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明石暇夫のブログ一覧

2015年11月09日 イイね!

東京モーターショー2015 (4)

「東京モーターショー2015」についての記事

※この記事は東京モーターショー2015 について書いています。

引き続き東京モーターショーの見学記を思いついた順番に書いていきます。次はホンダということで。

ホンダのブースで目を引いたのが、2台のカブのコンセプトモデルだった。



1台はスーパーカブコンセプト、もう1台はEV-Cubコンセプトである。最初のエンジン車の方は、各部の仕上げは今風になっているものの、どこから見てもまごうかたなきカブであると思った。メカニズム面では、フロントサスこそボトムリンクからテレスコピックになっているものの、それ以外の主要な特徴である、フレームの構造、レッグシールド、自動遠心クラッチ+マニュアルトランスミッション、水平近くまで前傾させた4ストロークエンジン、17インチタイヤなど、60年近く前に出た最初のカブからすべてそのまま引き継がれている。これは本当に驚異的だと思う。おそらく、ギターの形があの形から変えられないのと同じようなレベルで、最初からこの完成度に達していたということなんだろう。カブの設計は本田宗一郎氏の考えが形になったものと理解しているが、それが正しければ、本当の天才だったんだろう。

これに対して、EVカブの方は、ちょっとどうかな?と思った。説明員の人によると、車体左側面の中央部に見切り線がある部分が、外して持ち運べるバッテリーで、航続距離20~30kmを目標で開発を進めているとのこと。でも、その程度の用途なら、原付スクーターをベースにした方が、使い勝手の点でより魅力的だと思う。というのは、カブの魅力は、17インチタイヤによる高い安定性、パワートレーンの頑丈さ、高い燃費効率などにあると思うので、EVにして、しかも低速、短距離に特化すると、そういった利点が薄れ、ヘルメットさえも収納できないとかの欠点の方が目立ってしまうと思うからである。まあ、おしゃれなアイテムとして売り出すのであれば別かもしれないが。いずれにしても、少なくとも日本では、電動スクーターの需要は電動アシスト自転車に完全に食われていることを考えると、EVカブはそう簡単にはいかないと思う。

次に目を引いたのが、二輪のエンジンを使って作った四輪、「Honda Project 2&4 powered by RC213V」だった。



販売とかモーターショーのためでなく、面白いからやってみようという趣旨で実施した、海外の拠点を含めての社内コンペで選ばれた案を形にしたものだという。外からよく見えるサスペンションなどを中心に、細部の作り込みはすばらしく、このまま売り出せるくらいじゃないか、と思った。

ただ、この車、どこかで見たような感じが拭えなかった。考えてみれば、二輪のエンジンを載せた四輪は決して目新しいものではなく、ゴードン・マーレイのロケットが少数ながら売り出されたのは20年以上前だし、最近では、10年ちょっと前にスズキの関連会社が試作した隼プロトタイプは、かなり市販に近いところまで行っていたはずである。



また、イギリスのラディカルSR4は、隼のエンジンを積んだのが市販されている。なので、天下のホンダが、今さらこのレベルのものをただ作ってみたというのは芸が無さすぎると思う。

また、二輪のエンジンを使う以上、エアコンはまず付かないだろうから屋根も付けられず、実用性はスーパーセブン並みかそれ以下だろう。おまけにバックギアを付けるにもひと手間が必要だろう。サーキットに行っても出られるレースはないから、仮に売り出したとしても、結局は一握りの好事家が買うだけで、よってきわめて高価になってしまうだろう。せっかくホンダがやるなら、こういったところにこそ工夫をこらすべきではないか?

と思って、コンペに応募された他の案を見てみたが、何となく、どれも似たり寄ったりである。

と考えながら詳細に見ていくと、規定の中に「V4エンジン ミッドシップレイアウト」という項目があるのに気づいた。これはかなり大きな制約になるはずで、ここまで枠を決められてしまうと、自由度はかなり限られるのではないだろうか。



もし、使うエンジンやその位置に制約が無ければ、私だったら、ゴールドウィングの1.8Lフラットシックスエンジンを積んだ超小型スポーツカーを提案してみたい。これなら、バックギアはセルモーターを使用する仕組みが最初から付いているし、エアコンも何とかなるだろう。他にも、ホンダ以外のエンジンでもよければ、トライアンフロケットスリーの直列3気筒2.3Lエンジンなんかは、四輪でも強烈な乗り味になるだろうし、BMWの1.2Lフラットツインを使って、現代のシトロエン2CVやトヨタスポーツ800を作るのも面白そうだ。

