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明石暇夫のブログ一覧

2015年03月15日 イイね!

コミュニケーションとは?

昨日、イオンシネマ岡崎で、映画「幕が上がる、その前に。彼女たちのひと夏の挑戦」を見てきた。ももいろクローバーZの5人が主演を務めた映画「幕が上がる」のメイキングドキュメンタリーで、難しい課題に真正面から取り組み、撮影が進む中でも成長を遂げていく5人の姿は本当に頼もしく見え、ファンの一人としてうれしかった。

ただ、それと同じくらい、原作者の平田オリザ氏が撮影に先立ってももクロの5人を招いて行ったワークショップの模様が強く印象に残った。

たとえば、ワークショップの中の課題にあったのが、参加者各自が1から50までの数字が書かれた札を1枚ずつ持ち、その数字の大小が、その札を持つ人の会社が扱っている品物の大小を表すという設定で、数字を言わずに1対1の対話を重ねて相手の数字を予測し、足して50に近くなると推定できる人とペアを作るというものだった。ただ、どの大きさの品物がどの数字に相当するかが、その人のバックグラウンドによってかなり違うというのを平田氏が説明していて、実際に、それが課題の結果にも現れていた。(中間となる25という数字がどんな品物に相当するかの有安さんの答えは笑ってしまった。)

要は、面と向かって話しても、相手によって同じ言葉の受け止め方は違うということである。よく考えれば(よく考えなくても)、同じ言葉でも、ある人は励ましと、ある人は叱責と受け止めるというのはよくあることだし、関西と関東では「バカ」と「アホ」の受け止め方が真逆なのはよく知られている。(なお、名古屋でいう「たわけ」がどっちに近いかは、私は分かっていません。)

対面で話してもそれなのだから、そこから、語順、繰り返し、表情、間の取り方、声の大きさなど、伝えるために重要な役目を果たしている要素をそぎ落とした、文字列の並びでしかない文章で、いったい自分の真意がどれだけ伝わるか??おそらく10%以下ではないかという気がしてきた。と思い知らされるような出来事が最近みんカラの内外でいろいろとあったわけで…

今の勤め先で、「コミュニケーションで重要なのは、何を伝えたかでなく、何が伝わったかである」というのを叩き込まれていたので、言語が異なる場合でもその点には最大限の注意を払い、結果も出してきたつもりではあった。しかし、しょせんは、ビジネスを遂行するという目的を共有する相手という範囲のものでしかなかったようだ。

そんなこともあり、帰宅してから、しばらく前に買っていた平田氏の著作「わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か」を読み始めたら、これが目からウロコの連続だった。

平田氏は、社会が成熟し、価値観が多様化する中では、バラバラな人間が、価値観がバラバラなままで、どうにかしてうまくやっていく能力が求められる、と説いている。これは、心から分かり合うことはできない人間同士が、共有できる部分を見つけて、それを広げていくこと、とも表現されている。

そのためには、「対話」こそが重要な役割を果たすとのことであるが、対話的な精神とは、「異なる価値観を持った人と出会うことで、自分の意見が変わっていくことを潔しとする態度」とされている。日本では昔から、「わかりあう文化」、「察しあう文化」が培われており、それが明治時代に近代化を遂げるに際して、「説明しあう文化」や「対話」という概念が十分に形成されなかったと指摘していて、はたと膝を打つ思いだった。分かりやすい例として、日本語には、「対等な関係における褒め言葉」が非常に少なく、今は「かわいい」という言葉が一手に引き受けているとあり、本当にそうだなと思う。

考えてみれば、私がネットワークに初めて触れたのは、ニフティサーブに加入した20年ちょっと前である。当時既に、ネット上の論争は泥仕合になりがちと言われていたし、身近にそういう例を見聞きしたり、巻き込まれたりもしてきたが、今でも状況はあまり変わっていないと思う。面と向かってでも難しい「対話」を文字によるコミュニケーションで行う、というのは本当に難しいと思うが、そのための枠組みを私たちは作ることができるのだろうか。

と、ここまで書いてきて、映画「幕が上がる」の中で見たシーンを思い出した。

有安さん扮する中西さんの「それでも人はひとりだよ?宇宙でたったひとりなんだよ?」という問いに、百田さん扮する高橋部長が「でもここにいるのはふたりだよ」と答える場面がある。

そして映画の本編ではおそらく使われていなかったと思うが、劇中劇の「銀河鉄道の夜」の中では、有安さん=中西さんが演じるカンパネルラが、「人間は生まれたときから、いつも一人だ。でも、一人でも、宇宙から見れば、みんな一緒だ。みんな一緒でも…みんな一人だ。」と語っている。

