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明石暇夫のブログ一覧

2021年10月18日 イイね!

ワルキューレとマグナ

2つ前の週末、ワルキューレをガレージに収めるために明石に乗って帰った。途中、圏央道で事故渋滞、東名で大雨、新名阪では工事渋滞と、大型バイクには厳しい状況が続いたが、無事に約700kmの道のりを走って明石に着いた。




ワルキューレでこんな長距離を移動するのは初めてだったが、快適そのものだった。純正の大型スクリーンは防風効果がきわめて高く、120km/hでも巻き込みは無いし、ライディングポジションは典型的な殿様乗りでかなり大ぶりであるが、私の体格でも違和感がなかった。そんなこんなで、渋滞でさえなければ、長距離でも全く疲れ知らずで楽ちんなバイクである。でありながら、振動は全く無しでフラットシックスから6into6排気システムの豪快な排気音をずっと聞き続けられるという、ちょっと他のバイクでは味わえないであろう痛快な体験でもあった。そういえば、乗り心地も重厚で2輪ばなれしているし、もちろん直進性も文句の付けようがない。まるで、短く切った極太の丸太に跨がって地上スレスレを滑空しているかのような不思議な感覚があり、これはちょっとクセになりそうだ。

明石の家には次男のバイクがあるので、2台並べて写真を撮ってみた。

こうやって前後に配置すると、手前に置いた次男のバイクも私のワルキューレに劣らない存在感があるが、



こうやって前後向かい合わせてみると、こんなに違う。



それもそのはず、次男のは原付一種(50cm3以下)に分類されるマグナフィフティで、諸元を比べてみるとこれだけの差がある。



エンジン排気量はなんと31倍、車重は約3.5倍の差があるのだ。ちなみに新車当時の価格差は4.85倍である。

どちらもホンダのアメリカンカスタムで、しかもマグナフィフティが1995年、ワルキューレが翌1996年の発表だから、同じ年代でもある。しかも、マグナは前オーナーの時にアイボリーとグリーンのツートンカラーに塗装されているので、ワルキューレとはまるで親子のような似通った雰囲気がある。

これは別に狙ったわけではなくて偶然であるが、この2台が同じガレージにあること自体が、親子そろって病膏肓に入るというか、ヤバい状態かもしれない。。

それでもこうして2台並べてみると、どちらも作り込みのレベルがきわめて高く、今見てもさすがと思わせるものがある。特にマグナフィフティの方は、原付という枠を完全に突き抜けた感がある。原付のスポーツタイプ自体が絶滅してしまい、今後こんなバイクは二度と出てこないことを考えると、本当に貴重な1台といえる。

ただ、そのマグナフィフティも最近乗る機会が減っており、もうすぐ手放すという。それも無理からぬことで、実用性はやはり低くて普段使いにはあまり向いてない。おまけに、エンジンがスーパーカブと同じくらいのチューンであるのに、カブより重いので、かなりトロいのだ。それでも4年近く大切に乗っていたのだから、まあ潮時かもしれない。私が引き継ぐことも一瞬考えたが、本当に欲しい人に乗ってもらった方がバイクのためにも良いかと思い直した。ともあれ、この2台を同じフレームに収めることが出来たのは幸運なことだった。今までホンダのバイクにはあまり縁が無かったが、この2台を世に送り出した中の人の熱意と技術力には感謝の気持ちしかない。
Posted at 2021/10/18 23:03:13 | コメント(3) | トラックバック(0) | ワルキューレ | 日記
2021年09月07日 イイね!

コインテスト

アメリカのワルキューレ乗りが「Nickel Trick」と呼んでいる遊びを私もやってみた。ニッケルとは5セント硬貨のことで、これをエンジンの上に立てた状態で始動する、いわゆるコインテストである。たしか初代セルシオがデビューした時に似たようなのを見た記憶がある。



ではワルキューレではどうなったかというと、動画でお分かりのとおり、エンジンを始動して3000rpmくらいまで回転を上げても、立った状態を危なげなく保っていた。そうなるのはYouTubeの動画で分かっていたが、実際に目の当たりにするとやはり驚きである。

ただ、「Trick」とはいっても、タネも仕掛けも当然ながら無い。ひとえに、フラットシックスエンジンの特徴である、1次振動、2次振動、偶力ともゼロというバランスの良さの賜物である。これほどスムーズに回るエンジンと、それとはある意味アンバランスな、6 into 6排気システムによる迫力ある排気音が、このバイクのパワートレインで最も魅力的な部分だと思う。あとは、6連キャブレターによるクイックレスポンスも見逃せない。その一方で、1520cm3という排気量から想像するビックリするようなトルクやパワーは無い。というか、このバイクでこれ以上のハイパワーを追求すると普通の人には扱えない代物になるはずだし、現状の低めのチューンがちょうどいい塩梅になっているといえる。