というわけで、新型NSXや、立って乗る形のWANDER STAND CONCEPTなど、期待できるものももちろんあったが、ホンダは本当に大丈夫?と思わされる一面もあった。有名なコピペで、「面白い人が面白いことをする」から始まる「コミュニティの一生」というのがあるが、これと同じ落とし穴にはまらないことを願うばかりである。

と、ここまで書いてきて、上から目線の屁理屈と知ったかが多すぎるといういつものパターンに嵌ってしまったのに気づいた。ここからは、素直に凄いと思った車についても書いていくことにする。

その筆頭は、何と言ってもマツダのRX-VISIONだった。たぶん、フェラーリの横に並べても全然負ける気がしないと思ったくらい、その存在感は圧倒的で、見ていて本当にドキドキした。



そういえば、FD型のRX-7が出た当時、あの形はちょっとやりすぎかな?と思っていたが、24年後の今見てもさすがと思わせる存在感があるのは、当時それくらい徹底的にやったからこそ、と思うに至った。今回のRXーVISIONも、そのくらいの意気込みを感じる一台だった。ロータリーエンジンを今の時代に合うようにもう一度開発するのはかなりの難関とは思うが、是非とも市販化に向けて頑張ってほしい。

日産の「ニッサンコンセプト 2020 ビジョン グランツーリスモ」もすごかった。



ジェット戦闘機を連想させるようなこの形で、2+2とはいえ4人乗りというだけでも驚きだが、前輪を2つのモーターで駆動するというメカニズムもたいへん進歩的と思う。これも「やっちゃえ日産」と応援したい。

あと、自分が買って乗るところを想像しながら見ていたのは、今になって思い出すと、スズキエスクード、BMW218iグランツアラー、ミニクラブマン、シトロエンC4カクタスといった、いずれもBセグメント級のSUVやワゴンだった。この中ではBMW218iグランツアラーがいちばん好みだったが、その前に乗っておきたい1990年代、2000年代の車がいくつもあるので、実際に買うことがあっても、10年くらい先かもしれない。。

という訳で、久しぶりの東京モーターショーだったが、本当に楽しかった。ただ、土曜日に3時間、日曜日に8時間使っても、全然時間が足らなかった。やはり、2輪と4輪の両方、そして部品の展示を全部見るとすると、丸2日くらい必要だった。仕方がないので、2週間後にある名古屋モーターショーも見に行ってみることにしよう。。
Posted at 2015/11/09 23:44:56 | コメント(2) | トラックバック(0) | クルマ全般 | 日記
2015年11月07日 イイね!

東京モーターショー2015 (3)

「東京モーターショー2015」についての記事

※この記事は東京モーターショー2015 について書いています。

東京モーターショー2015の見学記、引き続き思い出した順番に書いていきます。次は日産車体から。

日産車体といえばフェアレディZを作っている会社、というイメージを持っていたが、それは昔の話のようで、今回のショーではNV200タクシーやNV350のトランポ仕様などを展示していた。



NV200タクシーの感想としては、まず、室内が広く、シートの掛け心地がかなり良くて快適、というのが最も印象に残った。聞けば、ソファーをイメージして開発したとのこと。クッションがかなり分厚いし、両端部を盛り上げているのもプラスになっていると思う。この2日前に、珍しいホンダフリードのタクシーに乗る機会があったが、シートクッションが薄くて硬く、室内も荷室も狭かったのに比べると、段違いだった。やはりタクシーにはこれくらいの大きさが必要だろう。



大きさというと、いつからあるのか思い出せないくらい古い設計のセドリックのタクシーより、NV200の方が全長は短いが、中身は3倍くらい良くなっていると思った。

ただ、このNV200タクシーを手放しで歓迎できるかというと、疑問符が付く。客室の床面がかなり高く、50cmくらいあるのだ。バンをベースに仕立てているから当たり前といえば当たり前ではあるが。もちろん、格納式のステップが付いているので乗り降り自体は問題ないが、お年寄りにはちょっとどうかな、と思った。これは、名古屋の市バスがほとんどノンステップバスになっていて、床面の高さが地上からで30cmしかないという恩恵に与っているので、それと比べたくなるというのもある。

