
ちょっと前の話ではあるが、7月13日(木)の午後、半休を取って、東京・お台場のZepp Divercityで開催された「坂崎幸之助のももいろフォーク村ちょいデラックス第73夜」に参戦してきた。
フォーク村自体は、「坂崎幸之助のお台場フォーク村」として開催されていたライブが前身で、約3年前からCS放送に場を移し、ももクロのメンバーがレギュラーとして出演する月1回の生番組に形を変えて、今に至っている。毎月、ネット配信で見ているだけだったが、今回初めて、夏、冬と年に2回あるライブに参戦できることになった。名古屋に勤めていた頃は、平日の夜に東京で行われるライブに行くのはハードルが高かったが、このたび関東民となったので、せっかくの機会を逃す手はないと思った次第。
LinkLinkSmile!の仲間が融通してくれたチケットは、1階のスタンディング席で、何と、整理番号が若い方から10%以内だった。おかげで、前から7~8列目の下手側という絶好の位置につけることができた。おまけに、どうしたことか、前方には私より背の高い人があまりいなかった。こんな幸運はめったにない。
18時の開場から1時間待ち、19時の開演で幕が上がると、MCを務めるTHE ALFEEの坂崎幸之助さんが、約5m先にあるステージ上で私のほぼ真正面の位置に陣取り(スタジオでも同じ並びで、私も坂崎さん目当てで下手側に行ったので当たり前ではあるが)、ももクロとバンドのメンバーが次々に現れ、普段PCの画面越しに見ているフォーク村が自分の目で始まるのを目の当たりにすると、これは本当に現実だろうか、という気分になった。
そうして始まったフォーク村、控え目に言っても、神ライブと呼ぶにふさわしい内容だった。ライブハウスの本当に小さなステージで、坂崎さんと腕利き揃いのミュージシャンによる演奏、ももクロのメンバーとゲストの歌、これを4時間近く堪能できたのだから。ちなみに今回のゲストは、和田アキ子、miwa、にゃんごすたー、桐嶋ノドカ、森口博子(敬称略)といった面々だった。
最初のゲストは和田アキ子さんで、フォーク村は昨年に続いて2回目だったが、今回ももクロの5人と一緒に歌ったのが、こともあろうに「ゴリラパンチ」だった。この歌、歌詞が「ゴリラのパンチはすーごーいー」で始まり、途中には、「ウッホウッホ」と歌いながらゴリラが胸を叩くような振り付けがあるのだ。果たして、アッコさんのパンチの効いた歌い方はこの曲にピタリとはまり、客席も異様に盛り上がっていた。ももクロのライブでは当たり前のコールアンドレスポンスもアッコさんには新鮮だったのか、めっちゃ楽しそうに見えた。
ただ、残念なことに、アッコさんが捌けた時くらいから後の記憶が飛んでしまっている。緑担当の有安さんのドラムが結構迫力があったとか、ゲストミュージシャンのにゃんごすたーが、有安さんが即興で叩いたフレーズを直後にそっくりそのまま繰り返す掛け合いが面白かったとか、断片的には覚えているが、どうも、あまりにも幸せすぎて、自分のキャパシティを超えてしまったらしい。
そんな中で記憶がはっきり残っているのは、アンコールの何曲目かで、前日に23歳の誕生日を迎えた百田さんと、やはり7月が誕生月でコーラス担当の加藤いづみさんへのプレゼントとして、坂崎さんがももクロのバラード曲「キミノアト」をギターの弾き語りで披露した場面だった。坂崎さんのギターから繰り出される音は、本来のバンド用に編曲されたサウンドとは当然ながら全く別なものだったが、曲にピタリとはまっていて、こんな表現もありだったのかと驚いた。本当に、一瞬たりとも聴き逃すまいという思いだった。ステージ上では、坂崎さんのすぐ隣(ということは私のほぼ正面)で、椅子に掛けた百田さんが、終始穏やかな微笑みを浮かべて聴き入っていた。ちょっと前にX JAPANの「紅」を熱唱していた時とはまるで別人のようで、とっても印象的だった。
「キミノアト」に続くアンコールのラストは、出演者全員と観客全員で、北山修・加藤和彦両氏の「あの素晴しい愛をもう一度」を歌うことだった。しかも伴奏は坂崎さんのギター1本、出演者の歌もマイク無しの地声である。
「あの素晴しい愛を…」は、ももクロは4年前のライブで南こうせつさんと一緒に歌っているし、昨年のフォーク村のライブでもラストはこの曲だったようだ。私にとっても、10代後半の頃から好きな曲である。それを同じ空間で一緒に歌えるなんて、本当に夢のような時間だった。私の周りの観客は若い人が多かったせいか、歌っている人が少なかったこともあり、声が濁らないように気を付けながら、思い切り歌った。おまけに、目の前5mの場所にいる百田さんのマイクを通さない地声がはっきりと聴こえてくるし、一生忘れられないような思い出になった。
ところで、私がももクロのライブに初めて行ったのは約3年半前のことだが、パフォーマンスはもとより、会場全体の一体感や高揚感にやられてしまい、以来、それらを味わいたくて、主なライブには極力行くようにしている。ただ、今回思ったのが、「あの素晴しい愛を…」のような、一生残るような記憶の断片も無意識に求めているのかも、という点である。というのも、生歌や生演奏には、人の記憶に強く残るような、何か特別な力があるような気がしてならないからである。たとえば、30数年前の高校の卒業式で、卒業生退場の場面で音楽部(珍しくもブラバンではなくてオーケストラ)が演奏してくれたエルガーの「威風堂々第1番」、どんな音で鳴っていたのか、今でもはっきり思い出せる。この曲を聴いたのはこの時が初めてだったのにである。
いずれにしても、今回のフォーク村、2年前に聴いた「チャイコフスキー三大交響曲 一挙演奏」に匹敵するくらいの感動体験だった。
一生のうちであと何回こんな思いを味わえるのか分からないが、今後も「モノより思い出」を合言葉に、楽しいことを探していきたいものだ。などと考えながらチケット予約サイトのイープラスを見ていたら、8月末にT-SQUAREのコンサートツアーが茨城でもあるのを見つけた。ぜひ日程を遣り繰りして行ってみたい。最後にライブに行ったのは20何年も前であるが、そこからどのように進化したのか、楽しみで仕方がない。
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MCZ | 日記
Posted at
2017/07/24 00:58:45