
この記事は、
GTSが出たことによるエンジンスペックの変化について書いています。
話してたらちょっと盛り上がったのでメモ代わりに。
適当ですからね。適当。与太話ですよ。

写真はせとくんの日記から借りてきました。
パワーカーブ/トルクカーブを並べてみると色々な事に気が付きます。
ボクスターS(315/6700、360nm/4500-5800)
・2500~4500回転のトルクの谷、3500~4000,4000~4500で傾きが段階的に大きくなる
・4500~5800の綺麗すぎるフラットトルク
・5800からのトルク落ちが(パッと見)綺麗
ケイマンS(325/7400、370nm/4500-5800)
・4000回転まではボクスターと同じ
・4000~レブの全域で10Nmほど(一部前後するが)ボクスターSよりトルクが大きい
・最大トルクが10Nm大きい分、4000~4500の傾きがボクスターと比べて大きい
・5800~7400まで直線的にトルクが落ちる(ボクスターSより急激に落ちる)
991(350/7400,390nm/5600)
・トルクカーブが(パッと見)汚い
・5600回転の前後1000回転程がほぼ同じ形状
・7400回転でトルクの山が一瞬出来る
・7400~レブで傾きがより小さくなる
で、これだけの違いを作り出しているのは何なんだ…という話なんですが、多分吸排気+カム+ECUで総合的に制御しているのでは無いかと。これがターボカーであればブーストコントロールでこういった差を作る事が出来るのですが、NAだとここまでカーブを変えたければカムを変えてバルタイを弄るしか無いはずです。こういった制御を総合的に"電気的に制御する"と言っているような気がしますが、詳細はよくわかりませんね。
同時に、4500回転以降のカーブの形がボクスターS/ケイマンSでは綺麗すぎる(教科書通り)ことからも、電気的に調整して綺麗なカーブを描くようセッティングしているのでは無いかと考えることが出来ます。
逆に、911のトルクカーブとボクスターS/ケイマンSのトルクカーブを比較すると、911のそれは汚いと言っても過言では無い形状となっています。汚い=悪いわけでは無いのでそこは注意してください。5600回転の前後1000回転程がほぼ同じ形状であることから推測するに、このエンジンの限界と言っても良いパワーを絞り出しているのでは無いかと思います。いくらバルブタイミングが可変となったとは言え、そのカムでの理論的な最大パワー値/は1つになるはずです。そう考えると、この形状はある一点で最も効率が良くなると見ることが出来るますね。(その両側では同じくらい効率が悪くなるスポットが存在するのかな?)
電気的に制御/調整して。という表現を使っていますが、最も気になるのはボクスターSとケイマンSにおいて2500~4500回転でトルクの谷が出来ること、3500~4000,4000~4500で傾きが段階的に大きくなることでしょう。この部分が無ければ凄く綺麗なトルクカーブが描けているはずなのですが、何故ここに谷を作る必要があるのか…。
チューンドカーのECUセッティングで使われる古典的な方法として、あえて谷を作ることで盛り上がり感を強調するという手法があります。谷を作るとその部分で加速が一瞬鈍るので、その後の加速を感じやすくなるというのがその大きな理由として挙げられます。4stエンジンだとカムに乗った加速、2stエンジンだとパワーバンドに入った加速、そういった表現の裏にはトルクの谷やトルクカーブの急激な立ち上がりが隠れています。
吸気で絞っているのではないか?という話をしていたのですが、主にECUのセッティングで調整しているのでは無いかと思います。確かに排気量以上のトルクがあるエンジンなので吸気を絞ってはいると思うのですが、絞りすぎると高回転域でのパワーとレスポンスが悪化するかなと。街中で良く使う回転域である2500~3500では意図的に燃料を薄めに吹いてトルクの谷を作って、3500~4000,4000~4500と段階的に燃料を吹く量を増やすことでトルク感を数字以上に強調していく。という手法は、速く走る機械を作るポルシェが取る手法として些かアレな気はしますが、せとくんから聞くボクスターの燃費の良さとも関連付けて考えるとポルシェが出した一つの結論なのかもしれないな…と思います。
他にも、最高出力発生回転数とレブの幅も興味深い数字になっています。
基本的に、エンジン単体をエンジンベンチ上で見るのであれば、回せば回しただけパワーの出るエンジンが最も優れたエンジンであると言えます。しかし、車体に乗せて走らせる場合、そうとは言えません。最高出力発生回転数より多めに回るようにしてあるのは、減速時のオーバーレブを警戒してのことです。
最高出力発生回転数=レブというエンジンがあると仮定すると、加速時は最高出力発生直後にシフトアップ(アクセルオフ)すればいいので何とかすることが出来るのですが、シフトダウン時にエンジンブローする可能性が飛躍的に上昇します。よって、最高出力発生回転数とレブリミットの広さはシフトダウン時のエンジンが持つ余裕と考えることが出来ます。
モデル:最高出力発生回転数:レブリミット
ボクスターS:6700:7700
ケイマンS:7400:7700
911:7400:7700
つまり、ボクスターSは1000回転、ケイマンS/911は300回転の余裕を持っていると考えても良いわけです。
更にこの領域をだいたい最高出力を発生する回転数という見方で拡大解釈すれば以下のようになり
ボクスターS:6000:7700
ケイマンS:6000:7700
911:6400:7700
ボクスターS/ケイマンSは1700回転、911は1300回転の余裕を持っていると考えられるかな?と
じゃあ、この差は何なんだ。と思うわけですが、基本に立ち戻ってみます。
オーバーレブするのは下手なヤツです。
MT→変速時間が長い=下手
PDK→変速時間が短い=上手い
と考えると、ポルシェがボクスターS/ケイマンS/911をどのようなミッションと組み合わせて設計したかが見えてくるのではないでしょうか?
つまり、MTで運転する事を考えたボクスターS/ケイマンSと、DCTで運転する911。
【追記】ケイマンはMTでもPDKでもどっちでも行けるセッティングになってますね。つまり、MTで運転する事を考えたボクスターSと、DCTで運転する911。ケイマンSはその中間的な位置づけになってます。
先がクリアに見えない峠で遊べるようマージンをかなり残したボクスターS
マージンを残しつつ搾り出そうとしてるケイマンS
何が何でも絞り出したい911
ここまで色々話してきて、せとくんと「やっぱりBoxsterのエンジンはマイルドな特性に調整されてるね。」という話に落ち着いたわけですが、回せば回すほどパワーが出てくるようなパワーカーブを描く911の特異性も再確認しました。
最後に一つ解らないのが、911のトルクカーブの7400回転で山が一瞬出来る部分です。最高速狙いの最後の隠し球なのか、シフトアップ時の伸びを意識した絞りだすパワーなのか。ここにギミック的にトルクカーブの山を仕込む意味は何なのか。気になりますね。
Posted at 2014/03/20 02:22:12 | |
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