NV200はニューヨーク市の次世代タクシーとして制式採用されたのは確かであるが、たぶん、基本的に元気なビジネスマンが乗るものということで、床の高さは問題にならなかったのではと想像する。実際、競合相手のひとつだったフォードトランジットコネクトは、ステップは付いておらず、床もそんなに高くないように見える。



この疑問に対しては、トヨタが2017年の導入を目指して開発しているという次世代タクシーが答えになっていると思う。今回のショーでは実車の展示が無かったが、公表されている写真から、2013年のショーで出展していたJPN TAXI Conceptと基本的に同じと見た。



そのJPN TAXI Conceptは、後席の床が真っ平らなのでFFのはずで、全幅1695mm、ホイールベース2750mmだから、おそらく新型シエンタと共通のシャシーを使っていると思われる。

写真で見ると、床の高さは30cmくらいのようで、しかも、サイドシルの部分に敷居のような段差が無い。これで全高1700mm、しかもリアドアの上が屋根に食い込むような形なので、スタスタと歩いて来た状態からシートに腰かけて、そのまま乗り込めるはずである。これなら文句の付けようがない。



この次世代タクシー、専用ボディーとLPGハイブリッドシステムまで開発するのだから、台数を考えるととても採算は合わないように思うが、それでもやってしまうところは流石と思う。たぶん、考え方や技術を、後でタクシーでない普通の車に展開するとか、JPN TAXIというかなり大上段に振りかぶった名前から、東京オリンピックの開催を見据えて、これが日本流というのを知らしめるという狙いもあるのかもしれない。

というわけで、次世代タクシーを開発するという同じ課題に対して、日産は現実を、トヨタは理想をそれぞれ出発点にしたという印象を受けたが、これはどっちがいいとか悪いとかではなく、考え方の問題だろう。いずれにしても、トヨタは台数で世界一の会社で、膨大な利益を生み出しているのだから、こういった取り組みはどんどん行ってほしいと思う。

ところで、この記事とは全然関係ないのですが、我らがひろぽん師匠から、コンパニオンのお姉さんについても、という指令?があったので、写真を何枚か貼っておきます。









Posted at 2015/11/07 10:41:42 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ全般 | 日記
2015年11月05日 イイね!

東京モーターショー2015 (2)

「東京モーターショー2015」についての記事

※この記事は東京モーターショー2015 について書いています。

先回スズキについて書きましたが、今後も順不同で行きます。次はヤマハということで。

ヤマハの今回の目玉は、何といっても、2人乗りのスポーツカーの試作車だろう。エンジンは運転席の後ろだろうというのは分かるが、諸元が一切公表されておらず、走れる状態にあるのかさえ分からない。また、サイズは分かりづらかったが、かなりコンパクトに見えた。いずれにしても、若い頃にヤマハの大型バイクを2台で13万km乗った身としては、とにかくこの形で出してほしい、乗ってみたい、という気持ちで一杯になった。



あと、ゴードン・マーレイの提唱する、iStreamというコンセプトの車体というかフレームを展示していた。




カーボンコンポジット(CFRP)製であるが、カーボンの繊維の方向がGFRPのようにバラバラなので理由を聞くと、別の製品を作った時に出た端材のリサイクル材が材料であるためという。端材が出た元の製品はヤマハ製ではないので、何であるかは分からないとのことであるが、もしかしたら、ボーイング787の主翼だったりするかも???

あと、ゴードン・マーレイのデザインしたシティーカーのMOTIVは開発中とのことだが、なぜ、マーレイがT25で採用した3人乗りにしなかったのかを聞いてみた。答えは、ヤマハでいろいろと検討した結果にもとづくということで、おそらく、運転席からの乗り降りが面倒ととか、2人で乗る時の位置関係がちょっと微妙とかいう理由だろう。

でも、2人乗りと3人乗りとでは、使い勝手に大きく差が出るはずと思う。たとえば、小さな子供が2人いる場合を想定すると、ドライバーとあと1人しか乗せられないということは、子供1人を家に置いていくことになるが、それは出来ず、結果として1人も乗せられない、ということになってしまう。ゴードン・マーレイが、ジャンルが全く違うマクラーレンF1とT25の両方で3人乗りを試みたのは、やはりそれなりの理由があったはずで、ヤマハもチャレンジしてほしかった。

