今日は不定期シリーズのお客様の質問にお答えするをお届け致します。
店頭にいる時はお客様から様々な質問を頂いて、お客様歴が20年以上の方もあれば、最近お客様になられたお客様、そして40年以上お客様もおられて、ユーザー歴はかなり幅広いところから質問を頂いています。
先日はユーザー歴が30年ぐらいのお客様で、バックヤードで使っているある製品のメンテナンスに、お客様としてではなく、業者として入られた方に手作業でコイルを巻いている所を見られてしまいました。
鶴の恩返しではありませんが、「決して見てはいけません。」みたいな所ですが、以前はチャンネルディバイダーをチューンしている作業をお客様にお見せして、「こんな風にチューンしています。」というのをお見せして、その手際よさをアピールしていた時期もありました。
ただ現在の10メートル前後のコイルの手巻きは、巻きつけのトルクを常に一定の力を維持しないといけないので、かなり呼吸を整える必要があって、喋りながらお見せするという事が出来ないので、たまに福岡店の店頭か宇部店のバックヤードでたまたま見られた場合は、そこで一度巻くのを止めてお話しています。
もう前にも出た話ですが、何故手巻きにすると音質がアップするかというと、巻くボビンが市販の物でなく、特注で内側の穴が小さい物を作っていて、そこからの電磁波の進入を弱くしているので、その分高音域に艶が出ています。
またボビンの材質は一般に使われている物よりやや柔らかくしてあり、コイルで起こった微弱振動を外に逃がす様にしていて、そこも音の滑らかさに繋がっています。
3Dプリンターで製作して、周りのバリを切り取って、超内径の小さなコイルを作っています。
また以前にも書き込んで繰り返しになりますが、機械巻は同じ方向にしか動いていないのが、手巻きだと少しでもムラが出ればその場所までほどいてバックしていき、また巻き替えるので銅線の長さの割に得られるインダクタンスが高いコイルが出来上がります。
更に中に使っている接着剤も固過ぎず柔らか過ぎず、絶妙な硬さの物を選んでいて、昭和50年代にナカミチが作っていたPCー100というネットワーク回路を拡大コピーして、コイルやコンデンサの値を自由に変えてクロスポイントを自由に選べる様にしてあります。
昭和50年代のナカミチはPCー100を最高の音とはしておらず、「部品を自分で選んで全て車に合わせてもらうのが理想です。」と言われていたのを、平成になって何年か経つまではその言葉を実践していませんでした。
それではなぜ実践していなかったかというと、PCー100の次のPCー100Sという製品もあったし、その頃はまだツイーターとミッドを別アンプで鳴らすマルチアンプ方式がコイルとコンデンサを使うネットワーク方式よりも絶対に優れていると信じて疑わなかったからです。
それではなぜそこまでこだわっていたマルチアンプ方式を使わなくなったかというと、それはマルチアンプ方式はどうしても音が冷たくて、何人か飽きてきてカーオーディオをやめるお客様が増えてきたからです。
前の回の書き込みでもそうでしたが、カーオーディオに飽きてぷいっとそっぽを向かれた時に慌てて対策を練るのが自分で、あれだけ絶対的と信じていたマルチアンプを付けておられたお客様が車の買い替えを機に載せ替えをしないという方が数人おられてから慌てて方向を変える事となりました。
そのマルチアンプからネットワーク方式に変える時に師と仰いていた東京のM社長との出会いがあって、M社長はPCー100のネットワークの設計にもナカミチの外部の人間でありながら加わっておられました。
当時は確かにPCー100のネットワークは音が良かったものの、ミッドの上限の周波数を決めるコイルの巻き数が大きすぎて、じわじわほどいてその車のドアスピーカーの位置に合わせていたら、ほどき過ぎて失敗してコイルをダメにしていたという事がよくありました。
ただダメにしたコイルの代わりにホームオーディオ用のネットワークを作るためのコイルを入れようと大き過ぎて入らず、今のピュアコンの様に外付けコイルにすれば自由に巻き数を変えられる事に気が付きました。
それならPCー100を使わずに別ケースで一からもっと良いパーツを使って作れば今のピュアコンの形になり、これが今年の秋で34年となります。
話は少しそれて、今年1月に発売した大型のツイーターのZTWーLTD35はピュアコン誕生35周年という事になっていますが、実際には1年半早く発売しています。
このツイーターの大きさと形はナカミチのSPー10をイメージしていて、それ用のネットワークがPCー100で、本来の音楽の形に近い音という発想は昭和50年代のナカミチの考えをそのままサウンドピュアディオが受け継いでいるので、昔からのナカミチファンの方からは「純正のディスプレイオーディオでまさかナカミチ的な音が聴けるとは思わなかった。」と言われる方もおられます。
新しいトレンドを追いかけて行くと一時的には売り上げ上げる事が出来ますが、サウンドピュアディオの原点はお客様から飽きてプイっとそっぽを向かれない事で、ハイエンドの製品だけでなくて、シンプルな構成のベーシックパッケージでも現在はブラックボックスのコイルを手巻きにするなどの手間を惜しまない音造りになっています。
話はスタートに戻って、たまたまバックヤードに仕事で入られたお客様からは、「ピュアディオさんはグループ店が無くなってから急激に音が良くなっていますよね。」と聞かれました。
その理由はお客様も分かっておられる様で、現在は100%自分が音調整したお車でないと出庫しない様にしているのと、直接会って生の声を聞いた事のあるボーカリストが増えれば増えるほど音が良くなって、しかもセッティング完了までの時間が短くなっているという事です。
そのボーカリストの方にお会いする数が増えるという事は、ナビゲーションのGPSの衛星を受ける数が増えると自社位置がどんどん正確になってくるのと同じで、自分でもセッティングの速さと正確さがアップしていると日々感じています。
そんなお話を店頭ではなくてバックヤードでお話して、あまりに印象的なお話だったのでここで掲載させて頂きました。
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Posted at
2026/04/19 10:40:20