んでお代を支払った後、オカミサンに言われた通りに

いったん店を出て、古いけれど立派な塀の木戸をくぐる。



刹那、きつねは「あっ!」と小さく叫び、立ちすくんでしまった。



てっきり裏の勝手口でお湯を貰い、どこか日陰で食べるものだと

思っていたのだが・・・



その店の後ろ側は屋敷と呼ぶにふさわしい家屋で、大きな庭が広がっていたのだ。



どこへ向かって行けばいいのか、しばし躊躇していると

縁側の奥の座敷から、ゆりかごに座った老婆が手招きしている。

足が悪いことはすぐに察しがついたけれど、その声は意外に大きくしっかりしたもの。



「どうぞ、こちらへ来て、おやすみなさいな。」



お邪魔します・・・と告げて、きちっと和服を着た、品の良いおばあさんのもとへ。

ゆっくりと首を振る大型の扇風機がなくても、風がよく通り、涼しい。


傍らに寝そべる白黒の、穏やかな顔をしたねこと、ちりちりと鳴り続ける風鈴の音が、

それを教えてくれた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



訊かれるがままに、盛岡からバイクで来たこと、ねこが好きなことを、話してみる。

にこにこと、うんうんと、うなづいてくれるおばあさん。



やがてオカミサンが、小さなポットを載せたお盆を運んで来てくれた。



「いま時期は、普段お湯を使わないから・・・沸かすのに時間掛かっちゃって。

 ウチの水は井戸から汲んでいるから、美味しいはずよ。」



降ろされたお盆にはポットの他に、汗をかいたコップいっぱいにに注がれた麦茶、

そして氷の乗ったきゅうりの酢のものと、たくあん。



参ったなぁ・・・完全にお客さんじゃないか、俺・・・あ、いや、確かにお客さんなんだけれども。



「ウチの本家も旧家なので、縁側があるんですけど、庭は小さいんです。すごいなぁ。」



突然やって来た赤い髪の青年の言葉に、ふたりの老婦人は、ころころと笑う。



「あらぁ、昔からの農家なんて、みんなこんなモンよ?雨漏りはするし、冬は寒いしね。」



薄目を開けてこちらを伺い、耳を向けるねこに話しかけてみた。


「キミは幸せ者だね。このお屋敷もお庭も、自由に歩き回れるんだもの。」


「アハハ・・・この辺りのねこは、共有財産みたいなものなの。

 山が深くて集落から外には行けないから、放し飼いにしてるのよ。」


「えっ・・・じゃあ、このコはここん家のねこじゃない・・・と?」


「そうね、今日はたまたま、このねこが遊びに来ているだけなのよ。

 それぞれ縄張りはあるみたいだけど・・・でも、みんな親子や兄弟だから。」



誰かが他所から連れて来ない限り、出ても行かないし、入っても来ない。


川と山に周囲を阻まれている、ということは、つまり、そういうこと・・・なんだ。



「だからね、ここのヒトたちは、どのコがどのねこのいつの子供なのか、

 みんな知っていたりするのよねえ。」



陽盛り、という言葉が良く似合う、ヒグラシの鳴く縁側で。

ゆっくりゆっくりと、気付かぬほどの緩やかさで、午後の時間が、過ぎて行く。



いつ、どこで味わったことがあるのかは、分からない、覚えていない。

でも、その景色と感覚は・・・ずっとずっと昔、見て知っていた、確かに。



そう、「初めて味わった」のではない、「帰って来た」のだ、俺は、ここに。



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あの日から15年が過ぎた今も、あの店の佇まいも、周囲の景色も、匂いも、

記憶の中では鮮明で、色褪せていないのだけれど。


ただ・・・R106に今も多く残る旧道のうち、その集落へ続く入り口がどこだったのかは

惜しいことに、全く覚えていないのだ。


ひたすら大型車に慣れ、振り回せるウデを身につけよう・・・と

向上心に満ちていた季節は、四十の声を聞く頃にひと段落して。

憧れてやっと手に入れたスポーツスターは、ガレージで眠る期間が長くなった。







いま、古いセローを駆って野山を走り回り、まだ見ぬ景色を追い求めている原点は

・・・もしかしたら、あの「幻の夏休み」に、あるのかもしれない。


他の泣ける話を読む

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紺之介さんのブログ「あおぞら一番地♪」より転載させていただきました。
https://minkara.carview.co.jp/userid/141868/blog/30798388/

紺之介さん、ありがとうございます♪

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今日の一台



1973年 アルピーヌ A110

小排気量ながらラリーフィールドを席巻したエンスー垂涎モノの名車(*'-'*)



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Posted at 2013/08/09 20:06:43 | コメント(1) | トラックバック(0) | クルマ
2013年08月08日 イイね!

