
さぁて…
車高調+車検という大出費大赤字の5月が終わりました。
ワタクシの預金残高も終わりましたw
夏ボーナスまで死んだフリ…
いや、夏ボは今回の赤字を補填するだけなので、
夏ボ過ぎても死んだフリの予感…⊂⌒~⊃。Д。)⊃
どっかに人生のボーナス落ちてないかな…(爆)
ブライアン・A・オールディス 『地球の長い午後』 (1962)
原題『Hothouse』
SFの生命線である「想像力」。その限界を攻めている作品。
遥かなる未来。何万年単位の未来の地球。
太陽がノヴァ化して環境が変わり、自転も止まった地球。
その世界を支配するのは人類では無く、哺乳類でも無く、意思を持った動物の多くが絶滅し、
その世界を支配するのは植物だった。
かつての哺乳類や爬虫類、鳥類や魚類を模した生態に進化した植物達。
人類は退化し、かつてほどの知性は無く、その数を激減させた。
そんな異様な世界で生きる或る人類のグループ、そしてその中から独立した一人の少年の視点から描かれる冒険譚。
世界観、環境、風景、生態系?、そういった "世界" の描写がまず面白い。
「植物が他の生物を支配するぅ?( ゚д゚)ナニソレ」というトンデモ設定感は終始拭えないとはいえ、
入っていけばなかなか楽しめる物語です。
熱帯のジャングルから始まり、宇宙空間にまで出て行く超巨大生物(植物)の体内に潜り込んで月に渡る人類や、
植物vs植物の生態系の争い、数少ない脊椎動物同士の交流、自転が止まった為の "永遠の夜" の側への旅。
読んでいて浮かんだ風景イメージはFF13の世界。
こういう "完全なSF" はその魅力が時代に左右されないのが強みですね。
ティムール・ヴェルメシュ 『帰ってきたヒトラー』 (2012)
原題『Er Ist Wieder Da』
「彼が帰ってきた」
全世界で大ヒットを記録した前代未聞の風刺小説。
色んな意味で深いアンチテーゼを投げかける。
世界的に最大級のタブーとされ、腫れ物に触れるが如く、或いは単純紋切り型の極悪人としてしか描かれてこなかった "アドルフ・ヒトラー" という存在。
特に当のドイツでは脊髄反射の如く全否定する教育がずっと続けられてきたそうで、
その "意味" を再考する落ち着きを得るまでに70年という時を要した、とも取れる。
ブラックジョーク満載で笑えて面白いのだが、これは別に「ヒトラーが今の世界を見たらどう言うだろう」という一発ネタものでは無く、
歴史はいつでも繰り返される可能性があるという事を投げ掛けている。
おそらく、この本を読んだ人は作中の "ヒトラー" に好感を持つであろうし、応援したくなるかもしれない。
だが、まさにそれが80年前にドイツで起こっていた事なのではないか?と。
そしてまた、別の役者がこの21世紀に同じような演目を始めないとも限らない、と。
ドイツであろうとアメリカであろうと日本であろうと。
“ドナルド・トランプ大統領” 誕生の背景は、実際当時と大差無いのではないか?
(ナチスは政権獲得後は独裁を敷いたが、最初はちゃんと “選挙で選ばれて議席を増やした” のだから。=民衆の支持を得た =国民が選んだ政権 だったという事実。北の将軍様とはここが決定的に違う。ガンダム的に言えば、ヒトラーは『人々の総意の器』であっただけかもしれない)
作中でヒトラーがバッサバッサと斬り捨てている現代ドイツ社会問題の数々は、そのまま今の日本にも当てはまる話が多い。
(ワタクシ自身、元々、ヒトラーを "絶対悪" と決めつける風潮に疑問を感じていたし、心理学等の研究学問の視点から見ると人間として非常にハイスペックな個体で興味深い、とも思う。人種主義論にしてみても、昨今のインバウンド旅行客の態度になにがしか思うところがあれば、根底はそれと同じ事ではないのか)
本作の面白さの主幹は、
蘇ったヒトラーと周りの人々との会話が
噛み合っていないのに一見成立しているように見えるという手法が徹頭徹尾貫かれている点。
これがシュールな笑いを誘う。が、どこか背筋を冷たい風が抜けるような感覚もある。
これと同じ手法のシュールな笑い。
どこかで読んだな、というかよく知ってる気がすると思ったら、
ワタクシが
『プロの素人』シリーズでやってる事と全く同じだったwwwww
Blitzkriegに引っ掛けた「電撃クリーニング」なんて辺り、
ふつーの駄洒落レベルに於いても、丁寧に作り込んであるなぁと思うw ( ̄▽ ̄;)
Red13指定 必読図書
Posted at 2018/05/30 11:11:11 | |
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