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小林あにのブログ一覧

2018年03月14日 イイね!

旧篠ノ井線第二白坂隧道を歩く(2)

今日は、長野県筑北村に残る旧篠ノ井線第二白坂隧道まで行ってきました。

篠ノ井線は、西条駅から明科駅の区間が線路改良に伴うルート変更により、このトンネルを含む旧線区間が昭和63年に廃止となりました。

今回は、廃線跡を辿る遊歩道の終点となっている明科駅側坑口とは反対側の、西条駅側坑口からトンネル内を探索してみました。


内容は(1)からの続きとなります。

奥へと流れるように煉瓦の天井が続いております。


5か所目の大型退避坑です。


奥の壁面にある1960年(昭和35年)7月の表示。この年に大掛かりな改修工事を実施したようですね。


ここの退避坑の照明は白熱灯。


退避坑横にも設置されています。


コンクリートブロック区間の退避坑。もちろんコンクリートブロック積み。


煉瓦を剥がしてコンクリートブロックで巻き立て直さないといけないほど、トンネル内に変状が起きたのでしょうか。壁面に描かれた矢印の上に「42」の数字。巻厚42cmですか。


「T100」のプレート。何を表示してるのかはわかりませんが、数字は減っていっています。


側壁部分が石積みに変わりました。あと、なぜかブルーシートが。


架線を吊り下げるためのパーツでしょうか?


ここだけ、なぜか枕木が元のまま残されています。


パイプをトンネルアーチに接着して、ブルーシートをカーテンにしていたようです。


ここに6か所目の大型退避坑があります。


色々な機材が置かれています。一体何をしていたんでしょうね。




天井の煉瓦の並びが歪んでいるような…。


側壁の面にも段差が見られます。


少し進んだ所にもブルーシートが掛けてあります。


ブルーシートの先は枕木が撤去されています。何とも不可解な区画です。


側壁が石積みなので退避坑も石積みになりました。


鳥居隧道や金山隧道の煤は真っ黒でしたが、このトンネルの煤は茶色ですね。使用していた石炭の違いなのでしょうか。


路盤の真ん中に穴が開いています。


排水溝の穴でした。


7か所目の大型退避坑です。


犬釘が落ちてました。


側壁が朱色に変色してます。何か燃やしたりしたのかな?


側壁を補修した跡のようです。少々乱雑な組み方ですね。


8か所目の大型退避坑です。


ここにも穴が。排水溝の穴は2か所だけでした。


石積みの側壁はここで終わり、また煉瓦積みの側壁に戻りました。




9か所目の大型退避坑です。


距離標ですが文字は全く読めません。


電話機がボックスごと転がっていました。




側壁部分の煉瓦が煤でモヤっとぼけた感じに見えます。


10か所目の大型退避坑です。さすがトンネル延長2km、たくさん設置されています。


壁面に「きのこ屑入れ」なる瓶がぶら下がっていました。調べてみたら、明科駅側坑口付近はキノコ栽培に使われていたそうです。


煉瓦側壁中で唯一コンクリートで補修された退避坑。


また「きノこ屑入れ」がありました。きのこの屑とは一体何?


いよいよ明科駅側坑口がはっきりしてきました。


最後はコンクリート覆工に。


最後の退避坑。


ようやく2kmを歩き通しました。写真を撮りながらなので、1時間25分かかりました。


扉が「キン肉マン」に出てくる「ウォーズマン」に見えるなぁ(笑)。


換気窓から外を見上げてみます。


「T1」のプレート。


坑口付近も1960年(昭和35年)の施工。ここは3月の竣工。


歩いてきた方向を振り返ります。


天井、けっこう傷んでいます。


坑口側は3月でトンネル内は7月の竣工。なんで時期に違いが?坑口側の改修後に内部側も損傷が目立ってきたのでしょうか。


さて、ここからはまた真っ暗なトンネル内を2km歩いて車へと戻ります。


ここから出られたとしても、国道の峠を登って帰るよりはトンネル内を引き返して帰ったほうが一直線ですし、登り坂でも緩やかだから楽なので(笑)。SLには厳しかった25‰勾配ですけどね。

帰りは40分ほどで西条駅側坑口まで戻ってきました。


最後に坑口の遠景。右手の斜面は崖崩れがあったのか、上部までしっかりとコンクリートで固められています。


記録によると、西条駅ー明科駅間は開通後からほぼ毎年、長雨や豪雨があるたびに沿線の地滑りに悩まされていたそうです。常に付きまとう危険と増大する保守費用を解消するために、この区間を3か所・計9kmに及ぶトンネルでバイパスするルート変更が行われた訳です。

さて今回で、ついに2kmの廃トンネルをクリアしました(往復したので4km(笑)。)。ここ最近で1.6kmの廃トンネルを2か所歩いた余勢を駆ったところもありますが、トンネル内の暗闇に対する恐怖感が段々と薄れてきたのかもしれません。

それでも、歩き始めの5~10分はドキドキしてますけどね(笑)。これからも何も出ないこと、出会わないことを祈るのみです。

このトンネル、検索時には内部を探索したという記事はほとんどヒットしませんでした(1件くらい。)。廃線後、キノコ栽培に利用され、現在も坑口に扉が設置されたままなので、探索できない物件と見なされていたのかもしれません(自分がそうでした。)。

おかげで予備知識なしでの探索でしたが、やたら補修されているとか不可解なものがあるとか、何気に特異なトンネルだったので、一人歩きでもなかなか楽しむことができました。
Posted at 2018/03/15 01:31:37 | コメント(0) | トラックバック(0) | ドライブ・鉄道・廃線跡 | 日記
2018年03月14日 イイね!

