
みんカラを開くたびに、運営が愛車を語れと五月蝿いので、語りましょう。
その昔、乗っていた車・欲しかった車も、中古車市場ではすでに絶滅又は絶滅寸前となっており、今更ながら時の経つのは早いものだと感じている、今日このごろです。
SAABってどんな風な車だった?
そんなことを聞かれることもありますが、SAAB900turbo16は、一言で言えば独創的なデザインで高性能な車でした。
コロナGT-TRから乗り換える車を検討していた1986年2月、フィリピンでマルコス政権が崩壊する様子をテレビで見ながら、メルセデス・ベンツ190E2.3-16VとSAAB900turbo16のスペックと値段を見比べて、ため息を付いていた事を思い出します。
なぜこの2つだったのかというと、ただ単に、人とは違う車に乗りたかったという事でした。
その頃、気になっていた車と言えば、、、。
リトモ・アバルト130TC、、性能は素晴らしい。サソリマークが(゚∀゚)カコイイ!しかし、デザインがイマイチ、走っているうちに燃えてしまった噂もあり。。まぁ、イタ車だからね。。
マセラティ・ビトゥルボ、、乗っている人がいたけど、まともに動かないらしい話が。。セレブなマゾ御用達車(;´Д`)。。まぁ、イタ車だからね。。
ちなみに、BMWは六本木のカローラと言われた頃で、地味で暗い私が乗っている姿を想像できず、最初から選択肢に入っておりませんでした。( ̄▽ ̄;)
しかし、世界一美しいクーペと言われた635csiには憧れていました。
それよりも、欲しかったクルマは。。。

HARTGE H35: ネットより借用。(;´д`)ハアハア!!
ハルトゲH35は、635用にチューンされたエンジンを、小さなE30に無理やり押し込んだモデルで、C63AMGのような反則上等なコンパクトモンスターでした。
この頃から、こんな獰猛な車が好きだったんですね〜(汗)
当時は、アルピナやMよりもハルトゲが注目されていたような気がします。
もちろん、高すぎて手を出せるシロモノではありませんでした( ̄▽ ̄;)
SAABとMercedesどちらを選ぶとしても、私にとっては初めての外車、しかも左ハンドル。
今まで払ったこともない高額な買い物だったので、しばらく悩んでいました。
長女が生まれたばかりで、余裕もありませんでしたしね(汗)
また、どちらも実車を見ることも試乗することも出来ず、雑誌の情報だけで買おうという無謀と言えば無謀な買い物でした。

190-E2.3-16V ネットから借用。今見ても( ・∀・)イイ!!
190-E2.3-16Vは、イギリスのコスワースが手掛けた2.3L DOHC16バルブのエンジンを搭載した190Eのスポーツモデルで、最高出力175PS/5,800rpm、最大トルク22.9kgm/4,750rpmという性能で、ベンツなのにリアウィングまで付いているという、まさにやんちゃな小ベンツ。(゚∀゚)
南イタリアのナルド・サーキットで、5万キロを平均速度247.939km/hで走ったという記録は、従来の小ベンツのイメージを覆すものでした。
とは言え、紛れもないメルセデスだったので、当時の私には時期尚早・身分不相応ということで、妄想するだけで終わりました。
というより、諸経費を含めると900万円を超える値段で、ハルトゲより安いとはいえ、購入を決断するまでには至らなかったというのが事実です。( ̄▽ ̄;)
25年後、SAAB2台に次いで3台乗り継いだVolvoから、なぜ、いきなりC63AMGに逝ってしまったのか?と、不思議に思われるみん友さんが多いのですが、高性能小ベンツの190-E2.3-16Vが欲しかった事と、ハルトゲH35のようなエンジン反則上等な車が好きだったので、何の戸惑いもなく買ってしまいました。(汗)
—— ◇ —— ◇ —— ◇ —— ◇ —— ◇ —— ◇ ——
SAAB900turbo16は、SAAB SCANIAという、スウェーデンの軍用機・兵器製造会社の自動車製造部門が造ったクルマです。
戦闘機製造会社が造った車というだけで、、何だかワクワクしました。
このクルマは、4ドアセダンが最も美しい。
クーペも、4ドアハッチバックも、デザイン的に何かヘンテコで好きになれません。
私が好きなのは、あくまでもSAAB900turbo16セダンで、それ以外のSAABは乗ったこともありませんし、好きでもありません。
4ドアセダンで、リアトランク・スポイラーを装着している姿が絶妙にバランスが取れていると思います。

昔も今も、スウェーデンのクルマとして、VOLVOは知っているがSAABは知らないという人が圧倒的に多く、輸入台数もかなり少なかったと思います。
輸入総代理店は西武自動車で、1986年当時西武・プリンスグループは絶頂期にあり、西武というだけで何だか知らないがオサレな感じがしたものです( ̄▽ ̄;)

