2006年11月06日
連載5:ラストステージ
*このシリーズはウソ半分・マジ半分のストーリーですので
真に受けちゃ駄目ですよ。
と言っておきながら、今回はマジです。
水色君との別れを意識した状態で、どのルートで帰ろうかと地図を見ながら考えていた。
自宅への帰り道がラストランになることを、十分に意識していた。
1本の国道に目をつけた。
それは、名古屋から長野県飯田市まで延びているR153であった。地図上では、面白そうなワインディング区間がたっぷりとありそうだった。おそらく信号機も少ないであろう。
よし!決めた。この数十kmで遊ぼう。多少の雨模様は気にしない。
エンジンを歌わせるぞ!
そう決めたら、なんか気持ちがすっきりした。
ガソリンを満タンにして、いざ出発。
愛知県豊田市を抜ける頃、交通量が極端に減った。雨模様のせいか、ペースが遅い。
集団を抜け先頭に立ったらする事はひとつ。
踏む。アクセルを踏む。
後続車を引き離していく。
決して褒められない速度で、ワインディングをかけていく。
V6エンジンの鼻面の重さを感じながらも、加減速を楽しむ。
エンジンとマニュアルミッションと対話しながら、
雨交じりの中、窓を開けてかけぬけていく。
楽しい。実に楽しい。
決して速くはない。そりゃミニバンよりは速いよ。
けど純粋スポーツカーよりは遅い。ドライバーも遅いしね。
でもね。絶対的なスピードは関係ないんだよ!
乗って楽しい。踏んで楽しい。歌わせて楽しい。
この扇情的といってよいエンジンの存在感!
これを、味わいたいんだよ。
だから雨を気にしないのさ。
なんていい気になってたら、後続車のライトが目に入った。
いかんいかん、もっと早い車が来たのかな。
だったら、道を譲って・・・!
日産ティアナ!?CVTだと!
スズキSWIFTならともかく、なんでただのこじゃれた車に
抜かれなければならないんだ!?
頭に疑問符が何個か飛び交った後、紫陽花はさらにアクセルを踏み込んだ。
1stまで落とさなければならないような低速ワインディング区間では、
CVTやATの方がさほどロスなく踏み込んでいける。
だからといって・・・
ラストランだぞ!
6~7割のエンターティメントが156の真骨頂だが、9割ぐらいのつもりで引き離しにかかる。
タイヤに負担がかかる。
道路はフラットだが、時々雨が強くなったりする。
ステアリングインフォメーションに気を配りながら、
エンジンを歌わせるでなく唸らせる。
もっといけるよと水色君が伝えてくれる。思ったより、道に食い付いてくれる。
ありがたい。
その手ごたえを感じながら、駆けていく。
やがて低速区間を過ぎたころ後ろをみると、ティアナは遥かかなたであった。
もういいだろう。
1&2速の世界から、2~4速の中高速の山道に変わってきた。
これはこれで楽しい。3000rpmぐらいからの加速を楽しむ。
雨は相変わらず降っている。右肩も少し濡れているが気にしない。
体と気分は十分に熱くなっていたからだ。
なんでこんなところに自動販売機があるの、と思うようなところで一休みする。
雨に濡れたボンネットから湯気が上がっている。
水色君も少々熱くなっていたようだ。
冷たいコーヒーとタバコで、クールダウンする。
うーん楽しかった。
電信棒の町名から、もう飯田市に入っていることに気がついた。
さすがに全区間一般道で帰宅したら、深夜になってしまう。
飯田市から中央高速を使おうと決め、再び水色君に乗り込む。
今度は窓を閉める。お楽しみ区間は終わった。
静かな排気音で、ふたたび水色君は走り出した。
安全運転で、家族の待つ群馬まで行こう。
雨で始まり、雨で終わった。
この日の走行距離約800km
この日を最後に、水色君のオドメーターは、歩みを止めた。
ブログ一覧 |
alfa | 日記
Posted at
2006/11/07 00:44:07
今、あなたにおすすめ