さらに、映画の主題歌「青春賦」の歌詞には「思い出が勇気に変わる ひとり決めた夢を固く握って けしてたどり着けないはるか遠く それでもただひと筋に 僕達は歩いてゆこう」とあるが、歩いてゆくのは「僕達」でも、夢を決めるのはひとりである。

もしかしたら解釈が間違っているかもしれないが、これらはすべて、「人は心からわかりあうことはできない、それでも…」ということを別な角度から語っているように思える。もしそうだったら、本当に深遠な世界観のごく一端を垣間見たような気がする。
Posted at 2015/03/15 14:08:19 | コメント(3) | トラックバック(0) | その他 | 日記
2015年03月01日 イイね!

ポルシェの車検と整備

昨日、2つ前の週末に堺のHモータースに預けていたポルシェの車検と整備が完了したので、刈谷から明石に帰る途中に寄り、引き取って帰った。

今回は、セルが一回で回らないことがあるのと、油圧計の針が振れるという問題が出ていたので、通常の車検用の整備に加えて、セルモーター(リビルド品)とオイルプレッシャースイッチの交換、それとブレーキキャリパーのオーバーホールを行ってもらった。

Hモータースの技術は本当に頼りになるし、セルモーターのリビルド品も、国内に普通に在庫があるという。なので、機能を支えるパーツの供給や、その部分の整備に関しては、当面、何の心配もないだろう。

となれば今後心がけるべきことは、壊れることを心配するのでなく、壊さない使い方をする、ということかと思うに至った。幸いというか、今までワインディングロードでヒヤリハットの経験は無いが、意図せずに限界を超えてしまった時に立て直せるかは、正直自信がない。なので、鈴鹿で開催されているスキッドコントロールのようなトレーニングや、本格的なのでなくてもいいからジムカーナに参加することを今後の課題にしたい。

あと、昨日、ザ・シンフォニーホールに聴きに行ったコンサート「炎のチャイコフスキー!」の感動の余韻に浸りながら帰路に着く時、それがポルシェで本当にうれしかった。こういう思い出になる場所に、今後出来るだけたくさん乗って行きたいとも思った。

ただ、それには、車を明石に置きっぱなしという現状ではどう考えても無理がある。今年こそは、何とか刈谷に置けるようにしたいものだ。


2月15日(日)の朝9時半頃 Hモータースに預ける前に寄った、とある有料道路の展望台にて


2月28日(土)夕方、大阪のザ・シンフォニーホールにて
Posted at 2015/03/01 23:12:52 | コメント(3) | トラックバック(0) | ポルシェ911 | 日記
2015年03月01日 イイね!

映画「幕が上がる」からの「炎のチャイコフスキー!」

昨日は、ももいろクローバーZ主演の映画「幕が上がる」の公開日だった。しばらく前に先行上映で見てはいたが、スクリーンが小さかったのに最後列の席だったので、もっとしっかりと見たいと思っていた。ちょうどこの日は午後に大阪で用事(後述)があったので、名古屋から大阪の間のどこかで午前中に見ることにして、上映している映画館を探した。いくつか候補はあったが、なるべく空いていそうなところを狙って奈良県のTOHOシネマズ橿原を選び、朝ヴィヴィオで刈谷を出発し、名阪国道を西に向かって走った。

9時半頃にイオンモール橿原にある映画館に着き、10時過ぎにスクリーン1で席に着き、10時20分に上映が始まったが、約400人のキャパに対して、お客さんは何と30人くらいしかいなかった。






今回は特大のスクリーンでいちばんいい席だったので、表情までじっくり見ることが出来たが、スクリーンに映るももクロの5人は、普段ステージ上で見せる、「キラキラでギラギラな((c)只野菜摘氏)」姿とは似ても似つかず、普通の高校生になり切っているように見えた。そして、その普通の高校生がエネルギーを注ぐ対象を見つけ、迷いながら仲間といっしょに努力を重ねていくところは、本当に眩しく、羨ましささえも覚えた。この年頃に何かに没頭した人もそうでない人も、必ず伝わってくるものがあるはずで、主演がももクロということに関係なく、とにかくたくさんの人に見てほしいと思った。

