
どのくらい我慢したのか解らないが間隔は5分は切ってるようだ。さっきから限界のような気がする。もう無理だ。もう無理だ。
「ナースコール押すね」と言って呼び出した。
「どうしましたー?」(いやどうしましたじゃねぇよ)
「ま゛だですか?」(お願いだ、もう無理だ)
プツっと切れ、すぐ助産婦さんがやってくる。相方は再び外へ。子宮口の開きを調べ
「んー、まだ3~4cmだなー、まだだなー」(がーん、く・・・苦しい・・・)
「・・・・・・」
陣痛に耐える俺。もう絶対無理だ。無理だってばぁぁぁぁぁ・・・
「いきみたい?」「いきみたいです(ウソ)」即答した。(イッテええええええ・・・)
「んーじゃあ分娩室準備するから。お産セットは?」しかしぶっきらぼうに喋る助産婦さんだ。早口だし。
さっき頂いたお産用の袋の中身を部屋の戸棚とかにしまって、相方が毛布を取りに行く時に使っていたので、その袋に毛布が入っている。「あ、中身しまっちゃいました」と言って陣痛が治まったときに戸棚からだそうとした。
それを見た助産婦さんはイライラしたように、「んもう!」とか言いながら毛布を出し、パッパパッパとお産用の物を持って部屋から出て行った。
相方が入ってくると、「何かプリプリして出て行ったよ。いつも『どうぞ~』とか言われるのに」と報告をうける。
「ほら、お産セットをバラバラにしてたうえに、その袋に毛布が入ってたでしょ・・・・・・チョットマデ・・・
(いってえええええええ・・・)
・・・・・・あ゛~治まった。それでイライラしてたっけよ。若いからじゃない?前の時は年配の経験豊富な落ち着いた感じの人だったけど、今度のはほら、経験が少なくて青いんだよきっと。いろんな人がいるんだよ。」
などとベラベラ喋ったり陣痛に耐えたりしてるとナースコールが鳴り
「○○さん、準備が出来たので分娩室に来て下さい」と呼ばれた。
(ぐほっ歩いて行くのかーそうかー)と思いながら陣痛が治まったときを見計らって
「よし、今だ!」
と相方に支えられつつ、分娩室までダッシュ!(早歩き?)
助産婦さん2人にバトンタッチし、相方は一旦外へ。
分娩台に摑まり、一旦陣痛に耐える。
「服を着替えてくださいね」と言われ、無理だと思いながら投げ捨てるように服を脱ぎ、分娩台へ登る。また陣痛が来た。分娩台で横になって耐えていると
「はい正面向いてー苦しいけど上向いて!」と促される。
俺は(治まったら向ぐでば!)と心の中で突っ込み、治まった時に正面を向いて寝転んだ。ぜー、ぜー。
すぐさま分娩監視装置をつけられ、子宮口の開きも調べた。
点滴もつけるのだが、血管が見えづらいみたいで、「あれ?あれ?」などと言いながら悪戦苦闘している。左腕を止めて、右腕につけようとするも「みえない」と助産婦2人がかりで探していた。
相方もあの手術をする時の格好みたいな服で分娩室に入ってきた。
それを見て俺はちょっとニヤけた。
「いきみたい?ちょっといきんでみる?」と言われたので(お!いいのかー)と陣痛と共にいきんでみる。(はっ!これだ!いきみたいの意味がやっと解った!)腹に力が入って腰が浮いた。「あー腰浮かさないで!おへそを見るような感じで~」(なるほど)次の陣痛で言うとおりにいきんだ。。
「あぁぁぁもう頭が見えてる!ちょっと待って!大きく深呼吸して我慢してね、いきまないでね!」
「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」
慌てて助産婦さんの1人が電話で先生を呼びだしている。
陣痛が1~2分なのでもう凄くいきみたくなるが
「はい、息を大きく吸って~吐いて~」と言われ、そのとおりにすると陣痛が和らぎ、いきみもなんとか抑えられる
・・・
(陣痛がきたら深呼吸すれば良かったのか・・・)
先生が「早かったね~」などと言いながらすぐやってきた。
俺は(1回でだしてやる!!!)
と一刻も早く痛いのを終わらせたかったのでメラメラと気合を溜めた。
せーのっ
助産婦「はいいきんで!頑張れ!!」
相方「頑張れ!!」
助産婦「あーでてきた!サスガ経産婦!!」
先生「よしもう一回!」
俺(もう一回?よしきた!)
相方
「頑張れー!!!!」
助産婦「あー♪はやーい!でたでた」
先生&助産婦「はいストップスト・・・
相方「頑張れー!!!!!」
俺いきむ。
先生&助産婦
「ストップストップ!いきまないで!!」
俺(へ?)
先生「産まれましたよ。女の子だ。」
と言って見せてくれた。
よっしゃー!終わった~~~~(嬉涙)
さて今回のワラシは?
何だこれ・・・
超かわいい(はぁと
擬音にすると・・・
ペコペー(謎)
そんなこんなで一発二発くらいで出すことができた(気分)
すぐに助産婦さんは身長体重などをはかり、足紋をとったり写真を撮ったりしていた。
先生「2988gです」
俺「あ、はい(細けぇなー3000でいいべっちゃー)」
先生は腹を押して胎盤を出し、そして裂けまくったところを縫う時
「おしっこするとき痛いかもな~これ」
と脅された。助産婦さんも
「ひや~痛そう~見てコレ」
と、さも自分が痛いかのように言いながらもう1人の助産婦さんを呼んで見せる。
(俺はみせものかいー)と思いつつ「ええー(苦笑)」と言ってみた。
あとは二時間位そのまま分娩台にいなければならない。
相方に俺は「泣いたか?」と聞いてみたら「いや、目頭が熱くなった」と答えた。
更に、「産み終わった時のあなたの何ともいえない表情に感動した」と言った。ふーん。
更に、「先生も助産婦さんも待てと言っているのに、俺だけ頑張れ!と言っていたのが失敗した」とも語った。ワロス
因みに排尿の際は全然痛くなかった(ホッ
これから3時間置きの授乳生活が始まる。
【追加】
入院は4泊5日の予定だったが、経過が順調なのと、あまりにも
暇だったため、一日早く退院した。