旧篠ノ井線第二白坂隧道を歩く(1)

今日は計画消化の有給休暇でお休みだったので、長野県筑北村に残る旧篠ノ井線第二白坂隧道まで行ってきました。

JR篠ノ井線の西条駅から明科駅の区間は、昭和63年(1988年)に線路の曲線・勾配緩和による運行上の隘路の解消や、保守管理上の防災向上などを目的として、長大トンネルを連ねるルートへと変更されました。これにより、今回訪れた第一・第二白坂隧道を含む旧線区間が昭和63年(1988年)に廃止となりました。

廃線区間のうち、明科駅から第二白坂隧道までは再整備されて、廃線跡を辿る遊歩道として開放されています。ちなみに、遊歩道の終点となる第二白坂隧道の明科駅側坑口には扉が付けられ、中は伺い知れない状態になっていました。

てっきり反対側の西条駅側坑口も同様に封鎖されているものかと思っていましたが、たまたま廃トンネルのことをネット検索していたところ、反対側である西条駅側坑口から中に入って探索した人がいることを知りました。それならばと思い立ち、急遽行ってみた次第です。

最寄りとなる廃線跡にやって来ました。


さっそく、廃線跡へと足を踏み入れます。




トンネルが見えてきました。


最初に現れたのは、第一白坂隧道の西条駅側坑門です。煉瓦積みの坑門がきれいに残されていますね。




短いトンネルです。中はほとんどコンクリートで覆工されています。


明科駅側の坑門です。こちらもきれいに残されています。


第二白坂隧道はこの先になります。


勾配標と思われますが、塗料が剥げてしまって表示内容はわかりません。


おそらくは、「L」(レベル=水平)と「18.2」(1,000m進むと18.2mの高低差がつく勾配。)と表示されていたと思われます。

第二白坂隧道手前の橋梁です。橋台は煉瓦積みになっています。




帰りはここで長靴を洗えそうです(笑)。

さて、こちらが第二白坂隧道。西条駅側坑門になります。




トンネル延長は2,084m(または2,094.1m)。日本鉄道請負業史明治編によると1900年(明治33年)に導坑貫通とありますが、竣工時期の記載はありません。本トンネルを含む西条駅ー松本駅の区間は1902年(明治35年)6月に開通しました。

坑門はコンクリートで延伸工事されています。1960年(昭和35年)施工のようです。


トンネルに入る前に旧坑門を見ておきましょう。






坑門の裏側には排水路が造られています。敷き詰めてあった煉瓦がバラバラです。


それでは、トンネル内へと入っていきましょうか。


最初から路盤には水たまりが伸びています。


機器用のボックスでしょうか。


早くも天井がコンクリート覆工になっています。


常磐線旧金山隧道ほどではありませんが、黄土色の泥沼が続いています。所々深いです。




距離標がありました。塩尻駅から36.5kmということでしょう。


泥の量が減ってきました。


退避坑上の照明。


見事な白華現象です(笑)。何か所も現れてきます。それだけ劣化が進んでいるということですね。


壁面補修の跡。




白い世界が続きます。ライトの光が白華現象でてきた結晶に反射するとキラキラして綺麗ですよ。


水の色が淡い青色。きれいですが、変な成分を含んでいそうで何か怖いです(笑)。


1か所目の大型退避坑です。このトンネルの大型退避坑は煉瓦造りのものがまったく無く、全てコンクリート製に改築されてしまったようです。


照明のスイッチ?


たくさんの煉瓦の筋に吸い込まれていきそうです。


これは何なんでしょう?丙号距離標というものでしょうか?




お休み中のコウモリさん達を起こしてしまいました(笑)。


コンクリートブロックになっている区間も白華現象が出ています。


2か所目の大型退避坑です。


間仕切りの奥に機器用ボックスが鎮座していました。


コウモリさん達、乱舞しています。


36km地点まで来ました。


まだ明科駅側坑口の光は見えません。


退避時の方向を表示しているのでしょうか?


車の轍が付いています。軽トラサイズに見えます。


片栗粉を塗り付けたかのように白いです。




ようやく反対側の光が見えてきました。これでちょっと安心できます。


坑口から2‰の下り坂(1,000m進むと2m下る勾配。)であったのが、この辺りから25‰の下り坂に変わります。このトンネルの内部は一直線ですが、勾配が変わる場所まで来たことで反対側が見通せるようになったわけです。

バラストが厚く敷かれています。いつの施工なのでしょうか?


3か所目の大型退避坑です。


何か所目かのコンクリート覆工。本当に補修箇所が多いです。


4か所目の大型退避坑です。ここは唯一、明科駅方面へ向かって右側に設置されていました。


奥にボックスが取り付けてあります。


「信号高圧ケーブル接続函」とあります。蓋は開きませんでした。錆のためか施錠されているのか…。


これまた唯一の蛍光灯。


「トンネル照明器具」とありますから、専用品ということでしょうか。


この退避坑の真反対には煉瓦製の退避坑が。


長くなりますので、(2)へ続きます。
Posted at 2018/03/15 01:30:21 | コメント(0) | トラックバック(0) | ドライブ・鉄道・廃線跡 | 日記

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「旧中央本線「大日影トンネル遊歩道」を散策しました http://cvw.jp/b/1796277/48565476/
何シテル?   07/27 00:26
「小林あに」と申します。よろしくお願いします。 休日はドライブしたり、廃道となった旧道や峠の古道を歩いてみたり(煉瓦製のトンネルや暗渠も好物ですが、最近は...
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