出来ることなら高校生の頃の自分にこの映画を見せてやりたかった、とも思ったが、そんなことを言っても始まらないので、主題歌「青春賦」のサビの歌詞「思い出が勇気に変わる ひとり決めた夢を固く握って けしてたどりつけないはるか遠く それでもただひと筋に 僕たちは歩いてゆこう」を心に留めておくことにしよう。こうして書いてみると何とも青臭いが、こういう気持ちはいくつになっても持ち続けたい、と思った。

12時半に映画が終わった後、堺市のHモータースで、車検と整備が完了したばかりのポルシェに乗り換え、大阪・北区のザ・シンフォニーホールを目指した。前述の午後の用事というのは、3時からここで開催される「ザ・シンフォニー特選コンサート Vol.21 小林研一郎 炎のチャイコフスキー!」を聴くことだった。堺の手前での用事に予想外に時間がかかり、近くの時間貸し駐車場にポルシェを置いて、走って会場入りしたのは開演3分前で、本当に危ないところだった。

呼吸を整える間もなく始まった、1曲目のチャイコフスキーのバイオリン協奏曲で真っ先に気づいたのは、指揮者のコバケンこと小林研一郎氏が、楽譜無しで指揮していることだった。こんな長い曲の楽譜を完璧に暗記しているとは、只者ではない!と思い、氏の一挙手一投足に注目し、大阪フィルの演奏に聴き入っていた。コバケン氏はメロディーを存分に歌わせ、ソリストの佐藤久成氏も大阪フィルも、すばらしいテクニックでそれに応えていたのと、弦楽器の優しい響きが印象的で、聞きなれたメロディーが本当に生き生きとして聴こえた。

休憩をはさんで次に演奏されたのは、やはりチャイコフスキーの交響曲第5番で、この曲は、20年以上前から、辛い時や自分がイヤになった時に心を立て直すために聴いてきていて、クラシックのあらゆる曲の中で最も好きでもあり、今回のコンサートのお目当てでもあった。

このチャイ5、以前に、ユーリ・シモノフ指揮、ノーヴァヤ・ロシア交響楽団の演奏を聴いた時は、生の迫力には大いに感銘を受けたものの、全体としては「指揮者もオケも若くて元気があるね」という印象にとどまっていたこともあり、油断していたのがいけなかった。コバケン氏の「炎のチャイコフスキー!」の看板は伊達ではなかった。第1楽章の最初の、重くて暗い「運命の主題」が奏でられたときから、「曲の解釈に共感を覚える」とかのレベルでなく、まるで、チャイコフスキー本人が降臨しているかのような錯覚を覚え、心に真っ直ぐ届くような感覚があり、同時に、今思い出しても正体が分からない、言葉にならない思いが押し寄せてきて、涙が最後まで止まらなかった。こんな経験は初めてのことだった。

本当に、終わるのが怖くなるような濃密な時間だった。第4楽章の終盤の、全休止から主題を力強く演奏する箇所では、チャイコフスキーが「生きていれば、いつか必ずいいことがあるさ」と語りかけてくれたような気がした。この日、これを聴きに来て本当によかった。

チャイ5はすごくたくさんの録音があり、名演ということなら、他にもかなりの数があるのは間違いないだろう。手元にあるCDでも、ウィーン・フィルを限界ギリギリまで追い込んでいるゲルギエフの指揮は胸が熱くなるし、ジョージ・セルとクリーブランド管弦楽団の、どれだけ鍛えたらこんなに迫力がある音でアンサンブルが揃うのか、というような演奏も、鳥肌ものである。スヴェトラーノフとソビエト国立交響楽団の、こいつら本当に人間か、と思うようなもの凄いパワーも、カタルシスをもたらしてくれる。それでもこの日は、チャイコフスキーがこの曲に込めた思いに最も近づきたければ、コバケン氏に限る、と思った。終演後にロビーでCDを売っていて、大阪フィルの盤はなかったが、チェコ・フィルの盤があったので、買い求めた。目の前が霞むと危険なので運転中には聴けないが、心の支えとなる宝物になったのは間違いない。


この日午前中に見た「幕が上がる」、午後に聴いた「チャイ5」、いずれも、大げさでなく、生きていくエネルギーを与えてくれたように思う。辛いことばかりの現実からはどうやっても逃れられないが、「生きていさえすれば、必ず何とかなる」と思えているし、映画からは「今、この場所で全力を尽くせ」というメッセージをもらったように思う。映画「幕が上がる」の制作に携わった全ての方々、コバケンさん、大阪フィルの皆さんには、感謝してもし切れません。本当にありがとうございました!

Posted at 2015/03/01 22:22:22 | コメント(2) | トラックバック(0) | MCZ | 日記

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