はやにさくのブログ一覧

冷えますね。今日はなかなか室温が上がりません。

偶然と言えば偶然ですが、今、ワタシの中に太平洋戦争という言葉が渦巻いています。そもそもは学校で歴史を勉強したときに始まり、昨夜、真保裕一氏の小説『栄光なき凱旋』(上下巻･2006年)を読み終えたからでしょう。映画『父親たちの星条旗』、『硫黄島からの手紙』の影響もあるでしょうし、また、祖父母の戦争体験を少し聞いていたからでもあります。

以前から、なぜ日本が日中戦争、太平洋戦争へと走ったのかが気になっていました。学校の歴史では既成事実としての年表でしかない。それは戦勝国から見た歴史観です。日中戦争で大東亜共栄圏を掲げ、日独伊同盟を結び、アメリカへ牙を剥いた日本とはどういう国だったのか。高校の社会科選択科目でも世界史、日本史を学びましたが何かが欠けているとずっと思っていました。しかし、答えがひとつ見つかった気がします。小説には日系一世、二世から見た太平洋戦争、第二次世界大戦が描かれています。周到な取材と資料から書き上げたであろうこの小説には、筆者の洞察も含めて戦争の生々しさが体に取り憑くような恐怖感や悲しみと、世界の矛盾が描かれています。それは現在にも続いている事だということを心に深く刻まれた気がします。もちろん小説としての面白みにもぐいぐいと引き込まれて行くのですが、読後感としてはこの本はずっしりとした重石にも思えます。

今晩、毎日放送(TBS系)で『シリーズ激動の昭和～あの戦争は何だったのか～日米開戦と東条英機』が放映されています。クリスマスイブの今夜、なぜこのような番組を流しているのか興味深く見ています。鳥越俊一氏はあまり好きではないんですが･･･。