
ベアトリクス
「大声がすると思ったら、やはり山葵君でしたか…
ふぅ…
ガーネット様をお迎えするという大事なこの時に、何か心の奥底に今まで感じた事の無い痛みがある…
この痛みは…?
…ん?
(手紙を拾う)
山葵君の落とし物か?
なになに…?
夜空が月のペンダントで着飾る頃
私は船着き場で貴方が来られるのを待っています
な、なんですか、この手紙は!?
これは、もしかして…
山葵君から私へのラブレター?
山葵君……」
その夜
マーカス
「一体誰なんスかね、兄キにラブレターを書いたのは…」
ブランク
「そりゃおまえ、この文面を見りゃ 超べっぴんさんが書いたに決まってるだろ」
マーカス
「ほんとッスか? 兄キいつも『俺モテる』とか何とか言いながら、モテてる所なんて見たことないッスよ…
大体、その手紙だって兄キが直接受け取った訳じゃなくて、兄キがこっそり城の様子を見に行った時に頭の上に落ちてきただけッスよね?」
ブランク
「だから言ってるだろ、直接渡すのが恥ずかしくてそういう方法を取ったんだって…
それにお前、俺がモテないなんて疑ってるみたいだけど、それは間違ってるぜ。
本当にモテる男っていうのは「あっ、兄キ!誰か来たッスよ!隠れるッス!」
ブランク
「やれやれ…」
(手紙を落として隠れる)
カシャ カシャ カシャ カシャ(山葵君が走る音)
山葵君
「朝も昼も夜も、雨の日も風の日も晴れた日も、身を粉にして厳重な警備を行うのである!
右よーし!
左よーし!
…お?
このような所にゴミクズが…
いや、これはゴミクズではなくて手紙のようであるな。
なになに…」
夜空が月のペンダントで着飾る頃
私は船着き場で貴方が来られるのを待っています
山葵君
「な、な、な、な、なんと…
これは恋文ではござらんか!
一体、誰が誰へ宛てた恋文なのであるか!?
う~む、宛名も送り主の名も書いておらんな…
よもや、自分がこの場所を通る事を知った者が、この場所に手紙をさりげなく置いたのではあるまいな…?
だとすると、一体誰が…
(背後から)
ベアトリクス
「山葵君……」
山葵君
「ベアトリクス… まさか、おぬし…」
(隠れて見ている)フレバリー
「(ドキドキ…)
(これがオトナの恋って言うやつかしら!?)」
マーカス
「(あ、兄キ…)」
ブランク
「(シッ、黙って見ていろ!)」
ベアトリクス
「山葵君…」
山葵君
「ベアトリクス…」
フレバリー
「(どうなるのかしら?どうなるのかしら!?)」
マーカス
「(お、俺、鼻血が出そうッス…)」
ブランク
「(バカッ、親指でも突っ込んで我慢してろ!)」
(寄り添う山葵君とベアトリクス)
バクー
「ヘブション!!」
(慌てて隠れるベアトリクス)
ブランク
「(ボス!?)」
フレバリー
「あ~あ、せっかくイイ所だったのに!」

Posted at 2007/05/08 21:16:03 |
トラックバック(0) | 日記