シワシワの笑顔




シワシワの笑顔



357 :ト書きmkⅡまだまだ :03/02/11 03:46 ID:UvcqY/y4
去年の7月後半に約10日間かけて走った北海道でのお話。
あいにく去年の北海道は7月後半から8月全般にかけて雨が多く、
オイラが上陸していた時期も何時も雨だった。

オイラの相棒はフロントスプリンガーのリア・リジッドと言う
偉いスパルタンな旧車ハーレー。
その旧車っぽい雰囲気を最大限醸し出すために、フロントは
ブッとい16インチのクラシカルなタイヤをフェンダー無しで履いている。



しかし、これがこの雨の多かった北の大地で地獄を見る要素となろうとは・・。

*まぁ、要は、全身ずぶ濡れ、下(路面からの巻上げ)からの泥雨顔面シャワー。
降りが小ぶりでも路面が濡れてりゃ一人土砂降り。
カッパなんて全く無意味。口の中がジャリジャリになりながらも、
独り平日の雨降りで寂しい十勝平野辺りのまっすぐ道をドコドコと走っていた。

時間も夜になろうかと言う時で、左右に鬱蒼と生い茂る森の中で対向車も
ほとんど見ることが出来ない。
孤独という都会じゃ感じ得ない恐怖と戦いでもあった。

その時、「あっ!・・・。ガソリンが・・」

そう、北海道の田舎部は夕方でGSが閉まってしまうことあれほど意識して
注意もしていたのに釧路までの道を急ごうとあわてていたのか忘れてしまっていた。
タンクの容量はたったの3ガロンしか入らない小ぶりのタンク。
それにもう2リットルと入っていない。
燃費は約15キロぐらいなのに目的地の釧路は遥か先。
それどころか地図を見ても街らしい街は、40キロ以上離れている。
健康ランドめぐりの道程だったためキャンプ道具なんて持っていないし、
第一、全く生命反応が感じられないこの十勝の森の中で一晩明かすのは・・・・・恐怖!

途方にくれながら走っているとおいらの相棒の調子がおかしい・・・。
それはキャブがSUのためにむき出しなので雨を吸ってエンジンの燃焼がおかしくなってきたのだ。
ガムテープで補強するも焼け石に水。もう虫の息でショベルヘッドが回っている。

「今日はこんな場所の木の陰で虫に刺されながら、動物に怯えながら夜を迎えるのかな・・・」
とすっかり落ち込みながら走っていると、とうとうエンジンがバスンッと・・・。

止まってしまった・・・。

何も考えられないオイラ。
グレーのなんの遮りの無い気持ち悪いぐらい広い空を見てボーとしていると、
そこへ、何十分かぶりの対向車。それは使い古された軽トラだった。
当然声をかけようと思ったものの都合が良すぎるのが嫌で勇気が出ず、通り過ぎるのを
見送って居るとちょっと先で止まるじゃありませんか!

軽トラの窓から出る顔。黒く日に焼けて皺だらけの小柄なおじさんのそれだった。
首にはタオルを巻き、頭には酪農家が被るような帽子。
ジッとこっちを見ている。ちなみにオイラ、けっしてハーレー乗りにありがちな
ワンパターンなスタイルの者ではないけど、普通に渋谷を歩いているような兄ちゃんな
ルックス。おじさんにとってあまり話しかけ易い相手ではないだろうに・・・。

おじさん「・・・・・どうしたん?」
オイラ「バイクがこの雨で・・・。それより、ガソリンが切れそうで
この先もう進めないかなって思って・・」

おじさん、軽トラから降りてきた。ほんとに小さくやせていた。
俺のバイクを見るや否や、「・・・・古いなぁ・・・。頑張ってるね」
苦笑いのオイラ。おじさん、目を合わせないで話して来る。

