CASIO EX-FH20 のセミナーに参加。
スライドを交えての会社概要、製品概要、今後の方向性を聞かせて頂きました。
その際の様子、各スライドを写真撮りつつメモしてみましたので、思い出せる部分記事で再現してみます。
(とは言え、箇条書きでは伝わりにくい点、自分自身の印象などが多少入ってしまっている部分あるかとは思いますが、その点はご容赦をお願いします。)
fc2ブログで登録している「みんぽす」にて
カシオHIGH SPEED EXILIM EX-FH20をお借りしました。
このレビューはWillVii株式会社運営の国内最大級家電・PC・携帯・ゲームレビュー・クチコミサイト「みんぽす」から、「モノフェローズ」として...
- 商品を無償でお借りして、レビューを掲載しています!
- ブロガーへの報酬、指示は一切ないので、完全に中立なレビューです!
サービスやメンバーになれないか?などの興味のある方はこちら。
みんぽすやモノフェローズって何?と思われた方、宜しければ上記のリンク確認して見てくださいね。
モノフェローズ、カシオEX-FH20セミナー、スライド説明の覚書(1/4)
1
今回のセミナーで説明をしていただいたカシオ開発本部QV統括部宮田室長の略歴
カシオのデジタルカメラにず~っと携わっている方だそうです。
2
デジタルだから出来る事を魅力へ
そんな宮田室長が担当されたデジタルカメラ
元が銀塩のフィルムカメラというわけでなく、最初からデジタルカメラですので、フィルムカメラの常識に捕らわれない使い勝手、便利さ、今までに無かった楽しさなどに焦点当てられていたのですね。
3
”答え一発”は連綿と脈付く
ベストショットとダイレクトオン
EX-FH20でも搭載されている再生、撮影ボタン。
電源オフの状態からこれらを押すとそのまま再生、撮影に移れます。
500万~700万画素のコンパクトデジタルカメラでは顧客満足度No.1という調査結果もあったそうです。
4
.カシオ計算機とは?
5
樫尾四兄弟と計算機でカシオ計算機なんだそうです。
6
時代を牽引し引き上げる原動力
そしてカシオが生み出して来た、イノベーション呼び起こす機器。
計算機、電子腕時計、電子キーボード、電子手帳
G-Shock、QV-10等々。
そう言われてみると、時代時代でどれも超話題になって触ってみたくて仕方ないものばかりでした。
こういったアイテムがあるからこそ、それがあったら?その先には?なんて事を思い描けた部分もあります。
7
いかに社会に貢献するか?
そのカシオですが経営理念が創造と貢献
今まで無いまったく新しいものを作って無くてはならないものに昇華していく。
それによって社会貢献を果たす。
道理で他社とは何かが必ず違うもの、あっと驚かされるものを出して来る訳ですね。
売れそうなものじゃなく、これはどうだ~と言う具合。
一歩も二歩も先を行ってしまうため、時代の方がその場その場で付いて来る事が出来なかったものなどもあるのかもしれないですね。
8
液晶付きデジタルカメラの始祖
その中でカシオのデジタルカメラの進化
液晶付きのQV-10に始まり銀塩カメラでは構造的に絶対無理な形状のスリムタイプ
そしてデジタルだから実現可能な超高速撮影。
----
モノフェローズ、カシオEX-FH20セミナー、スライド説明の覚書(2/4)
1
そしてEX-FH20の概要
EX-FH20ではハイスピードのCMOSを搭載しているそうです。
2
ここまでのカメラの市場への広がり
3
デジタルカメラの広がりと停滞
1995年あたりから出始めたデジタルカメラ。
徐々に銀塩カメラを置き換えていく。
そして銀塩カメラに捕らわれない形状の変化
やがて2008年前には1億台突破の市場。
ただしそれにより横ばいになってきているそうです。
これを塗り替えたりするには、従来のままでは無理。
何らかの新しい提案が必要
4
新しい提案が必要
それにより従来のカメラのあり方と、今後のカメラの在り方を探ったそうです。
図で行くと左側が従来。
従来型のカメラはどうしても失敗しないカメラという方向性だったそうです。
ここに楽しいカメラへ移して行くには?