ヒト型自律ライディングロボットのMOTOBOT Ver.1も見逃せない。何と、バイク本体には全く手を加えておらず、ロボットがアクセル、クラッチ、シフトぺダル、前後の各ブレーキ、ステアリングを操作することで自律的な運転を行うというもので、現状でも100km/h程度の走行はできるという。



荷重の移動は出来るのか、と聞くと、現状では出来ず、曲がるきっかけは、ステアリングを反対側に切ることで作っているという。(これは人間でもそうであるが。)ただ、荷重移動は、今後は前後、左右ともに検討するという。そこまでやるなら、ヒトと同じ形でない方がやりやすいのでは?と聞くと、あえてヒト型にこだわっているとのこと。たしかにその方が、人間のライディングにより参考になるデータが得られるとかのメリットがあるかもしれない。ヤマハらしいこだわりだと思う。

目標は、サーキットのラップタイムで、あのバレンティーノ・ロッシに並ぶことだという。モトGPだけでも6回世界チャンピオンになっているロッシに追い付ける日が数年やそこらで来るとは思えないが、その意気やよしというべきか。

フロント2輪の3輪スポーツバイクであるMWT-9もかなり驚いた。基本的な成り立ちは、既に販売されている原付二種のトリシティと同じで、聞くと、バンク角は普通のバイクとほとんど同じだという。




フロント2輪は、安定性や接地性が普通のバイクよりずっといいはずで、本当にエキサイティングな走りが楽しめそうだ。エンジンは、おそらくMT-09用の3気筒900cm3と思われ、性能はかなり高そうに見える。フロント2輪の3輪車は、ホンダからもNEOWINGというのが出品されていたが、フロントサスの構造やトレッド幅などから見るに、ヤマハの方がより2輪に近い感覚だろうと想像した。



最後に、Resonator125も見逃せない存在だった。故新融合をコンセプトにしているとのことだが、タンク、シート、マフラーなど、外観や仕上げに相当気合いを入れているのが分かる。シートの縫い目は本物だったので、雨水が染み込まないか?と聞くと、下にもう1枚ビニールレザーが入っているので大丈夫とのこと。タンクはフランジが横から見えない形にしてあるし、他の細部の造形のきめ細かさも、さすがヤマハと思った。考えてみれば、125cm3クラスで、ここまで質感を追求したのはいままで無かった。年をとって大型バイクがしんどくなったら、こんなのに乗ってトコトコ走るのもいいかも、とふと考えた。



ヘッドライトの横にカメラが付いているので、これはドラレコ?と聞いてみた。答えは、ドラレコとしても使えるが、写真をSNSにアップするような使い方を想定しているとのこと。たしかに、メーターは、「乗っている時も、乗っていない時もシームレスで楽しみがつながるスマホ多機能メーター」とある。運転中に写真のアップが出来るのかは聞き漏らしたが、iPhoneに搭載されているSiriの賢さを考えると、ヘルメットにマイクを仕込んでおけば、LINEのグループを指定して写真を送るくらいは、技術的には簡単に出来るだろう。友人とのつながりや、体験や情報の共有を大切にする今どきの若者にはもってこいと思える。というか、この機能は私も欲しいと思った。

というわけで、ヤマハは今後も目が離せない。今は動くヤマハ車が手元にないが、いつか1台ほしいと思った。

(つづく)
Posted at 2015/11/05 22:59:26 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ全般 | 日記
2015年11月04日 イイね!

東京モーターショー2015 (1)

「東京モーターショー2015」についての記事

※この記事は東京モーターショー2015 について書いています。


8月、9月と、盆休みと休日は絶不調な日が続き、ほとんど外出もせずにごろ寝を続け、みんカラも完全に放置してしまっていた。(仕事は普通に出来ていましたのでご心配なく。)10月に入って、鯖江での「番外!ももクノ60分 めがね博2015」や浜松での「第8回家康楽市in浜松出世城『2015秋の陣』」といったイベントに出かけて、仲間と会ったりしているうちに少しずつ調子も戻り、先週末は、関東での仕事の帰りに東京モーターショーを見学してきたので、その時の印象を書き留めておくことにする。まずはスズキから…

