ある一つのラブストーリーは突然に

昔昔のある日の出来事です。


雪の降る視界の悪い夜だった。

終電もなくなり、道に迷ってにっちもさっちもいかず、ふと目の前の人に声をかけたのがその子との出会いだった。


僕「すいません、○○に行きたいんですが、どこからいけばいいですか？」

女の子「そっちまっすぐでそこを右で、次左でそして…」

僕「うわ～わからへん～(T_T)」

女の子「ぢゃあ一緒に行きましょう♪」

と遅い時間にもかかわらずわざわざ案内してくれた。

無事目的地についたが、こんな親切な温かい人にお礼がしたいのもあり、全く下心もなくドキドキしながらも携帯を教えてもらえないか聞いてみた。

後で聞くと、繁華街でキャッチも多かったりで最初はホストに間違われたようだったが、快く「いいよ♪」の一言で教えてくれた。


数日後、お礼をしようと連絡を取ってみると、毎日バイトで夜中に終わってからなら大丈夫…と。


そして初日、真夜中に迎えに行き、田舎とはまた違ったビル群の夜景を見せてあげようとドライブへ…


大学生で田舎から出てきたばかりみたいで、車に乗る機会もあまりなく、とても喜んでくれた。


ふとドライブ中の会話で、お金使いが荒いというのでなぜか聞くと、ホストにハマっているのだという。

数日後見せてもらった領収書にはとんでもない金額が記されていた。

独り暮らしの学生がどうしてこんなお金を工面するのか聞いてみると、風俗で働いているのだという。

見た目はすごくおとなしい感じで、話し方や外見からは全くそんなことが想像できない。そのときは平静を装っていたが内心は信じられなかった。

その後もドライブ中に電話が鳴る、鳴る。全てホストからだという。


自然豊かな田舎から、学校のために出てきたのに、ふとした拍子にホストにハマり、お金に困り、風俗へ…



僕はとても胸が痛んだ。

そしてそれからは少しずつでもホストクラブへいって大金を使わなくて済むように…と必死で尽くした。
僕は、外見、性格、気遣い、全てホストにはかなわない。

でもただひたすらこの子を思ってがむしゃらに尽くした。

都会の色に染まったその子を、また田舎の海や空のような澄み切った心にしたくて…







最初は恋愛感情はなかったが、少しずつ惹かれていき、付き合うことになり、現在はその子との温かい家庭を持っています。




あくまでこの話はフィクション、妄想ですので現実の人物