ということでハイスピードというジャンルが見えてきたとのことです。
5
先進的であるからこそまずは圧倒的な性能を
先ずはEX-F1で機能・性能をアピール。
プロ、マニアに訴える撮れなかった瞬間、見られなかった瞬間が撮れる高性能をアピール。
そしてこれをEX-FH20でハイアマチュアやパパ・ママ層に裾野を広げていく。
6
裾野を広げるには?
EX-F1はやはりマニアに受けたとのことです。
それをもっと一般層に楽しんでもらうには?
7
F1よりも小さく、安く、それでいてその機種ゆえの魅力も
8
ハイスピードと言う新たなジャンル、熾烈な熱い戦いに突入したそうです。
----
モノフェローズ、カシオEX-FH20セミナー、スライド説明の覚書(3/4)
1
心情的にも物理的にも熱い戦い
企画と開発の熱い戦いもそうなんですが、文字通り”熱”、OverHeatでの熱い戦いが待ち受けていたそうです。
と言うのもメカでなくデジタルで様々な機能を搭載実現してく形。
CMOSだけでなくそれ相応のLSIが入っていて、こちらでの処理の負荷で熱が発生するそうです。
このため、銅製のシャーシ、マグネシュームダイキャストボディーへ熱伝導させて放熱するなど。
2
EX-FH20はEX-F1に比べてコンパクトな作りとしているため、余計に放熱に手間がかかったとのことでです。
実際に実機を使っている最中は、特に熱さなんて感じることはありませんが。
3
4
高性能故の操作系の多さを排し、戸惑いを減らす
EX-F1では普通の人が使うには戸惑ってしまうボタンの多さだったようです。
その分様々な組み合わせや条件設定出来ることは多かったりするようですが。
でも最初に良く判らない、難しそうという印象を持ってしまうとあとに響いちゃうのですよね。
EX-FH20のターゲットだと、その辺に陥らないような配慮が必要になってくる。
5
EX-FH20はEX-F1に比べてシンプルにして、戸惑わずに判り易く使える方向で製品化進められているそうです。
6
EX-F1には無い機能も追加
そしてEX-FH20に新設されたBS(ベストショット)
その中のマルチモーション
高速連写した画像から5枚を抜き出して合成。
と言っても、動きの無い背景と動きのある被写体を識別して切り出し合成するとの事です。
30枚~40枚の連写のうちの5枚で合成します。
1秒程度で完了するアクションであれば特に設定変更は不要です。
しかし現実には1秒を超えてしまうようなアクションではFPSを上手いこと設定してあげないと、メインの被写体同士が被ってしまいます。
7
ハイスピードという機能の行く先
上述のマルチモーションもそうなのですが、ハイスピードとそれをいかした合成などが入ってくることで写真の撮り方も或いは代えられちゃうのではないか?
8
場合によっては今までの常識が覆ってしまう
みえないものが見えるようになる故の幅の広がり
今はある意味模索中なんだと思います。
様々な使い方やニーズが出てくる。
そこから、今までに無かった使い方が見出されてくるのではないか?
---
モノフェローズ、カシオEX-FH20セミナー、スライド説明の覚書(4/4)
1
ありふれた一瞬の再発見
(スライドの中にハイスピードムービーが織り込まれており、それをカメラで連写したものを便宜的につばげました・・・なんらかのモーションの説明を伴うプレゼンテーションにはハイスピードムービー非常に効果的に思えました。)
例えばトンボが飛び立つ瞬間ってどうなっているの?
2
瞬間ゆえに見過ごしてしまうことの再発見
(スライドの中にハイスピードムービーが織り込まれており、それをカメラで連写したものを便宜的につばげました)
サッカーのボレーシュートをマスターしたいけど、実際のボレーシュートでは一体どんな体捌きをしているのか?
