不定期シリーズの続・お客様の質問にお答えするは、1か月半書き込みが無い状態でした。
店頭で質問は頂いていますが、これまでのものと若干重複している部分もありますが、いつもより少し切り口を変えてお答えしたいと思います。
まず最近最も多いご質問が、「ピュアコンは何故普通のネットワークよりも音が良いのですか?」という事と、「ピュアコンのコイルを手巻きされていますが、どうして音が良くなるのですか?」という事です。
まず1990年代にピュアコンが発売された時に遡って説明しますと、当時の国産や輸入品のトレードインスピーカーは、パーツ数点を熱収縮チューブで包んでぶら下げるタイプが多く、これが音が悪くて自分は使う気にはなれませんでした。
音が悪い理由は3つあり、まずパーツが小さい事で、コンデンサの質感が悪く、コイルは小さい大きさで高いインダクタンス値を得るために中心に金属を入れて無理やり値を上げていて、これでは雑な音しか再生出来ません。
またコンデンサーを熱で炙る事で更に音が荒くなり、これを何とかしたいと考えたのがピュアコンでした。
各パーツを十分な距離を取って影響を受けなくするのと、鉄心を入れて無理にインダクタンスを上げるのではなく、空芯という間に金属を入れない状態で上質なコイルで滑らかな音を再生させています。
もう一つ下に敷いているMDF板は木材を一度粉にして、それを固めて均等な材質にしていて、木目がある木だと硬さが場所によって異なるために、あえてMDF板を使用して、後付けのコイルとブラックボックス内のコイルの合計4つから出ている微弱振動をMDF板に逃がして高音質を得ています。
過去には質の悪くて厚さが半分のMDF板を使ってサウンドピュアディオと同じを謳っているお店がありましたが、載せていたのは付属のネットワークで効果は全く違い、そのお店は今は廃業しています。
ネットワークのコンデンサの熱の件に関しては、表面を熱で炙るのもいけませんが、リード線にハンダ付けする時に熱が伝わっても音が荒くなるので、当初は8本のクリップでタコクリップとか、10本のクリップでイカクリップとか呼んでいましたが・・
現在はとにかく付けられるだけの本数を付ける様にいて、本数が増える事によって年々音が滑らかになって来ていて、現在はクリップはこれ以上増やせない状態で作業をしています。
市販のネットワークのコイルはホームオーディオ用の高級コイルに比べると銅線が細く純度も低いので、一番メインのコイルは外に出して自由な大きさにするという手法を、1990年代から取っていました。
ただし最近は車の電動化が進んで、車のあちこちから電磁波が出ていて、ホームオーディオ用の空芯の間が大きいコイルでは電磁波を吸い寄せて、音質が上がらないという場合が出て来ました。
そこで3Dプリンターで市販では無いボビンのサイズを作って、ボビンから銅線を抜き取って、一から空のボビンに手巻きする事でこれまで表現出来なかった音の領域を表現出来る様になりました。
これは高級なスピーカーだけに限らず、ベーシックパッケージを全て手巻きコイルにした事によって、1グレード上の音を表現出来る様になりました。
ただ手で巻けば良いという訳ではなく、巻いて行って少しでもゆがみが出たら10周20周ほどいて元に戻って、原因を見つけたらまた強く締め直してを繰り返すから、機械巻には出来ない良いコイルになるのです。
実際にはとんでもない時間がかかりますが、音のためには時間と労力は惜しみません。
そして昨年の暮れに発売して大人気なのがピュアディオ完全オリジナル製品の『コントロールコンバーター』で、ハイローコンバーターを一から作って大型化したと言えばそうですが、あえてコントロールと名付けているのは、そのボリューム操作の滑らかさと正確さで、ダイヤルを触ればホームオーディオ用の大型のアナログボリュームを使っていると直ぐに分かります。
左右のレベルを狙ったレベルにピタッと合わせる事が出来て、ハイローコンバーターの半固定ボリュームのマイナスドライバーを入れて微妙に合う・合わないというストレスから完全に開放されて、調整時間も短くて正確になりました。
その3色が良く分からないという方のために詳しく接刑しますと、まず最初に赤いラベルのコンバーターを製作して、赤よりもピンクの方が色が映えるからとピンクに変更しました。
この時点では1種類の音色しか無かったのが・・
そのうちトヨタの純正ディスプレイオーディオでは高音のヌケが足らなくてトーンを上げないといけない車種があって、トーンを上げると音が荒くなるので、なるべく上げなくても済むシャープな音色になるパーツを選んだのがブルーのラベルのコンバーターです。
ただ日産のディスプレイオーディオやホンダのナビオーディオでトーンを下げる必要がある車種が多く、逆にマイルドになるパーツを選んで、パーツの並べ方を変えて更にマイルドさを増したオレンジのラベルのバージョンを制作しました。
最初に製作したピンクのラベルはブルーとオレンジの中間よりもややオレンジ色の音色で、3色の色を選ぶのとピュアコンの値とトーンやイコライザーの調整で生音・生声に近くなる様に音調整を行っています。
その前のステレオのハイローコンバーターをモノラルにして2個使用するタイプも、普通のハイローコンバーターに比べたらかなり音は良いのですが、やはりドライバーを入れて調整する半固定ボリュームでは限界が見えて、それでコントロールコンバーターが圧倒的な人気となっています。
今日はお客様からのご質問が多いピュアコンの歴史と、コントロールコンバーターが3色になった理由を、かなり速足でお届けさせて頂きました。
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Posted at
2025/04/18 10:16:06