飛行機屋が作っただけに、戦闘機の風防を思わせる大きく湾曲したフロントガラスが特徴的です。
ダッシュボードの幅が、普通の車の倍ぐらいはありました。
良質なスウェーデン鋼をふんだんに使った頑強なボディ。
あまりの重さに、小さな子供では絶対に開けられないドア(笑)
北欧家具そのものの、乗り心地の良いソファー。
イグニッションスイッチの位置がセンターコンソールの真ん中であったり、ATがたった3速しかなかったり、ボンネットがフロントガラス側から開いたり、とにかく普通のクルマではない雰囲気がプンプンしておりました。
ひと目でそれと分かる丸みを帯びた独特なデザインが、角形のクルマしかなかった当時、新鮮でとても魅力的に感じられました。
しかし、こんなクルマの写真をたくさん撮っていたということは、当時からみんカラの素質があったということですね。( ̄▽ ̄;)

どうですか、このどっしりとしたバックシャン(死語)。
当時、こんな丸みを帯びた車は走っていなかったので、いかにも舶来品な感じがしてとても魅力的でした。
一度だけ、このトランクスポイラーの付いていないSAABを見たことがあるのですが、スポイラーが付いていないと、お尻が下がって見えました。
ボディカラーは、地味で暗くて協調性も花もない(以下略)私好みのガンメタ。
エンジンは、2000cc縦置き直列4気筒DOHC16バルブで、BOSCHのLHジェトロニック燃料噴射装置を備え、ギャレット・エアリサーチ製のターボを搭載しており、最高出力は160ps(118kW)/5500rpm,、最大トルク 26.0kg・m(255.0N・m)/3000rpm、最高速度190km/h、0-100km/h加速9秒という、当時としてはなかなかの性能を誇っておりました。
現在、このクラスのエンジンは230ps超えのものがほとんどですので、技術の進歩は素晴らしいと思います。
9速オートマまであるという現在、3速オートマがどのようなものなのかなんて、想像がつかないかもしれませんが、Low-Second-Topと極めてシンプル。(笑)
190-E2.3-16Vより数百万円安いのですが、値段に見合った満足できる性能と内外装を備えた車でした。
このターボシステムに、SAABはAPC(Automatic Performance Control)と呼ばれる独自のアンチノッキングシステムを搭載し、オクタン価の低いガソリンでも最適なエンジン性能を引き出す工夫をしておりました。
これは、業転玉の無印粗悪品ガソリンでも、ノックせずにガソリンなりの性能を引き出すことが出来るという、当時としては画期的な装置でした。

この写真は、1989年に購入した2台目のSAAB900turbo16です。
フェイスリフトとしてスラントノーズ化が行われており、少しシャープな顔つきに変わりました。
この車のデザインに対する評価は、大きく分かれるところでしょうが、当時の車としては、かなり独創的であったことは間違いありません。
しかし、現代にあっては、さほどの違和感はなく陳腐な感じもしません。
エンジン性能も、昨今の車に決して引けをとらないものだと思います。
北国の車なので、日本の夏が心配でしたが、案の定、最初の車は旅行中にエアコンのリレーが壊れ、えらい目に遭いました。
冬には無敵かっ!と思いきや、この車に合ったホイールとスタッドレスが無くて、探すのに一苦労しました(´・ω・`)
ちなみに、SAABは、その後SAAB 9000などというクルマを作っておりましたが、ランチアなどとの共同開発で外装パーツを共用したため、何の変哲もないもない無難なデザインのセダンになってしまいました( ̄▽ ̄;)
その後、西武自動車は潰れ、SAABも中国企業に買収されたらしい話を聞きましたが、昨年、ついに破産してSAABブランドは消滅したというニュースを耳にしました。
ご冥福をお祈りします。Ω\(´・ω・`)
今でも、たまにSAAB900を見かけることがありますが、同じ希少車を乗っていた者として、オーナーがどんな人なのか思わず運転席をガン見してしまいます。(^^ゞ
190-E2.3-16Vを諦めて最初のSAABを買ってから25年後、現代のやんちゃな小ベンツともいえるC63AMGを手に入れたことで、かつての夢が叶えられた気がします。
無鉛ハイオク・ガソリンが、日本で初めて発売されたのは1983年の事らしいのですが、世の中に普及するのには、それから3年ほどかかったかと記憶しております。
私が初めてハイオクガソリンを入れたのがSAAB900turbo16です。
当時、ハイオクを入れても、まったくパフォーマンスが変わらないクルマも多かったように記憶しておりますが、SAABは明らかな違いを感じて驚いた事を覚えております。
まあ、違いと言っても体感加速が良くなっただけなのですが、少なくとも怪しげなガソリン添加剤を入れた時よりは、明らかに速く滑らかな加速になった気がしました。
ヨーロッパのガソリンは日本よりオクタン価が高いので、ハイオク指定のクルマが多いと思いますが、同じ加速を得るためのアクセル開度はハイオクの方が少なくて済みますから、エコだといえばエコだったのでしょう。
エコなんて言葉、あの頃は、ありませんでしたけどね(笑)
—— ◇ —— ◇ —— ◇ —— ◇ —— ◇ —— ◇ ——

おまけ画像:観音崎のぬこ♡ 背筋がぞわぞわするぅ〜にゃ(゚∀゚)