さてこれまで、遺伝要素と環境要素について書いてきました。
ここまでは自分の判断で選択できることです。
今回問うべきは
「車のコンセプトと運転手の個性の一致」
このことについてです。
乗り手が道具を扱う以上どのようなステージ・目的をもって選ぶかは自由です。また、ディーラーが買い手を選び作るのも自由です。更にはチューニングする自由もあります。
結局はないものねだりは基本的にできないので、あるものをどう理解して扱うかに収束します。
そこで幸いにもセリカにたどり着いたわけですがセリカだけで理解するのは芸がない。ではどのような車と比べるべきか?
実に新しい方のセリカはFFベースの4WDも視野に入れています。これはWRCという枠組みがあった点もあるでしょう。ドライブの楽しさを味わえる算段としては非常に有効な選択かもしれません。
zztセリカはボンネット・ヘッドランプ・空力等(1998年エアバック・ABS・OB2規制含む)を主に部品を詰め込み変えました。これは日本車として追及された、非常にターニングポイントな車ではあります。
では、単純にff前釣合の利点は何でしょう。その利点を生かし過ぎると何が起きるでしょう。
そこで上げるべき車はこれです。
「アウディTTクーペ(初代)」

この車です。実にカーグラフィック465号のセリカのページ真裏に綴じられた車です。なぜ、あのリコールが出たのか?それまでの常識を超えた車ではなかったでしょうか?
アウディ自体FFベースを貫きTTクーペでもエンジンを縦置きにし、車とは何かを追及した物でした。しかし、あの事件が起きました。
「FF浮き上がりアウトバーン事故リコール」
です。
そう、一般的にフロントヘビーな車が起こすと思われていない挙動でした。では、なぜこのようなことが起きたのでしょう。
単純にクアトロベースを2シーター化、オーバーハング短縮重心中央化でボンネットが高くなり、空力が想定外を起こしたためです。車体が長ければ車体の捻じれを使えました。しかし捻じれを逃すことなくタイヤに伝わった力は地面に伝える事が困難になります。重心が反転して浮き上がりが起きました。改善策はリアスポイラー装着です。しかし、そのリコールがあったにも関わらず後継も類似形状で、RSの上位車種も販売に至りました。これは、ポルシェやロードスターに通じる信念だと思います。この点は本当に尊敬に値します。
しかし、この車の形状・コンセプトは最近では当たり前のように出てくるようになりました。エンジンの置き方と言うよりはバランス配分と言うことになるでしょう。最もFFベース4wdでもバーストしなけりゃウイングつければ解決と言う、単純な思考をできる技術者が増えたのではないでしょうか。
この選択要素は何とも笑いが出るのではないでしょうか?FRも4WDもMRもRRもそれぞれのスタンスがあるでしょう。何をもって選択できるかと言うのは車のコンセプトで変わるいい例だと思います。
時間があればGTRの水野さんの「時を超える技術」の視聴をお勧めします。
さて、誰でも運転できる車ががいいと言えるでしょうか?
それとも、乗り手を選ぶ車がいい車と言えるでしょうか?
更には、乗り手が作れる車がいいでしょうか?
Posted at 2015/11/05 18:36:19 | |
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