しかし、6連キャブレターと6 into 6マフラー(しかも、外見は6into2)だなんて、よくこんなバカなもの(ほめ言葉)を設計して製品化してしまったものだと思う。どちらも一筋縄では行かなかったと推察するが、当時のホンダの人の熱意と技術力には脱帽である。排ガス対策でインジェクションと触媒が必須となる現代のバイクでは望むべくもないのだから、その意味でもワルキューレは大切にしなきゃ、と思うのだった。

ところで、ここは日本なのに何故わざわざ5セント硬貨を使ったのか?と思う向きもあるかもしれない。これは別に西洋かぶれではなく、単に、私の集中力不足で日本の硬貨を立てることが出来なかったためである。下記のとおり、5セントと比べて直径の割りに薄いのだ。

5セント硬貨:直径21.21 mm 厚さ1.95 mm 質量5.0g
1円硬貨:  直径20.0mm  厚さ約1.5mm 質量1g
5円硬貨:  直径22.0mm  厚さ約1.5mm 質量3.75g
10円硬貨: 直径22.0mm  厚さ約1.5mm 質量4.5g
50円硬貨: 直径21.0mm  厚さ約1.7mm 質量4g
100円硬貨: 直径22.6mm  厚さ約1.7mm 質量4.8g
500円硬貨: 直径26.5mm  厚さ約1.8mm 質量7g

薄くて立てにくいということは、当然ながら振動に対しても倒れやすいということである。でももしかしたら…という気もするので、またチャレンジしてみたい。
Posted at 2021/09/07 08:01:38 | コメント(2) | トラックバック(0) | ワルキューレ
2021年08月29日 イイね!

フラットシックスを増車しました(ただし、ポルシェとは言っていない)

昨日は無題と題するブログをアップしましたが、お分かりのとおり、これはフラットシックスエンジン車を増車した件に関連しています。手短に言うと、現車確認の時に短時間試乗させていただいた時の自分の心境を、起承転結の形で表現したものなんです。

(試乗に臨む前の心の声)



(実際に走り出す前の心境)


(走り出した後、広い道で少しアクセルを開けた時の感想)


(車両を引き取り、高速道路を通って帰る時に思い浮かんだフレーズ)


ここまで書けば、いったいどんな種類の乗り物であるかはお分かりですね。
答えは、
























1998年 ホンダワルキューレ(国内仕様、初期型)です。



ホンダのウェブサイトによると、ワルキューレは、当時の新世代のアメリカンカスタムの基本指針である「SPIRIT OF THE PHOENIX」のフラッグシップモデルとして、ホンダの歴史が造りあげた全てのアメリカン・カスタムモデルの頂点に位置するモデルとして位置づけられていたという。また、開発は本田技術研究所朝霞研究所とホンダR&Dノースアメリカ(HRA)との共同プロジェクトとして行われたとのこと。

指針であるキング・オブ・アメリカンカスタムを具現化するに際しては、「SPIRIT OF THE PHOENIX」の基本的な車体構成を踏襲し、さらに、
 
1. ホンダの歴史が造り上げた究極のビッグマシンであること
2. 比較することの無意味さを漂わす風格と高級感を備えていること
3. 重厚で優雅なスタイルと、圧倒的迫力の融合を果たしていること
4. 伝統、素材、クラフトマンシップ、信頼感、普遍性に裏付けられた本物であること
 
の4点を求めたという。そして、これらを実現するパワーユニットはフラットシックス以外に存在しないと判断したとのこと。

ワルキューレはGL1500の外装をはぎ取ったネイキッド版と思う人もいるかもしれないが、フレームは新設計だし、足回りもフロントフォークに倒立タイプを採用するなど、全然別モノと言える。

スタイリングデザインの方向としては、1940~50年頃のクラシックカーがもつ重厚で華麗なスタイルをモチーフに、レトロ調の風格と優雅さ、そしてホットロッドカスタムとしての圧倒的な迫力を融合させたトラディショナルフォルムを表現したという。

また、エンジンの基本的な部分である、水冷フラットシックス、1520cm3の排気量などはGL1500と共通であるが、ホットロッドカスタムとしての走り味を演出するために各部が変更されている。具体的には、吸気系は2連キャブレターに替えて6連キャブレターが採用されているし、高回転型にするためにバルブタイミングも変わっている。さらに、バルブスプリングとロッカーアームが新設計となり、ピストンも軽量化され、フライホイールマスの削減、さらに、タペット調整にシンプルなマニュアル調整機構を採用し、軽量化とパワーのダイレクト感を追求したとのこと。ここまでやればエンジンも別モノと言えるのではなかろうか。

そして、いちばんの特徴は6 into 6と称される排気系である。写真だとマフラーは片側バンクの3気筒分を1本に集合しているように見えるが、実は一切連結されておらず、独立したまま後端まで伸びている。個人的には、この排気システムがワルキューレのいちばんのキモであると思っているほどである。




実際、街中で普通に発進する時に、アメリカ車のV8エンジンのような重低音がするのだ。試乗させてもらった時、この脳天を直撃するような排気音にすっかりヤラれてしまい、「これしかない」と思って即決したようなものである。もちろん音色はスロットル開度と回転数によって刻々と変わり、レッドゾーン手前(といっても6500rpm)まで回しきると、ポルシェ911乗りなら誰もが共通にイメージするフラットシックスのクリアーな快音が響く。これは本当にタマリマセン。