3
(スライドの中にハイスピードムービーが織り込まれており、それをカメラで連写したものを便宜的につばげました)
フェイントなどでは、細かく分解してみるとどんな動きになっているの?
細かい動きが判ればイメージトレーニングも可能
4
いかにしてハイスピードを広めて無くてはならないものにしていくか?
■現在EX-F1でプロマニア層へ
・不可能が可能
■EX-FH20でハイアマチュア パパ・ママ層へ
・瞬間を捉えられる事で色々な発見、フィードバック
子供が何かスポーツをレッスンしているなら、プロの実際の動きを捉えて違いを探り合う。
ゴルフのスイング比較など
■そしてまだ未登場ですが、今後
より一般へ
おそらくF1、FH20でよく使われた連写、要望があった機能などのうち、量産効果でコストダウン可能な機能をコンパクト機にも載せられないかを検討しているようです。
5
コンシューマに限らない現場への展開も
上述のように、メカニカルの制約をうけないデジタル故のハイスピードの実現。
ハイスピード故の更なる出来る事の発見と創造、工夫。
HS夜景、HS手ブレ、デジタル流し撮り、などそうですよね。
まだまだ考えられる事、色々な利用シーン、用途に応じてあるのだと思います。
そんなあたり、今までの写真の常識を超えたところに踏み出して更なる用途、技術の開拓、ニーズの高まりへと繋げることを考えているそうです。
6
経営理念への結実
そうして、今まで無かったけど、使ってみると手放せない。そのサイクルであたらしいもの創造と社会や人々への貢献を果たしたい
これがまさしくカシオの経営理念に繋がっているそうです。
7
EX-FH20カメラ本体についての企画開発にあたってはこんな事があったそうです。
■プロ向けEX-F1からより一般層向けへのフィードバック
F1から得られたアンケートや感想
性能をいかしたスポーツ、虫、昆虫などに偏ってしまう
もっと広がりを持たせるためには価格を下げコンパクトに。
そしてより具体的な用途を提示して訴求力を出す必要性。
マルチモーションなどの追加
また、プロユースでは無い分、沈胴型レンズでの普段のコンパクトさ、それでいてより広角望遠ズームの幅を広げる。
更に液晶の見易さ、電池を単三型にすることでの取り回しのよさ
そのような使いやすさ面にも留意し一般層により受け入れてもらえる工夫、配慮。
■連写とその後を果たすには?
連写については他社で13.5fps程度のものはあるので20fpsではアドバンテージが薄い。
このため40fpsはキープしたい。
しかし、40枚分をドド~っと連写したら、先ずそれをバッファメモリで保持しておかないとならない。
HS手ブレとかHS夜景の処理をするにはバッファメモリで元画像を保持しておく必要がある。
更に空きメモリエリアにデータ展開して合成を果たしていく。
という訳で、一般のカメラに比べて、バッファメモリの容量が大きい。
これがコスト増大させる大きな要因。
でも40fpsは譲れない。
で調達側に頑張ってもらったところ性能とコストに見合うバランスの良いメモリがやっと見つかって実現できたとのこと。
■単三型電池
電池についても単三型だと電力的に厳しくなる点あったようです。
というのが合成系の処理などでかなりLSIのパワーを必要とするらしいです。
ただし、それはプログラムの効率によっても変わってきちゃう。
その辺で、単三型電池でもいけちゃう省エネに寄与するプログラムに随時ブラッシュアップかけていたなんてのもあるそうです。
カメラショーなんての試作機と販売本機では、そのあたりはまるで別物なのだとか。
出荷直前でレスポンスの向上が見込めるプログラム管理が出てきてもうぎりぎりと言うとこでも入れ替えていたとか。
■熱い戦い
熱対策もなかなか大変とのこと。
熱対策としてはマグネシューム合金を放熱フィンとする事は出来ますが、闇雲に面積増やしても非効率かつコストアップに繋がる。