おじさん「・・・・・どこまで?」
オイラ「釧路まで・・」
おじさん「!?どれくらい有るか知ってるか?」
オイラ「えぇ、まぁ地図見て大体は・・・」
おじさん「ガソリンどれくらいあれば足りるん?」
オイラ「次の街のGSまで行ければいいんで5リットルぐらいあれば・・」
おじさん「行ってもこの時間やってねぇよ・・」
オイラ「・・・えぇ、そうみたいですね・・・」

おじさん、1分ぐらい沈黙した後、

「ガソリンやんべ。家、ココから5キロぐらい先だけど、付いて来れるか?」

うれしかった。
キックペダルを思いっきり蹴った。
ショベルヘッドが重いフライホイールをまわし始めた。

おじさんが始めて笑った顔を見せた。さらに皺だらけになっていた。
必死に軽トラの後を付いて行くともう、夜の暗闇。真っ暗な道を
オンボロの軽トラのテールランプだけを見ていた。

すると5分もすると到着。

そこは、酪農家の佇まいの家。

でも、ほんと、ボロかった・・。
牛舎には牛は居なく荒れ果てていて、おじさんが入っていった
母屋はこれで厳寒の北海道を越せるのか思えるぐらいの貧しく小さいものだった。

そして、他の家族の息吹は全く感じない。
どうやらおじさん一人で生活をしている様でもあった。

おじさん、家の中に入って暫くでてこない。
この家にガソリン有るのかと思案していると破ったカレンダーの裏の紙に
とある電話番号とやたらと簡略化された手書きの地図を記したものを持って出てきた。
ひらがなだらけの字である。

おじさん「この地図の通り行け。ココにGSがある。当然今の時間は締まっているけど
今から電話して開けてもらうから。ここにはガソリンいっぱい無いから、そこで給油した方がいいさな。」

そして、おじさんは俺に「手を出せ」とジェスチャーした。

手を出すとその上にひな祭りの時に食べるような甘い豆のお菓子の袋を乗せてくれた。
ビニール袋は開いていて明らかに食べかけのものだった。

おじさん「喰え」

うれしかった・・・。
正直、普段とても食べるようなお菓子じゃないししかも湿気たような喰い掛けのもの・・。

この重みを手に感じたときに急に目が潤んできた。恥ずかしいから必死で笑顔を作り続けた。
何とか涙が落ちることは無かったがおじさんも気付いたと思う。

何度も頭を下げて、ありがとうを言っておじさんの家の庭を出た。真っ暗な何もないところで
おじさんの笑顔だけがはっきりと見えた。
あの素朴なおじさんが一生懸命俺に手を振っている。

多分、少しはおじさんも寂しかったのもあったのだろうか。
たった30分ぐらいの交流だったけどお互いの心が通い合った気がした。
俺も後ろを振り返って手を振りながら走った。おじさんの姿が見えなくなるまで・・。

暫くすると前が全く見えない。
暗いからではなくて涙があふれ出て止まらなかった。
助けてもらった感謝の気持ちと、そしてあの貧しいながらも必死に素朴にあんなに
寂しいところで独り暮らしている人がこんなに優しくしてくれた・・・。

そう思うと涙を流さずにいられなかった・・。

このおじさんの紹介してくれたGSに着いて給油した。
俺のはハイオク指定車だけどこのGSにはレギュラーしかない。
それでもうれしくて当然何一つ文句の無い給油だった。

この後、釧路に向う。雨はさらに本降りとなり約100キロの道のりを
ずぶ濡れになりながら必死の思いで、前の車に付いていった。
途中、レギュラーガソリンのせいか、ノッキングがひどく
怖い思いまでしたけどこのときばかりは人の優しさが詰まったガソリンで
走らない俺の大事な相棒を叱咤した。

こんな人との暖かさに触れて北海道の旅を無事に終えることが出来た。

またいつか行く機会があったらあのおじさんの家に寄ってみようかな・・。
あの皺皺の笑顔が忘れられなくてね・・・・・・。


他の泣ける話を読む


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今日の一台



ロータス51B、このままサーキット走行ができます

ロータスといえばこの動画がシビれるほどカッコいいです(*'-'*)




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Posted at 2013/08/08 19:46:33 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ

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