昨日前オーナーから引き取った後はとりあえず小山に乗って帰り、今日下道でひと回りした程度であるが、思っていたよりはずっと乗りやすく、さすがはホンダ車であると感心した。車重はカタログ上で333kg、これにワルキューレツアラー用のスクリーンとクラウザーのパニアケースが付いているので10kgくらい重くなっているにもかかわらずである。

私が入手したのは初期型のためリバースギアが付いていないが、平地であれば取り回しは問題ないことも分かった。また、シート高が735mmと低いため両足とも踵まで着くのと、水平対向エンジンによる低重心のため、立ちゴケの心配もトライアンフタイガーより少ない。走ってみても、ハンドリングは想像したより軽快だし、ホンダ車ということで心配していたコーナーでの切れ込みも気にならないレベルだった。さすがにブレーキは今どきのモデルより効きが弱いが、それとバンク角の浅ささえ気をつければ、峠道もストレスなく走れそうだ。

ひとつ気になったのは、私が普通のポジションを取ると、スクリーンの上端がちょうど目の高さに来てしまうことである。貴重な純正品のスクリーンの丈を詰めるのも失敗が怖いし、当面はポジションを少し変える(背筋を伸ばすか、逆にふんぞり返って目線を下げる)ことで対応しようかと思う。

もうひとつ問題は、引き取った直後に満タンにした後、200km走っただけで20Lタンクがリザーブになってしまったことである。最初道に迷って10kmに1時間かかる混んだ街中を走ったのもあるが、それにしても、高速と下道半々で13.4km/Lというのはなかなかである。ただ、前オーナーによると、高速だと18km/Lくらいは伸びるとのことであるし、フラットシックスの快音を味わう代償としては許容範囲か。

最後に、なぜワルキューレを購入に及んだかについて。しばらく前にバイク歴が40年を超えた頃から、人生最後のバイクは何にすべきかを考えるようになった。端的にいうと、その結論は6気筒車というものになった。この場合、もっとも常識的な答えはBMWのK1600GTとなるだろう。しかし、930で味わってきたフラットシックスのフィーリングをバイクでも、という思いが断ち切れず、ホンダを選ぶことにした。ただ、ホンダのフラットシックスと言っても、ワルキューレ(SC34)以外にGL1500(SC22)、GL1800(SC47、SC68)、ワルキューレルーン(SC53)、F6B/F6C(SC68)、そして最新型のゴールドウィング(SC79)と多数の選択肢がある。この中で、GL1500と1800はやはり大きくて重すぎ、私のイメージするオートバイらしさから離れているため、見送った。ワルキューレルーンは芸術的すぎて乗るのが勿体ないし、値段もお高い。また、F6B/F6C、そして最新のゴールドウィングは、技術的にはより洗練されているのは分かるが、やはり古典的なフィーリングと音を味わいたくて、ワルキューレに狙いを定めた。ただ、本当はもう少し後で買おうと思っていたのが、ここ1年くらいで急速にタマ数が減りつつあり、価格も上昇傾向にあるので、前倒しした次第である。

ところで、Tシャツの画像の4枚目、「I'm a highway star」はもちろん、ディープパープルの名曲「ハイウェイスター」の一節で、走っている時に脳内でこの曲が勝手に再生されたという話である。乗る前はワーグナーの「ワルキューレの騎行」が似合うかなと思っていたが、実際にはハイウェイスターがピッタリだった。「six cylinders all mine(6気筒全部俺のモノ)というフレーズも、ワルキューレに見事にハマっているじゃないですか。

と思っていたら、YouTubeにあるこの曲の動画では、「eight cylinders all mine(8気筒全部俺のモノ)」と歌っているのに気付いた。私がディープパープルの音楽に初めて接したのは1980年代の中頃で、その後購入に及んだアルバム「Nobody's Perfect」でも、イアン・ギランはsix cylinders all mineと歌っているし、歌詞カードにもそう書いてある。ということは2つのバージョンが存在するということか。とっても気になるので、どなたか識者でご存じの方がいらっしゃれば、ぜひともご教示のほどお願い申し上げます。

ともあれ、これでワルキューレは私のものになった。これをアラカン窓際オヤジの乱行と冷ややかな目で見る向きもあるかと思いますが、安全運転に努めますので、関係者の皆様におかれましては、なにとぞ生暖かい目で見守っていただけますよう、伏してお願い申し上げます。
Posted at 2021/08/29 19:23:38 | コメント(3) | トラックバック(0) | ワルキューレ | 日記

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「最近手に入れた遊び道具、外装はイマイチだが機関は好調だし、電装を6Vから12Vに変更する改造が無事に済んだのでご機嫌😄」
何シテル?   01/27 17:38
兵庫県明石市住みの暇人=明石暇夫です。理屈っぽいヤツだと思われがちですが、実際はそれほどのことはないと思ってます。(*^^*) Hello, my ni...

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