また金属部分が多ければそれだけ重量増で撮り回しに不利となる。
いかに面積減らすか?で
切り詰め切り詰めの実験の繰り返しだったのだとか
■連写後の書き込みが大変
EX-F1、一連写60枚いける。
でもその60枚を処理しきるのに20数秒の時間がかかっていた。
この辺はアンケートなどでお客様からお叱り頂いていた。
このためEX-FH20ではメモリ管理を根本から見直し。
40枚連写に対して、10秒以下、8秒くらいで書き込み処理完了可能にしている
■ベストショットハイスピード関連
HS手ブレなど
画像を重ね合わせるので、明るいところがより明るくなる。
光学20倍でもHS夜景など三脚無くても撮れる
マルチモーション
背景と動いている被写体の区別が難しい。
機能としての搭載も難しかったがいけた。
■さぼっているのか仕事しているのか・・・
何かあると、スタッフが確認の為何かと撮りに出かける。
周りからは又どっかふらふら行っちゃったよみたいな。
ただ、カシオの場合は今まで無かったものを、という辺り実験や検証、確認などに割ける割合は高いのかもしれませんね。
実は、これいったいどうなっているのだろう?なんて弄り始めて試してみたり。
それで時間を忘れてしまったりなど、思わず自分と重ねてみてしまったり。
8
■EX-F1の廉価版では無い、この機体としての主張
先行する初代EX-F1がありますが、EX-FH20は単純に廉価版って訳ではない。
プロやマニアで無い、一般層に受け入れられ易いようにモードを簡略化
広角域からズーム端までズームも域もF1を超える。
液晶もより見やすい3型へ
CMOSもF1より大容量、高精細なものへ
連写後の処理と書き込みにかかる時間もとことん見直し
BS(ベストショット)もF1に無い機能を更に追加
更に小型かつ廉価に
EX-F1に比べてコンセプトをもう少し一般層よりにしつつ、実はそれにより1から作り直されたモデルでもある訳ですね。
ハイスピード、レンズサイズなんてあたり以外では、実はFH20の方が万能性とレスポンスもあがっていたりするようです。
以上、開発から実機化にあたっての貴重なお話伺わせていただきました。
商品、製品として手に取ってわかることはあるのですが、作り手が何を意図したりどんな期待を実現すべき作っているのか?
また、どんな拘りであったり、どんな将来性、方向性を持っているのか?
実際にセミナーなどに参加させて頂くと、取り組みや思い方向性が見えてきて、作り手側と一体となったような気持ちがもてたりもします。
今までのマスメディアでの一方的な情報投下では、なかなか見えてこない部分。
会社自体の文化や背景が製品通じて見えてくると、製品や会社自体への理解も深まると思います。
今でなんでそうしてこなかったのでしょうね。
こういう、キチント知る機会が増えれば、結果的に単発製品毎では無い、長い目で見ていく事が出来ると思います。
それによって、その会社だからこその良いもの出して欲しい、頑張れなんて応援したくもなります。
そういう眼差しがあれば、作り側も意識が変わってくると思うのですよね。
作り手とその使い手側って、メーカーと(お客様は神様です的な)消費者の関係で割り切ってしまうの勿体無いですよね。
メーカー側がきちんと知ってもらうための窓口、そして機会を作っていくことで理解者が増えてくるのだと思います。
面白い、物珍しい、凄いで終わらずに、メーカー側利用者側で情報の交換や循環できるようなのがいいです。
売って、補修サービス部門用意してお終い。
そういう時代は終わって、互いに次を模索しあえる市場にしていくか。
政府やお役所はどうであれ、民間レベルではそんな時代がやってきて、もう常識になろうとしているようにも感じられます。
今回のようなセミナー、作り手の熱、チームの取り組み、そしてそれが会社としての社会貢献へと繋がり広がるようす。
これは是非頑張ってもらいたいと思うことしきりでした。