東3ホールに入ってすぐの場所にあるスズキのブースで真っ先に目についたのは、フランクフルトショーで披露されたばかりのバレーノだった。



説明員の人に聞いたところ、国内向けに導入されるという。スズキのことだから、操安性はスイフトやスプラッシュと同様にしっかりしているはずで、大いに期待できる。展示してあったのは1Lターボの6速ATであるが、幅が広いので3ナンバーになるはず。日本車で、1Lエンジンの車では初めてじゃないか?あとは、インド製の品質がどこまで日本人の期待に沿うかであるが、外観に関しては、気になる点は全く無かった。

次に、5人くらいの順番待ちの後に、先日発表されたばかりにアルトワークスの運転席に乗り込んでみた。




レカロのシートが標準で、サポートと掛け心地のバランスはかなり良さそうに思った。また、最大の関心事だった5速マニュアルシフトの感触はすごくカチッとしていて、期待を大きく超えるもので、横置きFFとしては最も良い部類ではないかと思った。リンケージを適当に設計していたら絶対にこのレベルにはならないはずで、スズキの意気込みの強さを感じた。ターボRSはちょっとだけではあるが試乗して、エンジンと脚はかなりのレベルにあるのを確認しているので、ワークスもぜひ乗ってみたい。
今ヴィヴィオの後釜を何か考えるとしたら最有力候補だろうと思った。

次に、最近発売されたばかりのエスクードを観察してみた。



4WDシステムは、オールグリップといい、FFをベースとして、後輪へのトルク配分を電子制御カップリングで連続的に変化させる方式で、制御のモードを複数から選べるという。これはなかなか良さそうに思った。ただ、エンジンが1.6Lガソリンで、あまり新鮮味がない。欧州では既に、1.4Lガソリン直噴ターボエンジンを積んだビターラSをショーに出展していたとのことなので、そのエンジンを載せたモデルにぜひとも乗ってみたい。

エスクードに関してもうひとつ気付いたのは、タイヤがコンチネンタルのコンチエココンタクト5を履いていたことだった。車がハンガリー製というのはあるとしても、このタイヤは欧州でもそこそこ高価なはずである。聞いたところ、ショーの展示用だからというのでなく、普通に売る車も全数このタイヤが付いているとのこと。スプラッシュもそうだったが、何と太っ腹なことかと思う。これに対して、内装はずいぶん質素に見えた。写真に写っているリアドアの内張りなんて、凹凸を付けるでも布地や革やウッドを貼るでもなく、本当にそっけないつくりである。でも、シートの掛け心地は良いと思った。



こういったお金のかけ方も、私がスズキ車全般を好きな理由の大きな部分だと改めて認識した。

ショーモデルのイグニスも、写真では見ていたが、実物はそれよりずっと目を引く存在だった。



室内は見られなかったが、外観は、最近の車にしては比較的シンプルなデザインでありながら、大きな存在感があって、好ましく思った。あと、リアクオーターウィンドーの切れ上がった形とその後ろの斜めの凹みは、昔のフロンテクーペから巧みに引用されているように思った。また、ホイールのデザインは、これも初代セルボに似たのがあったと記憶している。そういえば、エスクードも、ボンネットとフェンダーのつながる部分とかに、初代のデザインを引用していた。レトロ風にせずに昔のデザインを取り入れるのは難しいだろうが、今回のはどれも上手くいっていたと思う。

車両以外では、近日中に出るはずの、ソリオ用のハイブリッドシステムの展示が目を引いた。エンジンは1.2Lのデュアルジェット、ギアボックスは、AGS(AMT)だという。モーターだけで発進できるのかと聞くと答えはイエスだったのでちょっと驚いた。ついにスズキもハイブリッドに本腰を入れて来たということか。ただ、何km/hまでモーターだけで走行できるかは、今検討中とのことだった。




あとは、エンジン単体のカットモデルの展示もあり、1L3気筒直噴ターボ、1.4L直噴ターボ、インド専用の2気筒ディーゼルターボ、というラインナップだった。2気筒のしかもディーゼルだと、騒音と振動の問題で日本ではまず売れないと思うが、試乗はしてみたいとも思った。


(つづく)
Posted at 2015/11/04 19:57:35 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ全般 | 日記
2015年04月16日 イイね!

