今日ご紹介する1台は、昨日の宇部店の完成車からホンダのステップワゴン・スパーダです。
1週間お預かりでスピーカーの取り付けと、レカロシートの取り付けの作業で、周りを何度も行き来するからと広い範囲にマスキングをしていました。
ちょうど同じ時に隣には日産セレナが入庫していて、2台が体積が大きいので宇部店のピットが狭く感じます。
ホンダ純正のギャザーズの大画面ナビを装着した状態で入庫して、フル防振とアウターバッフルを製作するスピーカー交換を行ないました。
ドアの内張りを外すとかなり広い範囲で何も貼って無い状態で、外板裏に防振メタルと防振マットを貼り合わせた上でサービスホールを塞ぐ防振を行います。
ステップWGNでは防水シートにゴムが貼ってあって、これでロードノイズの進入を防いでいますが、手前で2段ノイズの進入を防いでいて、更にここでブロックすればかなり静かになります。
本来は音質アップが目的の防振ですが、ピュアディオの防振はゴムや樹脂の使う比率を減らしているので、音がブーミーになったり、ロードノイズがこもった様な感じにならず、またゴムの臭いが車内にこもる事が無いと好評です。
外した内張りは裏側に下処理を行なって、表にはアウターでややスラントしたバッフルを製作します。
インナーバッフルに比べてユニットが前に出て、音質以外では水滴がかかる場所から離れるのでユニットの寿命が延びます。
このナカミチのSP-50Sのミッドは90年代からお使いで、もう20年ぐらい使用されています。
ピュアコンで効率良く鳴らすとユニットにかかる負担が少ないので長寿命になり、前のお車から外す前に試聴して問題なくて、ステップワゴンに装着しても低音は新品当時より伸びる様になっていて、正直こんなに長くコンディションが下がらないと新しい物が売れなくて普通は商売になりません。
ピュアディオの推奨ユニットをピュアコンを使ってアウタースラントバッフルで鳴らすとこんなに良い音で長持ちの見本みたいな例で、未だに劣化を感じていません。
そしてピュアディオの推奨ユニットはミッドとツイーターがバラバラで買えて、片方が調子悪くなればそちらだけ買えるというメリットがありますが、何と同時に買われていたツイーターのSP-10Sも健常でなっています。
古くなると段々レベルが下がって来るのが普通ですが、今の時点で全く問題無く鳴っています。
この長寿命の要因はピュアコンにあって、普通のメーカーはネットワークのミッド側のコイルの巻きが多い状態で固定で、ツイーターのレンジを広げてどんな車でもマッチングした様に聴こえさせようとしています。
ピュアコンではミッド側の上限周波数をコイルの巻き数を変えて自由に選んで、綺麗に聴こえるギリギリの所までミッドで高域の下の方を鳴らします。
するとツイーターの下限周波数を上げる事が出来て、無理して中音域に近い所まで鳴らす必要が無くて、その結果狭いレンジで音に艶を出して、なおかつ長寿命という事が可能になります。
つまり1個のネットワークで多くの車に対応させようとすると、一定以上音質は上がらず、ユニットにも負担をかけて寿命が短くなるというデメリットがあります。
ただしコイルの巻き数を自由に変える方式は単価が安くて良い音が出て、プラス長寿命になるので、業界的にはタブーな領域に入って行っていると言ってもいいでしょう。
低音は出すぎるぐらい出ていると判断しているのは何度も生演奏で聴いた事のあるアーティストさんのCDを再生して判断していて、
グローブボックス下のピュアコンのパーツをあれこれと交換して音を調整しました。
棚にある沢山のコイルやパーツを持って来てあれこれ交換して音を合わせるのですが、SP-50S・10Sのパーツは専用の値で、最後の1人の方が使わなくなるまでは20年前のスピーカーのパーツでも規定の数をストックしています。
最後にイコライザーを調整して音を整えますが、最初は高音域を2ヶ所1クリックずつ上げていましたが、出庫の前には高音域は全てフラットにしてメモリーしました。
新素材や新構造を競っている今のスピーカーには無い、90年代のコストをしっかりかけて基本がしっかりしているスピーカーの素晴らしいサウンドを体感出来た、とても有意義な仕事でした。
Posted at 2016/11/07 11:47:17 |
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