
前略、紅花です。
先週、無類の野球好きの親父から電話があり、
「高校野球の秋季大会があるんだけど、
西京極球場って、どうやって行けばいい?」
とのこと。すかさず、
「阪急で京都線、桂で普通に乗り換えて一つ目の駅やで。」
「そうか。ありがとう…。」
ほんの数分間の、何の気なしのやり取りだった。
次の日、仕事をしながら、そのやり取りが頭の中を延々巡り始め、
私なりにあれこれ考えた。そして、ひとつの答えを見つけた。
仕事を終え、親父の携帯へ電話をし、
「俺も行っていいか?」
秋晴れの空、普段なら絶対眠ってる時間にも拘らず
(と言うか、実は私自身、嬉しくてあまり眠れなかった。)、
久しぶりの阪急電車に乗り込み、一路、京都へ。
いざスタンドに陣取り、試合開始。
二人とも真剣に(一杯引っ掛けながら)グラウンドを凝視。
時折の親父の解説に耳を傾けながら、私はこの状況が、
懐かしく(何十年ぶりだろう)、気がつけば、2試合が
終わってた。思えば初めて野球場に連れてってもらったのが、
いつのことかは忘れてしまったが、大阪球場での南海-ロッテ戦。
無類のロッテファンの親父、目の前の金田正一(金やん)監督を今でも
覚えている。そして、グラウンドを凝視する親父…。
あの時と何も変わっていない、それが、ただただうれしくて、快晴の空の下、
差し込む太陽の光をものともせず、おかげで顔が真っ赤に日焼けしてしまった。
球場を後にし、実家の最寄の駅にて遅めの昼飯。
生中を片手に、思わず、私がつぶやいた。
「俺も40ですわ…。」
親父が少し微笑みながら、
「そうか…。」
と、一言。
そんな親父も71歳。彼の背中、髪の毛、目じりのしわ…。
この日私は、彼と過ごす時間の意味と、大切さと、重さを、深く、深く
心に刻み込んでいるような気がした。
こんなところでカミングアウトするのもなんだけど、
私と親父、血は繋がってないんだよね。
生きてきてこの方、「本当の親父」とか、「血の繋がり」に、
ずっとあこがれてきた。
自分自身が「親父」になるに当たって、
言い知れぬ不安を感じることもあった。
だけど、本当に大切なことは、そんなことではなく、
それは互いの「心」や「思いやる気持ち」であり、
「上手下手」関係なく、子に対する「愛」であり、
親に対する「感謝」ただ、それだけだと。
確かに、これを理解するまで、多くの時間がかかったけど、
決してたやすいことではなかったけど、
40年の歳月が、すべてを優しく、暖かくしてくれているような、
そんな気がしてならない。
「十回電話するより、一回会いに行きましょう…。」
最近の私のお気に入りな言葉…。
秋が深まるに連れ、野球も終わりを告げていくのだけど、
来年は、この人と、もっともっと、スタジアムに行こうと思う。
私は、野球と、そしてこんな「親父」が好きだ。
そして、こんな「親父」になりたい。
最後まで読んでくれてありがとう。
紅花でした。
Posted at 2008/10/19 15:28:53 | |
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