スズキ歴史館

ちょっと前の話ではあるが、先週仕事で浜松に行ったときに、空いた時間でスズキ歴史館を見学してきたので、その時の感想をチラシの裏のかわりに書き留めておくことにする。

今回は1時間強しか時間が取れなかったので、3階の中でも4輪の展示を中心に見て回ったが、最初に思ったのは、スズキは昔からチャレンジ精神にあふれ、人まねを嫌ってきた会社なんだ、ということだった。

何といっても、日本の自動車産業が発展途上で、日産はオースチン、日野はルノー、いすゞはヒルマンなど、欧州メーカーのライセンス生産を当たり前のように行っていた頃、スズキは最初の4輪車であるスズライトを独力で開発し、しかも、オースチン・ミニより数年も前にFFレイアウトをものにしている。これだけでも相当なものだと思う。





それだけでなく、小型車では主流になりつつある3気筒エンジンをかなり早くから手掛けているし、ジムニー、アルト、ワゴンRのような独創的な車を世に送り出して、ビジネスとして成功させているし。そういえば、2輪メーカーつながりでいうと、ヤマハも浜松が発祥の地とのことだし、ホンダの創業者の本田宗一郎氏も天竜の出身とのことである。戦後、何百と乱立した2輪メーカーの中で残った4社に、これだけ浜松というか遠州地方とかかわりがあるのは、偶然とは思えない。









展示スペースを歩いて行くと、初代アルトが目を引いた。実家でセカンドカーとして使っていた1983年当時、私が4輪の免許を取って初めて公道を運転した車で、色も同じ赤(実際には朱色に近い)だったので、本当に懐かしかった。私が乗っていたのは4ストエンジンで、内装がクリーム色という違いはあったが、外観はまったく同じだった。この初代アルト、最高速はメーター読みで120km/hしか出なかったし(実速はおそらく110km/hくらい)、ボディー剛性は低いというよりは「無い」という感じで、道路の穴ぼこはよけて走る癖がついた。それでも、「車は有ると無いとでは大違い」を実感した1台だった。そういえば、広島県内の実家から氷ノ山のスキー場まで遠征して、初めて雪道を運転したのもこの車だった。軽くて非力なFF車は雪道ではけっこう有利、というのを知ったのはこの時だった。





その後実家のアルトは3代目、5代目、7代目と代替わりし、5代目まではたまに運転する機会もあった。この頃までは操縦安定性がいまいちだったが、最近のはずっと良くなっているはずで、最新型である8代目のターボRSは、男っぽいスタイリング、670kgしかない車重、AMTなど、かなり気になる存在である。余談ながら、スズキの軽乗用車の直進性がひと昔前まであまり良くなかったのは、フロントサスのロアアームを、Aアームでなく、車体側の支点が1箇所しかないIアームとテンションロッド替わりのスタビで済ましていたのが、増え続けた車重に追い付いてなかったためではないかと思っている。実際、ワゴンRも、2代目では直進していても常にステアリングを修正する必要があったのが、3代目では特に気にならないレベルになっていたし。







最新型に目を向けると、スイフトやスプラッシュの走りは、乗ってみて欧州車とまったく同等だと思うし、スプラッシュやSX4はオペルやフィアットの名前でも売られている。スタイリングも、一部の欧州車が華美な方向に走っているのと比べると、シンプルながらバランスが取れていて好ましい。これは、最近日本で地味なデビューを果たしたSX4Sクロスや、欧州でだけ売っている最新型のビターラにも当てはまると思う。その一方では、最新型のアルトや、ジュネーブショーでお披露目したiK-2なんかは、飾り立てていないのに、すごく存在感がある。また、このショーでは、1リッターのダウンサイジングターボエンジンの存在も明らかにしていた。こうして考えると、スズキの車は今後まずます目が離せなくなると思った。



結局この日は、4輪の展示を見るだけでほとんど終わってしまった。次回は、仕事でない時に来て、たっぷり時間をとって、2輪の展示や2階もじっくり見てみたい。


※ 4月19日 写真を追加しました。
Posted at 2015/04/16 22:18:55 | コメント(8) | トラックバック(0) | クルマ全般 | 日記

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「最近手に入れた遊び道具、外装はイマイチだが機関は好調だし、電装を6Vから12Vに変更する改造が無事に済んだのでご機嫌😄」
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