
11月22日〜27日
薬師寺東塔大修理特別写経御納経の旅に参加しました。
11月22日、羽田空港を出発、
バンコクを経由しヒンドゥ教の聖地、古都バラナシへ。
バラナシに着いたのは、夕方。
本来なら、ホテルに一度荷物を置き、それからガンジス川へ行くはずだったが、
予定より遅く到着したので、バスに乗り込みガンジス川へ向かう。
薬師寺・大谷徹奘執事曰く、
「新しい土地(国)に下り立った時は、まずその土地(国)の神様にご挨拶をします」
との事なので、一同でガンジス川へ。
初めてのインド。
まず、面食らったのは、人の多さ。
そして、自転車、バイク、自動車、バスのクラクションが入り交じった喧噪。
驚く事に、信号の無い交差点、ぶつかる事も無く、そして喧嘩をする人も無い。
そして、いよいよバスが進む事が出来ない、人、車の量に...。
バスを降り、人力に乗り込む。
人力とは自転車の後ろに2名が乗車できる、
日本でいう人力車の人の部分が自転車になっている乗り物だ。
人、自転車、バイク、車をかき分け前に進む。
まさか、バスの車窓から眺めていた風景に、
ライヴ出演できるとは(笑)、思ってもいなかった。
クラクションと人の波、そして何ともいえない街の匂いに、
同じところを何回も回っているような錯覚をおぼえる。
それほどの雑踏。
そして、いよいよ進めない状況になり、
人力を下り、自分の足で進む事になった。
すると今まで以上に人々の息づかいを間近に感じる。
人、牛、犬、自転車。
そして物乞いをする老婆。子ども。
赤ん坊を抱く女性。手足の無い人。
いったいこの国はどうなっているのかと心底思えてくる。
IT王国、経済発展が目覚ましいという私の中のインドのイメージが崩れる。
ようやくガンジス川に到着。
人混みの中、合掌する。
ヒンドゥ教の行事だろうか。
ステージのようなところに人が立ち何やら行っている。
辺り一面は、まるでお祭りのような
賑わい?騒々しさが充満した空間だった。
初めてのインドは、
まるでアラビアンナイト(国は違いますが...)の世界に放り込まれたような感覚で。
頭が痺れたようになった。
2日目。起床は5時だった。
睡眠時間は4時間といったところだろうか。
前日は21時間程、起きていた事になるから結構きつい。
ガンジス川へご来光を見るために向かう。
街は昨夜の喧噪とは打って変わって、静かだったが…。
明るい中で街を見ると、そのゴミの多さ、
そして神の使いである牛の多さに驚く。
軒下に3〜4頭の牛が固まって寝ている。
路上には牛糞もお構い無しだ。
踏まないよう注意して歩く。
そんな風景をそこここに見ながら進む。
日の出が近づくうちに、人々が目覚め集まってくる。
どうやらガンジス川の沐浴は日の出の時間と決まっているらしく、
それ以外は、水遊びということになるらしい。
大きな20〜30人は乗れる手漕ぎの船に乗り込んだ。
現地の小学生くらいの子どもがお供え物を売るために
一緒に船に乗り込もうと必死だ。
何人かの競争に勝ち残った子どもが一人生き残った。
この国では、貧しい家庭の子ども達は必死で生きているのだ。
私も私の息子達も、そんな経験が無い。
心が痛んだ。
船上でご来光を待つ。
川沿いに昔、宮殿だった建築物やカラフルな建物が並ぶ。
そして、人々が沐浴している姿を見ていると、
インドにやってきたのだと実感した。
程なくして、朝日が昇りはじめた。
対岸は靄がかかっていて、うっすらと木立が見える。
そこはどんな街なのだろうか。
街はあるのだろうか。
そうこうしているうちに朝日が川面を照らしはじめた。
川面に映る朝日の帯が、自分自身に一直線になった時に
合掌し祈る。
今回の旅の一つ目の大切な行事が終わった。
Posted at 2013/11/30 14:12:21 | |
トラックバック(0) | 旅行/地域