トヨタは「ラクティス」をフルモデルチェンジした。いやぁ久し振りに「買ってはいけない」ダメなクルマですね。トヨタの一番ズルくて嫌なところが随所に感じられるクルマ。まぁそれでもソコソコの台数は売れてしまうのでしょうが。
とりあえず、冷静に新型「ラクティス」を分析。2代目となる新型「ラクティス」は、全長4m未満のコンパクトなボディの中に、クラストップレベルのゆとりある室内空間と使い勝手の良さを実現したコンパクト2BOX。扱いやすい5ナンバーサイズを維持しながら、室内幅を最大40mm拡大し、ゆとりある室内空間を確保。多彩な使い方を可能とするラゲージスペースを実現し、コンパクトクラスでは初となる6:4分割チルトダウン機構リヤシート(遠隔可倒レバー付)などを採用した。最近の軽自動車に影響を受けたのか、「標準系」の他に女性向け(?)のお洒落グレード「L’épice(レピス)」及びスポーツ系の「S」の3系統のスタイリングを用意した。
エンジンは1.3L(2WD)と1.5L(2WD/4WD)を用意。ミッションは全て「Super CVT-i」を組み合わせる。1.5Lは「ACTIVE CVTシステム」と呼ぶ「7速スポーツシーケンシャルシフトマチック」と「CVT SPORTモード」を搭載する。価格は1.3X(2WD)の144.5万円~1.5G(4WD)の184.8万円となっている。販売目標台数は4500台/月販で、生産は全量が関東自動車工業の岩手工場で行われる予定。
「ラクティス」は「ファンカーゴ」の後継として2005年10月に初代が誕生。今でも「ファンカーゴ」は傑作車だったと思うが、トヨタ自身は「ファンカーゴ」のコンセプトに思い入れが無かった様だ。初代「ラクティス」はホンダ・フィット包囲網(の1台)と言う明確な任務が与えられていた。セールスはそれなりに売れたクルマと言う印象だが、日産「ノート」の方が一枚上手だった。2代目「ラクティス」は簡単に言えば「フィット」と「ノート」をブレンドして劣化コピーしたようなクルマだ。そこにトヨタオリジナルの哲学は何も無い。こう言う真似っ子を恥ずかしげも無くやって見せるのもトヨタの恐ろしさではあるが、そろそろいい加減にして欲しい。結局「フィット」のパクリだよ。このクルマは....。
また、正直ウンザリしているが、
トヨタの公約違反。いよいよ悪びれる様子も無く、公然と実施される様で、新型「ラクティス」はコストダウンのために先代「ラクティス」では2007年12月のマイナーチェンジ以降全車に標準装備されていた「SRSサイド+カーテンエアバッグ」は新型から全車メーカーOPへ格下げされた。おそらく、同様の理由により来月モデルチェンジされる「ヴィッツ」も格下げは必至だろう。
2007年7月23日のプレスリリースで、トヨタ自動車は「サイドエアバッグおよびカーテンシールドエアバッグ」の全車標準装備を発表している。リリース文中では「側面衝突時の衝撃を緩和するSRSサイドエアバッグ(フロント席)およびSRSカーテンシールドエアバッグを、乗用車系車種を対象に、近々発売予定の新型車以降、全車に標準装備する」と宣言し、更に「米国の調査研究によれば、SRSサイドエアバッグおよびSRSカーテンシールドエアバッグによって、側面衝突時の死者が37%低減されると報告されている。なお、日本の側面衝突による重傷事故のうち、73%が頭部や胸部などに傷害を受けている。」と誇らしげに書いているのだから恐れ入る。
既に
今年2月にリリースされた2代目「パッソ」でもこの公約は守られず、トヨタの企業倫理について大いなる疑問を抱いていたが、新型「ラクティス」でも公約は反故にされてしまった。また、S-VSC(横滑り防止装置)もスポーツグレードの「S」以外はメーカーOPでも用意されないなど、安全装備については重大な瑕疵を抱えたクルマと言わざるを得ない。まぁ「パッソ」は軽自動車に毛の生えた程度の下駄車だから他社との価格競争を勘案し、安全装備をメーカーOP化したのは一定の理解はすべきと思うが、「ラクティス」はベースモデル「1.3X」(2WD)が144.5万円~と言う価格帯のモデル。新型「スイフト」の「XS」が147.5万円でESP(横滑り防止装置)やSRSサイド+カーテンエアバッグを標準装備しているのだから、トヨタは企業努力を怠っていると非難されるべきだ。
しつこい様だが、この問題だけは何度でも指摘させてもらうつもりだ。
トヨタだけを非難すべきではなく、日本の自動車メーカー全般の問題である事はもちろんだが、やはりトップメーカーの責任は大きい。トヨタが奮起すれば日本国内で販売される新車の約半分に安全装備が標準装着されるのだから。更にグループ内のダイハツとスバルが加われば、それ以外のメーカーも附随して来るだろう。「リーディング‐カンパニー」にはそういう責任があると言う事をトヨタは自覚すべきだ。円高で苦しいのは判るが、やって良い事と悪い事がある。
新型「ラクティス」って無意味に高価なクルマに感じる。1.3Lのベースモデル「1.3X」(2WD)が144.5万円~と言うのは貧弱な装備内容を考慮するとかなり割高だ。上級グレードの「1.5G」(2WD)は168万円にも達する。正直、ホンダ「フィットハイブリッド」が159万円で買えてしまう時代に、コレと言ったセールスポイントの無い新型「ラクティス」の価格設定はユーザーを馬鹿にしているのではないか。それとも「盲目的にトヨタ車を選ぶユーザーは沢山いるんだ」と言う自信の表れか。
結論として、新型「ラクティス」は買ってはいけないクルマだと思います。スタイリングも随分いい加減で、全般的に作り易さを優先した印象がある。こういうクルマを買った人が結果的にクルマを嫌いになっていく。トヨタは自ら「クルマ離れ」を引き起こしている事に早く気付くべきだ。豊田章男社長が心血を注ぐべきは3,750万円のレクサスLF-Aではなく、「ラクティス」や「ヴィッツ」の様に低価格なクルマだ。どうしてそれが判らないのかなぁ....。
◎追記◎
トヨタ自動車から本件に対する質問について回答がありました。
お問合せいただきましたSRSサイド+カーテンエアバッグにつきまして、ご回答を申し上げます。 この安全装備の“全車標準装備化”の実施に際しましては、設計・製造・販売等を考慮しますと、全車同時に対応することは、たいへん難しい状況でございます。そういった中で、製造コストや変更のタイミング、そして多くのお客様からのご意見・ご要望等、様々な観点から十分検討した上で、進めていく必要があると考えております。 以上のような時代の変化を踏まえ、新型ラクティスはメーカーオプションとなった理由は、競合車の動向・よりお求めやすい価格を希望されるお客さまの意向を踏まえ、全グレードにおいてオプションとし、お客さまに選択いただける設定としました。コンパクト車についての展開は、お客様のニーズおよび他社の動向を踏まえ、その都度考えていくが、引き続き、より安全なお車クルマをお客様に提供することを最優先に、車クルマづくりに取り組むスタンスに変わりはありません。何卒ご理解賜りたく、お願い申し上げます。
Posted at 2010/11/22 23:56:41 | |
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