今日ご紹介する1台は、先日の宇部店の作業の続きから、スズキのスペーシアです。
入庫時に付いていたベースグレードのパナソニックのストラーダを、アルパインのディスプレイオーディオに交換しました。
ダッシュにはスタンドを使って適切な仰角・振り角を付けて、ピュアディオブランドのATX-25ツイーターを取り付けました。
なぜ大手メーカー物でなくて自社ブランドなの?と聞かれる方もありますが、以前は市販モデルでもスタジオ用のツイーターに近い構造や材質の物があったのが、近年はめっきり無くなって、そこを補うためにOEMの工場を使って自社ブランドを生産しています。
グローブボックス下には比重の高いMDF板を敷いて、その上に4ピース構成のピュアコンを取り付けて、今回も純白のボビンにピンクのラベルの井川が一から手巻きしたコイルを使用しています。
ボビンは特注で作ってもらっていて、製作先から「もう少し材質を安くしてもいいんじゃないですか?」と言われた事もありますが、「どうしてもこの強度が必要です。」と言っています。
ただ中国製でこれよりも強度のあるボビンが存在していますが、ただ固いだけではなく、コイルの微弱振動を底から逃がす様なたわみもある材質でないといけないので、固ければ何でもいい訳ではありません。
全ての結線が終わったらディスプレイオーディオを鳴らして音調整を行います。
まずはタイムコレクションを全てゼロにしてからイコライザー調整に入ります。
ストラーダのベースモデルの3トーンに比べるとアルパインのパナメトリックイコライザーはかなり調整が複雑で、動かす周波数を決めた後に動かす幅を決めて、それからレベルの上下を行うという手間がかかる方式です。
ピュアコンの4つのパーツの値を変えながら、イコライザーの周波数と幅とレベルを調整して音を追い込んで行くと、最後の方ではあまりイコライザーを動かさなくても、生音・生声に近いサウンドに合って来ました。
現行のスペーシアのドアスピーカーは、ドアの下の方に16センチスピーカーが付いていて、そのためにツイーターの一歩手前の音域が弱く、ツイーターの音域を広くした上で、ミッドの上限周波数を伸ばすために巻き数の少なめのコイルを使用しています。
量販店ではフレームがプラスチックだからとか、マグネットが小さいから使い物にならないと言われている純正スピーカーも、変に音が強調されたトレードインスピーカーに比べるとこちらの方が音が自然で、マグネットの大きさと磁力の強さはイコールになるとは限らず、何故かこのスピーカーを使っても驚く様な良い音が再生出来ます。
たまに入庫前に量販店でトレードインスピーカーを取り付けて来られて、「純正であんないい音が出るのなら、大手メーカー製に換えたらもっと良い音になるだろう。」と思われる方があって、実際にはトレードインに換える事によって音がズレズレになってしまい、どこかの音域を強調して、どこかの音をスポイルしてが、実際の音楽とは違う業界のトレンドの音になっているので、そこはうちの会社を信じて下さいとしか言いようがありません。
そんな最初は「トレードインスピーカーを使った方が音が良くなる様な・・」と半信半疑に思われていたベーシックのトリプルパッケージも、車が仕上がって音を聴かれたお客様は、正確な表現の音の良さに大変喜んで頂きました。
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Posted at
2023/04/12 10:27:02