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2018年05月30日 イイね!

ロシア国立交響楽団「シンフォニック・カペレ」

ロシア国立交響楽団「シンフォニック・カペレ」2017年11月7日

東京オペラシティで開催された、ヴァレリー・ポリャンスキー指揮、ロシア国立交響楽団≪シンフォニック・カペレ≫によるライブを聴きに行ってきた。ポリャンスキー氏が率いるロシア国立交響楽団の演奏は、2015年の夏に名古屋であった「チャイコフスキー三大交響曲 一挙演奏」というすごいプログラムで初めて接し、大いに感銘を受けていた。その彼らの再来日、しかも好きな曲目ばかりとあっては、何としても聴きに行かないと、という思いだった。

演目は下記のとおりだった。

チャイコフスキー 序曲「1812年」
ドヴォルザーク チェロ協奏曲
ショスタコーヴィッチ 交響曲第5番

序曲「1812年」は、ナポレオン軍の侵攻を撃退したロシア軍の戦いを表現していて、その分かりやすさとドラマチックな曲想で有名な曲で、私もかなり前から好きだった。

ポリャンスキー氏の指揮によるロシア国立響の演奏は、冒頭の聖歌の静かなメロディーから風雲急を告げる展開になっても、ゆったりしたテンポで、抑え目の表現で進んでいった。彼らのパワーとテクニックをもってすればもっとドラマチックな表現も出来たはずだったが、これがロシア流の音なんだろうと思いながら聴いていた。

最大の驚きは曲の終盤にやってきた。弦楽器だけで演奏する長いパートから一転してロシア正教会の聖歌のメロディーを金管楽器が華々しく奏で始める直前、十数人いる金管奏者が全員一斉に立ち上がり、直立不動の姿勢で最後まで演奏し続けたことである。私は、ステージを上手側のほぼ真横から見下ろす2階席で聴いていたが、ポリャンスキー氏の凛とした表情からも、この曲を本当に誇りに思っている様子が伝わってきて胸熱だった。考えてみれば、ロシア軍は、ナポレオン軍の侵攻に対してモスクワを明け渡すという、多大な犠牲を払った捨て身の戦法で勝利して独立を守った訳で、そのご先祖様への畏敬の念までもが伝わってくる気がした。コアなクラシック音楽ファンからは「そっちかー!」というツッコミが入りそうだが、最も記憶に残っているのがこの部分なのだから仕方がない。

そういえば、この曲は陸上自衛隊が好んで演奏しているようで、YouTubeにも動画がいくつか上がっている。フランスではこの曲はほとんど演奏されないと聞くし、よりによってロシアの勝利を讃える曲をなぜ自衛隊が?とも思ったが、おそらく、楽譜で大砲が楽器として指定されているため、演奏に際して何の言い訳もせずに大砲を撃てることが理由じゃなかろうか。こちらもいつか是非生で聴いてみたい。

次はドヴォルザークのチェロ協奏曲で、これも昔から好きな曲である。ポリャンスキー氏の解釈には奇異に思える点がひとつもなく、私が持つドボコンのイメージそのものだった。そのことと、ひとつの音もゆるがせにしない丁寧さ、骨太で力強い響きや全体がひとつの楽器に感じられるような一体感のせいか、オケやソリストの宮田大氏のテクニックにはほとんど意識が向かわなくなり、ドヴォルザークの心象風景を想像しながらすべての音を楽しむという至福の時間だった。

最後はショスタコーヴィッチの交響曲第5番。「革命」という題名が有名だが、作曲者が付けたものでないというのを最近知った。また、車好きにはトイチのトレノ(AE101)のCMで第4楽章の冒頭部が使われていたことでも知られている曲である。

で、その第4楽章であるが、CDであっても聴くたびに「キター!」という感覚にとらわれる。(小並感)
今回初めてライブで聴いたが、遅めのテンポ、強力なパワー、それでいて縦の線がピシッと揃った金管と弦楽器の響きが織り成す音で、言葉に表せない高揚感というか、圧倒される感覚が連続する時間だった。

というわけで、すべての時間を心から楽しめたひとときだった。公私ともにいろいろありすぎて精神的にかなり参っていた時期だったが、生きていればまた必ずいいことがあるさ、と思わせてくれた貴重な経験だった。ポリャンスキー氏とロシア国立交響楽団の方たちには本当に感謝の言葉しかない。ぜひまたいつか来日してもう一度すばらしい演奏を聴かせてほしいと、心から思った。
Posted at 2018/05/30 23:59:32 | コメント(3) | トラックバック(0) | その他 | 日記

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